2.素晴らしい。これはDVDなどで繰り返し見るタイプの映画だと思う。1回だけだと、なんだこりゃ?って感じでこの作品の魅力をすくい取れないまま終わってしまうかもしれない。ヒット作の次ということで、難しい部分もあったかもしれないし、原作が短編漫画ということで、全体を貫く大きなストーリー展開というものに欠けている点で、大衆的な評価が得にくい部分もあったかも知れない。けれど、この作品を貫く中江氏の沖縄への熱ーい思いが、詩情豊かに、美しい絵として、繰り返し見返すたびに伝わってきた。登場人物のキャラも、前作以上にぴんぴんに立っていて素晴らしいし。特に、美恵子ととうちゃんの演技は特筆モノで、とりわけ照屋政雄は良かった。前作のセイグァは(今作もだが・・・)、演技というより巧まざる天然の味わいで見せてくれたけれど、照屋氏は役者として役を演じ切り、全体を引き締めている。ウチナンチュはどう見るのか知らないけど、ヤマトンチュの俺としては、沖縄のここが好きってところをふんだんに見せてもらって、ますます沖縄病が高じてしまいそうである。マブイグミって、ああやるんだとか、お盆の習俗とか、知的好奇心も満足させられた。沖縄に関心のある向きは、必見。