1.《ネタバレ》 これはよかったです。華族という階級が消滅してしまい、今後どうするのか。意地やプライドやメンツが交錯して家族が対立しているわけですが、最終的には同じ決定に収斂されていく。そこに至るそれぞれの思いの変化が時に繊細に、あるいは大胆に描かれていたと思います。それぞれのドラマに見ごたえがあります。中では達観したかのような森雅之の長男が印象的でした。まあ、全員がハッピーエンドというのが弱いという気もしますが、元華族の人も見るということを考えると、やはり希望をもたせた終わり方をするしかないのでしょうね。それにしても、終戦後一年あまりでよくあれだけのセットと衣装を用意できたものです。当時の映画人の情熱を伝えるという点でも貴重でしょう。