1.《ネタバレ》 桃井かおりがものを食べる場面が前半後半に1度ずつ出てきて、何度観ても涙、名シーンです。当時、下宿生活をしていた同級生が「バイトがない時は一言も口をきかなくても1日が過ぎる」と言うのをきいてハッとしたものです。カバー付きの裸電球から出る狭い光が一人の女子大生を映し出すという演出が上手い、でもみじめったらしくないんです。これは主演の3人(桃井・森本レオ・奥田瑛二)を美化せず堕としすぎず、男って、女ってこんなんだよねえ~と納得させてくれるからかもしれませんね。伊丹十三、加茂さくら、根岸明美といった個性的な共演者も、主演3人を食わず霞まず、自分の持ち場を堅実に演じてくれてます。「ハシモト君、あたしはさぁ・・」よく桃井さんの物真似されてるのはこの作品なのです。奥田瑛二、まだまだ演技が頼りないのですが彼がハシモト君です。村上弘明が数秒出演(ほぼ後ろ姿のみ)。/『今の若い人』に通用する作品ではないですが、この時代背景の隅々に微笑する『当時の若い人』である私の中では女性映画の傑作です。