ひまわり(1970)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ヒ行
 > ひまわり(1970)の口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

ひまわり(1970)

[ヒマワリ]
Sunflower
(I Girasoli)
1970年ソ連上映時間:101分
平均点:7.66 / 10(Review 185人) (点数分布表示)
公開開始日(1970-09-30)
ドラマラブストーリー戦争もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-10-07)【Olias】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督ヴィットリオ・デ・シーカ
助監督アンドレイ・コンチャロフスキー(第2班監督)
キャストソフィア・ローレン(女優)ジョバンナ
マルチェロ・マストロヤンニ(男優)アントニオ
リュドミラ・サベーリエワ(女優)マーシャ
此島愛子ジョバンナ(日本語吹き替え版【TBS】)
羽佐間道夫アントニオ(日本語吹き替え版【TBS/テレビ大阪】)
筈見純(日本語吹き替え版【TBS】)
松尾佳子(日本語吹き替え版【TBS】)
高村章子(日本語吹き替え版【TBS】)
加藤治(日本語吹き替え版【TBS】)
田中秀幸(日本語吹き替え版【TBS】)
勝生真沙子ジョバンナ(日本語吹き替え版【テレビ大阪】)
原作チェザーレ・ザヴァッティーニ(原案)
トニーノ・グエッラ(原案)
脚本チェザーレ・ザヴァッティーニ
トニーノ・グエッラ
音楽ヘンリー・マンシーニ
撮影ジュゼッペ・ロトゥンノ
製作カルロ・ポンティ
アーサー・コーン
製作総指揮ジョセフ・E・レヴィン
配給ブエナビスタ
美術ピエロ・ポレット(プロダクション・デザイン)
衣装エンリコ・サバッティーニ
その他ヘンリー・マンシーニ(指揮)
あらすじ
出征前に駆け込み結婚したアントニオとジョヴァンナは十四日間の夢のような新婚生活を送るが、狂気を装った徴兵忌避の試みにもかかわらず、アントニオはドイツ・イタリアの戦線の中で最も過酷なロシア戦線に送られてしまう。戦争が終わっても戻らないアントニオをジョヴァンナはひたすら待ち、彼の生存を信じる。スターリン時代が終わるのと同時にジョヴァンナはアントニオを探すためにソ連に旅立つが、ジョヴァンナがそこで知ったのはソ連とイタリアの女たち、そして愛し合う男女にとっては残酷としか言えない戦争の現実だった。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想】

別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
12345678910
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行表示 ※《改行表示》をクリックすると個別に改行表示致します
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
185.これぞ戦後の名作映画って感じですね。庶民は戦争で悲惨な目に合った、男と女は熱く愛し合う、ダメな男と逞しい女、三角関係やすれ違い、ほとんど音楽はなく重要なシーンを盛り上げるためにのみ流され、海外ロケの雄大なロングショットは絵はがきのようです。それらは確かに今の映画では失われたおおらかさや風格を感じさせる要素です。しかしこんな大恋愛なんて現代人とは縁遠いものでしかないですし、男の身勝手さについてもやっぱり古臭いメロドラマでしかないと感じざるを得ません。こういうタイプの作品が成立したギリギリの時期が1970年だったのでしょう。ウクライナ侵攻に関しても有名な映画にウクライナが絡んでいたというだけで歴史について何か理解が深まるわけでもありません。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの共演作ならば1977年の特別な一日の方が現代的なテーマを扱っていると思います。
Сакурай Тосиоさん [インターネット(字幕)] 5点(2023-10-21 23:38:29)
