6.《ネタバレ》 矢口史靖監督の長編デビュー作だが、ブラックコメディでニヤリとさせてくれる。
ごく普通の女子高生がちょっとしたことからどんどんとんでもない方向に流されていく。
キセル発覚で逃亡中にカバンからボーイフレンドとのベッド写真紛失。
そこから怒涛のように次から次へとトラブルに見舞われる。
祖母の骨壷紛失、通夜での火事騒動、一家離散、商店街ぐるみの犯行でレイプされ妊娠などなど。
それなのにラストは離散していた家族が集まって幸せそうな団欒と、なんだかよくわからない展開。
女の子の不幸には自業自得の面もあるのでインパクトが弱くなっている。
例えば、明らかに怪しい女と他人の家に不法侵入して同居したり。
もっとやむにやまれず仕方なくやったことばかりで不幸の連鎖が生じたほうが面白かった。
主演の女の子も素人丸出しの演技で、チープな自主映画のようなつくり。
それが狙いなんだろうけど、未整理でムダな部分も感じられテンポも悪くて完成度は高くない。
ただ『ひみつの花園』や以降の作品にも見られるようなコミカルなセンスはここでもうかがえる。
純子がボロボロになりながら歩いているところを罵詈雑言で責められ続け、時折り自転車を蹴って反撃するシーンはおもしろかった。