4.《ネタバレ》 「冥途の飛脚」、つまり飛脚の物語なのだ。
有名な題だが、やっとその意味が分かった。
小生、一時期、郵便配達をしていたことがあったが、
その研修で現金書留に手をつけると犯罪と、何度も教えられたが、
江戸のころの、飛脚にもこんなリスクがあったと、改めてびっくり。
この映画のユニークなとこは、心中物で有名な近松門左衛門が、
この事件を見聞きし、新作のネタにしようとする点。
ラストが決まらない近松は、二人をなんとか幸せにしたいと考える。
そこで、運送途中のお金で、芸者を身請けして、逃走途中、
故郷に立ち寄り、父親がせめて自分の見えないところで捕まってくれと言い、
二人は逃げるというラストにしている。
これは、元の話では、男が捕まって、幕らしいが、
浄瑠璃や歌舞伎で、この話は何回も再構成、上演されることにより、
ラストが、逃げて終わりとか、捕まって終わりとか、いろんなバージョンができたらしい。
面白い!ただ近松を映画化するだけじゃなく、
近松がラストをどうするかというスリリングな要素を付け加えている内田監督の
力技に脱帽!