184.《ネタバレ》 序盤は、いいおっさんとおばさんが海岸で抱き合ったりして、どうしたものかなと思ったのですが、32歳という年齢を聞いて、意外と若い設定だったことに、麒麟淡麗グリーンラベル吹きました。日本人の感覚だとそれでも年齢を考えろとなりますが・・・でも、後半の渋い演技に照準を合わせた結果、仕方なかったんだなと納得しました。個人的には、ロシア戦線に送られた男が、九死に一生を得て本当にラッキーだなという思いが強く、他にいくらでもあったであろう悲しい別離と相対化されて、まったく悲しい気持ちにならなかったんですよね。戦争とはあまり関係なしに、男と女の出会いや運命の儚さや切なさに、ジンときました。蛇足:テーマ曲(ひまわり「愛のテーマ」)に聞き覚えがあるなと思い、真っ先に市川崑の金田一シリーズが思い浮かんだのですが、「愛のバラード」と混同したようです。
camusonさん [DVD(字幕)] 6点(2023-05-24 19:34:36)
《改行表示》
183.人間の運命は信念だけではどうにもならないこともあるものですな。特に、ラストシーンはやるせなかった。あかちゃんの鳴き声がきこえなかったらいったいどうなっていたのか。  2回目の鑑賞 ラストシーンは身が切られるような思い。人は変わってしまう。戦争で生死を彷徨うという大きな体験。戦争の長い時間が相手への想いを変えてしまう。新婚の時に別れて心残りがあったとしても。お互いに違うパートナーの子供の存在で我に返ってしまう。社会的な常識におちついてしまう。この作品では男と女の関係はロマンチックだが儚いようだ。● 見渡す限り広がるひまわりが印象的。多数の戦争の犠牲者が土葬された上にひまわりを植えられたそうだ。無数のひまわりの美しさが戦争の愚かさを表現しているかのように感じる。
ホットチョコレートさん [ビデオ(字幕)] 7点(2023-01-05 15:41:52)
《改行表示》
182.《ネタバレ》 -I Girasoli- イタリア語で“ひまわり(ジラソーリ)” 最初のIは男性名詞の定冠詞の複数形。花だと女性名詞な印象ですが、チューリップやひまわりは男性名詞なんだそうな。 結婚休暇や嘘の精神疾患を駆使してアフリカ戦線行きを避けたアントだけど、結果もっと悪いソ連戦線送りに。イタリアからソ連行きなんてあったんだな。てっきり死んだか、死んだ扱いで強制労働と思っていたところ。執念で見つけ出すジョバンナ。  さてあの広大なソ連で、どうやって夫を探したのか。ソ連に派遣されたイタリア軍はそう多くはないはず。旧友の「ドン河で一緒だった」も大きなヒントで、そこ近辺で総崩れした部隊にきっとアントは居たんだろうと。あとはドン河流域の村を当たっていけば…でもこれ、言葉も通じない土地でとんでもない労力と根気が必要。お金も掛かるし精神も磨り減るよな。 若くて子供もいる現地妻マーシャと、あれから10年歳を取った独り身のジョバンナの対比も可哀想。敵兵を助けて夫にしてなんて、本当にあるのか?って思ってしまうけど、ソ連ではキャベツと兵隊は畑で取れるものだから何ら不思議ではない。この2022年に一方的に他国の州を併合するような国家。国家のために働けて敵意のない男だったら、受け入れた可能性も。  ジョバンナの立場で話を追っていたけど、このマーシャがとても純粋で、全然悪い人じゃないのがまた苦しい。10年前に助けて、そのままずっと一緒に暮らしてるんだから。ジョバンナが来て、引っ越すときもすごくアントを気にして、考え込んでる時に話しかけなかったり、無理に明るく話しかけられたら笑顔で答えたり。とても良く出来た奥さんです。 ドン河で頑張ってアントを引きずるマーシャ。コレどっかで観た画だなって思ったら、レッドリボンにやられた悟空を助ける女の子だ。ほらあの、ジングル村の、ハッチャンと暮らしてる。ほら。  ちなみにロシア語でひまわりは“подсолнечник(パトソールニチニク)”だそうです。 ウクライナ語では“соняшник (ソーニヤシュニク)”だそうです。ぜんぜん違うんですね。
K&Kさん [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-06 20:33:45)
《改行表示》
