56.「遊星からの物体X」「エイリアン」「ザ・グリード」と数々の“モンスター映画”の二番煎じオンパレード映画であることは間違いない。
ただし、同じような趣向でも、もっとどうしようもない映画は沢山あるし、二番煎じにすらなっていないものも多い。
そういう“駄作”の存在を踏まえると、今作の出来映えはそれほど悪くはない。
“B級”であることは間違いないが、“B級”故に充分な「見所」は備えている作品だと思える。
まず、「トゥルー・ライズ」以来のファンとして、ジェイミー・リー・カーティスが主演ということだけで、個人的にはかなりアツい。
「エイリアン」のシガニー・ウィーバーを意識した配役であることは明らかで、この女優のことをよく知らない人にとっては、「なんでこんなオバさんが主人公なんだ?」と思うのかもしれないが、少なくとも一部のファンにとって、このキャスティングは作品の充分な魅力になり得ている。
そして、ウィリアム・ボールドウィン、ドナルド・サザーランド、クリフ・カーティスと、脇を固めるキャストの“地味な豪華さ”も映画ファンにとっては味わい深い。
特にドラルド・サザーランド御大の最終的なぶっ壊れぶりは、笑ってしまうが、見ないと損だと思う。
更には、「トランスフォーマー」や「ハンニバル」を時を越えて“パクっている”と思わずにいられないてんこ盛りぶりも、この映画の立ち位置に相応しい要素だと思う。
ラストが意外に大人しく終わってしまうので、もっとストーリー的にも暴走しても良かったし、その可能性がまったく無いとしても「続編」への布石は打っておいてほしかった。
そうであれば、もっと問答無用に褒められたかもしれない。