6.タイトルは『宮本武蔵』だけどサブタイトルが無いのがつまり、言わばトッピング無しのプレーン状態な訳で。吉岡一門も出てこなければ小次郎も出てこない、そもそもムサシのムの字も登場しない、彼がタケゾー時代のオハナシ。まるで、「ついにデロリアンが完成したぞ!」とドクが叫んだところでBKTFの第1作が終わってしまうようなもんですね。しかし本作、何と言ってもすごいのが錦之助。持ち前のキンキン声をキンキンと響かせながら、走り回るわ、木に吊るされるわ、まさに大暴れ。特に、姉の姿を求めて崖を駆け降りるシーンはまさに圧巻。それにしても、映画のかなりの時間、主人公が木に吊され続けるというのも、かなり主人公扱いの悪い映画でありますが、飄々としたタクアン和尚とのやりとりがオモシロい。そしてラストのタケゾーの鋭い眼光に、続編への期待が高まります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-11 22:18:49) |
5.三国連太郎を沢庵和尚にキャスティングしたセンスに8点献上します。この人の演技は本当にすばらしい。今の俳優さんで三国連太郎に匹敵する老獪さをだせる人は皆無だろう。ためしに藤木直人の沢庵和尚を想像してみたが、まったく緊張感がなかった。やはり宮本武蔵をめるぐストーリーは少年漫画にはなりえても、少女漫画にはなりえないのだ。 |
4.吉川英治の原作「宮本武蔵」に関する話は映画、その他テレビドラマでも幾つか作られているが、この作品が一番だと思う。何しろ役者が良い。中村錦之助に三国連太郎、2人の演技の素晴らしさ、存在感、そんな作品を重厚な作品に仕上げた内田吐夢監督の演出も見事!内田監督によるこのシリーズ、残りの四本、全部観たくなりました。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-10 22:15:46) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 内田吐夢監督の晩年のライフワークとも言える五部作の一作目。長い物語のほんの序盤ということもあってストーリー的な盛り上がりはそれほどないものの、内田監督の骨太で重厚な演出とそれに応える錦之助、三國連太郎といった出演者の演技の素晴らしさによって見ごたえのある映画になっていて、やはり見ていて引き込まれるし、昔にもこの五部作は見ているが、(いちばん最初に見た武蔵映画がコレだった。)稲垣浩監督の東宝版や加藤泰監督の松竹版も見たあとになって改めて見るとこの1作目から武蔵の人間としての成長と人生を丁寧に描くという作品としての風格も出ている。今回は武蔵(むさし)が武蔵(たけぞう)と呼ばれていた暴れん坊だったころを描いているわけだが、錦之助の演技はそんな武蔵の荒々しさと弱さを見事に表していて、その中に人間臭さとでも言おうか、そういうものをも感じさせているのがやっぱりいいなと思う。そんな武蔵を諭し、導く存在である沢庵和尚を演じる三國連太郎も飄々としている中にも重みのある存在感で素晴らしく、映画に深みを与えていて、この配役が本作の肝だったとも言っていいだろう。千年杉に吊るされた武蔵と沢庵のやりとりがとても印象深い。そして、幽閉された武蔵がこれまでとは全く違う鋭く重厚な表情を見せるラストは、これから武蔵を待ち受ける運命を予感させていて、まさに壮大な物語の幕開けといった感じである。(2021年2月14日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2005-05-15 23:22:34) |
2.中盤での沢庵坊が青木丹左衛門を馬鹿にするシーンが大好きなボビーです。あのシーンの爽快感は、例えて言うなら自転車で急な坂道を猛スピードで走っている時の不安と興奮の入り混じった感情だと言えます。他にも山ほど見所はありますが、僕は一番あの場面をお勧めします。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-01 17:31:52) |
1.吉川英治原作の「宮本武蔵」を五部作という壮大なスケールで映画化。第一部ということで、「ロード・オブ・ザ・リング」でいうと旅の仲間が集まるところ。物語はまだまだこれからだが、今後の展開に大いに期待を持たせてくれる立ち上がり。武蔵は声を張り上げ、無鉄砲で荒々しい。 【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-15 16:04:18) |