181.《ネタバレ》 ウクライナ情勢を受けて何かと話題になっているので再視聴しました。(このサイトの『最近一週間投稿数ランキング』にも挙がっています)  この主題曲もまた、聞いたことがない人はいないであろう名曲。 古い映画は往々にしてストーリーはシンプルでベタな展開が多く、この映画もご多分に漏れず。 典型的な"すれ違い"による悲劇が描かれていて、戦争がもたらす悲劇と深い悔恨の念が伝わってきます。 戦争は人を不幸にしかしない。 壮麗なひまわり畑と墓地とのコントラストがとても印象的なので、映像美はレストア版で楽しみたいところです。  ソフィア・ローレンはやはり米倉涼子に似ていると思う。
めたもんさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-08 09:53:08)
《改行表示》
180.《ネタバレ》 ロシアのウクライナ侵攻以来、話題になっている作品なので見たが、がっかりだった。 後味が悪いし、ツッコミどころが多すぎる。 トニオの妻は、なぜ無数の倒れているイタリア人の中でトニオだけを選んで助けたのか? ジョバンナが広いソ連であんなにも簡単にトニオを探し当てられるものなのか? トニオがジョバンナを訪ねてきたとき、初めて来る場所なのに、タクシーを降りた後、大雨で夜なのに、なぜ迷うことなくジョバンナの部屋まで行けたのか? 名作なのだろうが、私には合わなかった。
チョコレクターさん [インターネット(字幕)] 5点(2022-08-20 08:09:04)
《改行表示》
179.《ネタバレ》 戦争のことをどうしても考えてしまう時期時世のこともあり、本作を鑑賞。 ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、本作にもあらためて世間の注目が集まることとなった。 ひまわりといえばウクライナの象徴だが、本作上映時はそのウクライナもソ連の一部だった。  現代的な観点で見ると、ソ連周りの描写は、色々と無理がある。 ロシア戦線の想像を絶する過酷さを考えると、あの状況でアントが生き残る、しかもロシア娘に救助され、生活を共にしていること自体が非現実的に映る。そのまま凍死か、処刑か、収容所送りの方が遥かに現実的な気がする。また、ジョバンナがあの広大で、しかも情報を隠匿する共産体制下のソ連でアントを探し当てるのも、かなり無理があるだろう。他にも、やけに小綺麗な街並みの描写や、やけに善意のある人々など、ソ連に都合のいいプロパガンダ描写になっている感がどうしても拭えない。昨今のロシアの蛮行や閉鎖的なロシア社会を目にしてしまった現在からすると、その当時は善意に溢れる社会だったとはなかなか信じがたい。  一方で、人物描写の巧みさがとにかく光る映画であり、戦争に引き裂かれた男女の悲劇を、十二分に演出し切っている。  情が深く、烈女ともいうべき誇り高い性格のジョバンナ。美男だが、どこか頼りなく、不安定さが見え隠れするアントニオ。主役二人の性格描写が素晴らしい。愛に忠実で、愛のためならどこまでも毅然となれるジョバンナ(だから役人や、帰還兵にも敢然と食って掛かる)だが、愛に裏切られると、その毅然とした性格が裏目に出て、荒れに荒れてしまうのだ。アントを探し当てるも途中で逃げ去る場面や自暴自棄になって想い出の写真や服を投げ捨てる場面は、ジョバンナの心情が痛いほど理解でき、強く感情移入してしまった。  毅然と誇り高いジョバンナに対して、優男のアントがいい具合に未練がましく、どうも頼りないというこの対比が良い。記憶喪失のくだりは、何回観ても嘘くさい(笑)ロシアに残した妻子を放り投げて、ジョバンナと一緒になりたいと言い出すあたりの情けなさも、ジョバンナとの対比がよくできている。だが、ジョバンナは、誇り高い性格であり、そうした一線を踏み越えることは拒絶する。  戦争さえなければ、ウマがあった二人が引き裂かれることはなかっただろう。そうしたやるせなさも含めて、戦争そのもの、そして戦争がもたらす悲劇について考えさせられる作品である。  クライマックス、下ろした髪で隠れているが、ジョバンナの耳にはかつてアントから贈られたイヤリングがつけられている。アントはなにも気づかない。最後の最後、ジョバンナに見送られ列車で去るアント。遠ざかる車窓から、ジョバンナの涙は、はたして見えていたのか。すれ違いの悲劇やヒロインの愛情深さが、言葉でなく、映像で表現された素晴らしい場面だ。
