1.《ネタバレ》 フライシャーの緻密な演出とシンプルな面白さが光る。
フライシャーは「バイキング」や「ミクロの決死圏」等アクションものの監督と思っていたが、まさか「ミクロの決死圏」の後にこんなサスペンスを撮っていたとは。
他の作品に比べるとかなり地味な印象もあるが、それでもフライシャーらしい演出が光る作品だ。
「実在のボストン連続絞殺魔事件」をモデルにした作品。
複数のカットを同時に見せる実験的な仕掛け、淡々と殺しのドラマとそれに歯噛みしながら捜査を続ける警察たちの姿を映していく。
ただでさえ得体の知れない「絞殺魔」が襲いかかるってだけで恐怖だし、もっと怖いのが散々ニュースで注意しているにも関わらずドアを開けてしまう人間心理の怖さ。
開けなくても簡単にドアを突破してしまう「絞殺魔」。
後半の展開は衝撃的。延々とシーンが続く感じなのだが、不思議と飽きない。
“もう一人のアイツ”が出てくる瞬間といったらもう。