1.リストラ策を打ち出した企業に対し、ある社員がリストラ撤回を求め自殺を図った。木口高志その人である。止めに入った同僚のおかげで軽傷で済むが、仲間を救う為の行動だと英雄のように報道され、彼は一躍「時の人」となる。そこに目をつけた中堅の保険会社が広告塔として木口を起用、インパクトは大きく、狙い通り加入者は右肩上がりに・・・。戸惑いながらも、真面目さゆえに徐々に自分を過信していく木口、スキャンダルを作るために手段を選ばない週刊誌の記者、すぐ手のひらを返す企業のお偉いさんなど先を見通したような鋭い視点が光ります。