nakashiさん [DVD(字幕)] 8点(2022-08-14 22:03:34)
《改行表示》
178.《ネタバレ》  フィクションはフィクションとして楽しめと言われそうだが、やはりどうしても引っかかる点は引っかかるわけで。 以前から、引っかかってた外国人がロシア国内をそんなに好き勝手に動き回り、そんなに自由にロシア人に話しかけられるかという点は、まあ、スターリン死後ということもあり、多少は緩和されてたのかなと。(でも映画撮影時点でも、外国人の移動はモスクワ周辺に限られてたそうで、だからソ連側は撮影現場はウクライナではないと言い張ったとウクライナ大使館のホームページにありましたが) あと、ロシア国民の明るくて楽しそうな生活についても以下同文、フルシチョフっていうのが、それほど嫌いな政治家じゃないんで、まあスターリン統治下に比べたら多少は改善されてたかと。  でも、これはない、絶対あり得ないと思ったのが、第二次世界大戦中(当然スターリン統治下)に、イタリア兵の命を救い、助けられたイタリア人がそのまま夫として暮らし続ける。唖然とした。 スターリン統治下のソ連でそんなことが、許されるわけがない。夫は即捕虜収容所、妻はスパイ容疑で収容所。これが当然。 大げさだと思われるかもしれないが、今の中国よりもさらに厳しい専制国家だったと言えば、ご理解いただけるか?  少し調べてみたら、ソ連が後援した映画だった言うこと。 独裁専制国家の後援を受けて、それを美化する映画を作るのはどうなんだろうと思う。
rhforeverさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-11 15:24:08)
《改行表示》
177.《ネタバレ》 2022/2/24撮影の動画で、ウクライナ人の女性がロシア兵に対し、ヒマワリの種をポケットに入れておけ、と言ったのを見てこの映画を思い出した。 実際にヒマワリ畑の映像はウクライナで撮影したとのことだが、しかしこの映画自体はウクライナのことなど全く意識していない。字幕を見る限りは「ロシア」としか言っておらず、映像的にもモスクワ周辺が映っている場面が多かったらしい(ネット上のロケ地紹介記事によれば)。物語の設定上も、主人公の夫が「ドン河」で戦ったのだとすれば、現在のウクライナより東のロシア領の話だったかも知れない。現下のウクライナ情勢を受けて、今こそ見るべき映画として全国各地で上映する動きもあるようだが、ウクライナという国に注目して見ようとするとちょっとずれた印象を受ける恐れがある。ただ最低限「戦争反対!」とはいえそうだ。 ちなみにヒマワリは別にウクライナ原産でもなく、ロシア帝国時代の18世紀?に持ち込まれてから現在のロシアとウクライナに広まったとのことで、現時点でのネット上ではロシアの国花と書かれている記事もある。これをロシアではなくウクライナだけのシンボルとして位置付けるのは不自然であり、両国共通に親しまれている植物と思うのが妥当ではないか。今回の戦乱によって両国のヒマワリが分断され、ウクライナのヒマワリが国際的に公認されてロシアのヒマワリが否定されるとすれば変なことになる。国で分けるのではなく人々の連帯のシンボルにでもなればいいだろうが。  ドラマに関しては、基本的には共感しづらい人物が多く、どうも外国の映画は馴染めないものがあると思わされる。ロシア人妻が可憐に見えたのはよかったが、心が乱れてしまって子どもに当たっていたのはよろしくない。 主人公は冷戦下のソビエト連邦に入ったわけだが、現地のソビエト市民は平和で友好的でそれなりに満ち足りた暮らしをしているように見える。まるで社会主義の成功をアピールするPR映画のようでもあるが、それはそもそも合作映画なので当然としても、もともとイタリアは西側の中でもソビエト連邦と友好的だった関係もあるかとは思った。主人公をヒマワリ畑へ案内した役人は、親切そうに見えて実は監視役だったのではないかと皮肉を書いておく。 なおどうでもいいことだがイタリア語で蚊はzanzare(単数zanzara)というらしい。ロシア語は知らないがНе знаюだけはわかった。
かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 5点(2022-03-19 09:57:04)(良:2票)
《改行表示》
