25.《ネタバレ》 冒頭で、アナ(ニコール・キッドマン)の夫ショーンが公園で倒れて亡くなるシーン。
それに続いて、赤ん坊の誕生カットが入り、生まれ変わりを暗示している。
ところが、ショーンが本当に愛したのは妻のアナではなくクララだった。
そのことを少年が知らなかったことから、クララは少年がショーンの生まれ変わりではないと断じる。
そして、クララの捨てた手紙からアナの情報を得ていたことを看破する。
ただ、生まれ変わりでないのなら、少年があれほどアナに執着したことに説得力を欠いてしまう。
それに、生まれ変わりでもない少年を亡き夫だと信じてしまう主人公アナは、とんでもないマヌケになってしまう。
それでは、本当は生まれ変わりなのに、少年はあえてそれを否定したのか?
少年はクララとショーンが愛し合っていたという事実にショックを受けていたので、それも考えにくい。
手紙を捨てに行くクララの跡をつけていた理由もわからないし、手紙を読んで情報を仕入れる必要もない。
少年がショーンの生まれ変わりかそうでないか、どっちにでもとれるというよりも、どっちにもとれないといったほうが適切。
なので、中ぶらりんでどこにもたどり着けない印象になってしまった。
美貌の未亡人と10歳の少年が愛し合う画を、センセーショナルに提示したいというのが先にきて、ストーリーの整合性は後回しにされたような気もする。
また、少年に少しでも魅力があればよかったが、かわいげのない顔つきで、まったく好感が持てない。
誰にも感情移入できないので、置いてきぼりをくらった感じ。
ベリーショートのニコール・キッドマンの美しさが、ひたすらもったいない作品だ。