176.可憐なロシア娘を選ぶか、南イタリアの豪快なオバチャンを選ぶか、それが問題だ。 って、一体それのどこが問題なのよ、と言いたくもなるだろうけれど、そう簡単に割り切れないのが人生なのです。 戦争から帰らぬ夫を探し求め、ソ連を訪れた妻の前に、夫は彼の地で妻子を設けていたという事実が突きつけられる。戦争のもたらした悲劇。 冒頭、無数のひまわりが咲き乱れる中で、カメラがその一つの花へとズームしてゆくのが、あたかも、この映画で取り上げる物語は、無数の悲劇の中の一つに過ぎないんだよ、とでも言っているかのような。ラストも、無数のひまわりの花へと再びカメラが帰っていき、映画が終わる。 しかも、映画中盤でもひまわり畑が登場しますが、このイメージは、その少し後に登場する、林立する墓標のイメージにも重ねられます。本来であれば、「ひまわり」とは、陽光あるいは生命力を象徴するような花、にもかかわらず。 映画に何度か列車が登場しますが、画面の左から右に向かう方向への動きは不安な未来へ、右から左へ向かう動きは安寧の過去へ、の動きのように、感じられます。ロシアからの復員者を乗せた汽車は右から左へ。ロシアでマストロヤンニの姿を見たソフィア・ローレンが飛び乗る汽車は左から右へ。 そんな中で、ラストの別れは、左⇒右ではなく、右⇒左の動きであることに、ギクリとさせられます。もはや、すべてが取返しのつかない、過去へと封印されていくかのような・・・
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2019-02-12 22:20:52)(良:2票)
175.《ネタバレ》 戦争未亡人の話。ニノロータの曲とひまわり畑の中を歩くソフィアローレンが印象的な映画
にけさん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-01 12:15:36)
《改行表示》
174. 油彩画のような色使いで、奥行きのある重厚な画作り。特に前半はフィルムの質感が活かされた陰影に富む映像美。  たくましい生活感と愛にあふれる女性像は、家族愛を描くイタリア映画らしさを感じる。さらに、戦争が引き裂く愛にネオレアリズモの一端をみた。  S・ローレンとM・マストロヤンニの演技は喜怒哀楽が程よい表現。他の出演者ではL・サヴェーリェワが愛らしく適役。出演場面がわずかながらアントニオの母役A・カレーナも忘れ難い。  一面に咲き誇るヒマワリ畑は戦没者の墓標でもあろう。冷静に搾油・食用目的と考えれば景観美は感じないが、印象的でいい場面だ。情感たっぷりの音楽も心に残る。
風小僧さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-11 12:53:23)
173.《ネタバレ》 主演ソフィア・ローレン程度の予備知識しかなかったが、冒頭から画面いっぱいに咲きほこるひまわりと聞き覚えのある悲しげなテーマ曲に、まだ物語が始まっていないのになにやら切なさが込み上げてくる。チャランポランでコミカルな前半、当時を思い起こさせるロケ映像の数々、そしてラストの別れのシーン、それぞれがなかなかの出来映えだとは思うけど、やっぱりこの映画は情熱的で行動的な主人公がやっと探し当てた夫と再会するシーンに尽きるのでは。列車から降りてきたアントニオが現地妻と話すのを遠くから見守るジョバンニ、耐えきれずに言葉も交わさず今来た列車に飛び乗るヒロイン。たくましさが際立っていただけにあまりにも切なく健気な姿に感情移入100%。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-12-16 18:28:38)
《改行表示》
172.《ネタバレ》 これほどヒロインのキャラが脳裏に焼きつく作品は、なかなかないのではないか。  よく笑い、よく怒り、よく泣く。 自由奔放のようでいて、意外と律儀。  それぞれのギャップのコントラストがあまりにも強く、こちらの感情を力技で揺り動かしてくるような性格だ。  その性格は、必ずしも人間として”善”とはいいがたいものもある。 戦闘員に関する情報を出す受付で「夫は生きてるはずよ!」といきまいて居座り、他の人達の順番がどんどん遅れるのもおかまいなし。 情報をくれたのに、彼を見殺しにしたと帰還兵に怒ったり、母親には「あんたの息子は裏切りものだ!」みたいな言い方でつっかかったり(たぶんその後あの母親とは絶縁したものと思われる)。 まるで子供ような自己中心的な性格だ。  だが、そんな子供のような自己中心的な性格だからこそ、重大な選択(アントニオと不倫駆け落ちを実行するか)で、お互いの子供のことを思って、自分の欲求を押し殺す選択をした、そのケナゲさが心にしみるのだといえないだろうか。  あれ買って~!これ買って~!あれヤダ~!これヤダ~!それがイイ~~!ギャーギャー!とわめく子供が「パパとママのために、僕、我慢するよ」なんてシンミリいうと、心がほだされるのと似ている。  ジョバンナを喜怒哀楽の激しい自己中心的で幼稚な性格にし、人間としてデキた人物設定にあえてしないことで、こうした”ギャップ効果”を見事に作り出している。まことに、知能犯な脚本である。  ジョバンナがダメ人間だから感情移入できないとシャットアウトしてしまうのは、あと一歩、ヨミが足りない。  タイトルにもなっている「ひまわり」は、その見た目の陽気さや快活さと、その花の下にいる大量の死体・・・というギャップをはらんでいることで、まるでひまわりがジョバンナの性格を表しているようだ。  徴兵から逃れるために精神病のふりをする作戦をとろうとする倫理観の欠如があって、義母が来訪すれば、部屋にあった掃除道具を窓の外にポンと放り出して片付けるテキトウさがあるのに、いざ二人で駆け落ちをという状況になると「あなたも私もバンビーニは犠牲にできない」というマットウな意見を言ったりするから、見ているこちらも「そうなの?どうしてもだめなの?だめ・・・か」とアントニオと同じように、ダラ~ンとうなだれてしまう。  気に入った男は結婚アレルギーだとしても徴兵を先延ばしするという口実を作ってでも強引に結婚させるとか、行方不明になっただけなら生きているはずと単身ソ連に乗り込むそんなイノシシのような猪突猛進の行動力があるのに、いざ二人で駆け落ちをという状況になると、グっと行動が抑制的になるとかもう、ジョバンナの手に持たれたお土産のタヌキの毛皮のように、ダラ~ンとうなだれてしまう。  さらに、そうやってアントニオに冷静に告げている彼女の耳には、かつて彼からもらったイヤリングをつけていると思うと、やっぱり切ない。 彼が部屋に来ることを知って、つけた思い出のイヤリング。 でも、髪の毛で隠れて見えないイヤリング。 彼に気づかれることもなく、でも確実に彼女の耳にある、彼の愛の証であるイヤリング。  彼女の中には確かにまだ彼への思いがあるけれど、それを、あからさまに彼に見せることはできず、心にそっと秘めている・・・ そんな彼女の思いを象徴するのが、あのイヤリングなのではないか。  タブーを抱えた二人が、お互いに思いを寄せ合ったまま、結ばれない道を選ぶ・・・という物語は、わたしは大好物で、たとえば名作「ローマの休日」や「旅情」にせよ、それに比べてわりと現代の作品である「マディソン郡の橋」にせよ、確実に心に残る。  どんなに時代が変わっても、タブーを抱えた二人は結ばれてはいけない。そこをねじまげて周囲に迷惑かけてでも愛を貫きますなんていう展開になると「昼顔」やら「失楽園」や「冬ソナ」のように陳腐で下世話なメロドラマになってしまうのだから。
フィンセントさん [DVD(字幕)] 8点(2017-10-24 09:50:24)
171.しんみり、じっくりと進んで、恋愛映画として楽しめました。
へまちさん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-05 23:17:14)
170.《ネタバレ》 名作として、名高い本作..今観ると、(演出が)時代を感じるし..ストーリー展開が、ところどころ陳腐..残念... (ツッコミどころを挙げてみる ・主人公二人の結婚する理由が、出兵逃れって..どうなの? ・どんな出逢いをして、どのように恋に落ちたのか描かれていない..そこが抜け落ちているから、二人の深い愛に説得力がない.. ・雪原の中、たくさんある死体の中から、アントニオをどうやって見つけたの? 都合よすぎでしょ、しかも女1人で家まで引きずって帰るなんて.. ・ジョバンナはロシアに行きアントニオを捜すけど..意外と簡単に見つけてしまう..都合よすぎ.. ・アントニオは、どうして記憶をなくし、いつ記憶がよみがえったの? 描写(説明)がない..)
コナンが一番さん [DVD(字幕)] 5点(2017-07-24 23:56:44)(良:1票)
169.《ネタバレ》 可もなく不可もなく。くっついて結婚して、徴兵に駆り出されて、帰ってこず。妻が探しに行くと、死にかけたところを救ってくれた女性と結婚して家庭を築いていた。その後再会したが、お互い家庭があり、一緒にはなれず。。。といった内容。内容が無いというか、起伏がないくて正直つまらない。戦争は家庭を引き裂いてしまい、やはり残酷だ。あと、主人公のイタリア女性が気が強そうだが美人である。
SUPISUTAさん [DVD(字幕)] 6点(2017-05-01 19:35:27)
《改行表示》
168.すごく名作として有名な映画なので、 とても楽しみしてしていたけど いたって普通の映画に感じた。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 5点(2016-03-22 00:39:54)
167.《ネタバレ》 戦争によって家族が、愛しあうどうしが、引き裂かれていく悲劇を描いた名作ですが、私は、どんなタイプの映画であれ、映画の中の人物像は、その人がどのようにナチュラルに行動し、語っているかが一番気になります。そして本作が素晴らしいと思うのは特にその点です。たとえば。ロシアで奇跡的に命びろいをした夫は、助けてくれた彼女をふりきるようなことが人間として不実であることはわかっていました。彼の切なげな無言の表情が胸を打ちます。でも自分の「本心」が行動を起こさずにはいられなかった。彼自身が本当に愛しているのは別の人だから・・。でも運命は彼らを決定的に引き裂いてしまいました。胸をかきむしられるような痛みがつらく、駅での別れのシーンは、何度見ても涙が抑えられません。ところで。私はある日たまった新聞を整理していて、読み落としていた記事を目にしました。ある教育者一家の家族愛のルポでした。ご長男が太平洋戦争出陣で亡くなり、戦友が遺品を届けに来てくれたそうなんですが、両親は会わなかったとのこと。会えなかった、のでしょう。代わりにご兄弟がお会いになったようです。このエピソードだけ書いてもよくわからないかもしれませんが、戦争の悲惨さというものはそういうことなんだと思うんです。そしてこれは私の想像ですが、ご両親の心情はその戦友の方にこそ一番わかりすぎるほどわかったのではないかと思います。まして気分を害して帰られたということはおそらくなかっただろうと思います。この記事をきっかけに改めて、この映画で、ソフィア・ローレンが帰還兵から夫の消息を聞いたとき、そのことで頭が一杯、というふうだったシーンを思い出しました。大変な思いをしてわざわざ尋ねて消息を知らせてくれた人に感謝の一言もないの?というご意見もありましたが、それはまさに平和ボケといってもいい状況にある私たちの今の感覚がそう思わせしめるのではないか、と感じます。その方の感想を非難したいわけではありません。しかし自戒も込めて思いますが、実感が狭い見方と同義である場合もあるのです。この映画は、砲弾も戦闘も描いてはいないけれど、戦争というものの実相をきちんと描いた、私たちが観続けていかなければならない名作だと思います。折りしも、昭和20年代以降まさかと思っていた、戦地への同胞の派遣が行われました。割り切れない思いでいっぱいです。
おばちゃんさん [映画館(字幕)] 10点(2016-01-30 20:11:08)(良:7票)
166.《ネタバレ》 リバイバル上映で初めて見ました。ヘンリー・マンシーニのあまりにも有名な哀愁漂うテーマ曲のためか、見る前は切ない物語だろうと思っていましたが、結局のところ単なるメロドラマでした。物語の展開はそれほど激しくなく、戦地のロシアで死にそうになった主人公の夫が現地の人と家庭を築いてしまい、主人公である妻がロシアまで夫を探しに行き見つけるも、結局どちらも新しい家庭があり子供もいるためそのまま分かれてしまう、というストーリーです。今だったら(それがいいか悪いかは別にして)もっとドラマチックなストーリーにするところですが、公開当時(1970年)はこれで良かったのでしょうね。イタリア映画であることもストーリーにあまり起伏がない一因かもしれません。主人公である妻はソフィア・ローレンが演じていますが、いかにもなイタリア女を上手く演じています。現在は美人の基準が変わってきていているのでもっとマイルドな顔の女性が美人の代表として見られていますが、ソフィア・ローレンのような気の強そうな顔の美人はもう出てこないのかもしれませんね。
MASSさん [映画館(字幕)] 7点(2015-06-11 21:36:44)
別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
12345678910
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 185人
平均点数 7.66点
000.00%
110.54%
200.00%
321.08%
410.54%
5147.57%
62412.97%
73921.08%
84524.32%
93016.22%
102915.68%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.66点 Review15人
2 ストーリー評価 7.00点 Review19人
3 鑑賞後の後味 7.43点 Review16人
4 音楽評価 9.14点 Review27人
5 感泣評価 7.76点 Review17人
chart

【アカデミー賞 情報】

1970年 43回
作曲賞(ドラマ)ヘンリー・マンシーニ候補(ノミネート) 

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS