《改行表示》41.実在した武士のドラマとしては、後の世にその名を残す侍が主要登場人物にいない、 下級藩士とその家族を主人公とした時代劇。 それゆえ、幕末という激動の時代を舞台としながらも淡々と時が過ぎていく。 特に終盤は2時間越えの作品にしてはかなり足早に時が過ぎていきますが、 それでも中盤までは当時の名もなき下級藩士の生活が垣間見える、 1人の下級藩士とその家族のホームドラマとしてみれば味わいのある作品となっています。 特に猪山家を支えた女性を松坂慶子と仲間由紀恵がいい。 ドラマの中の猪山家だけでなく、本作もまたこの2人の好演に支えられた作品であったと思います。 【とらや】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-05-16 17:20:26) |
《改行表示》40.《ネタバレ》 前半から中盤にかけては大変面白く見られた。お駒の嫁入りから借金返済プランまでの流れは、地味ながらもちゃんとエンターテイメントしていたと思います。生真面目な性格から生み出される笑いのエッセンスが味わい深いです。家財道具を取り上げられる猪山家のリアクションが切なくも面白い。 『お救い米』という名目で着服していた年貢のエピソードも地味ながら良かった。軽いサスペンスからの逆転出世は爽快ですらあります。 後半になると時代が駆け足で進みだします。人の感情より出来事優先。まるで箇条書きのように羅列されるエピソード。みんな瞬く間に歳を取り、病気になり、死んでゆく。前半までの丁寧なドラマが嘘のよう。猛スピードでそんな様子を見せられて、いったい何を思えば良いのでしょう。歴史の教科書を無理矢理読まされているかのような感覚でした。 これ堺雅人と仲間由紀恵じゃなかったらクソつまんねー映画になっていたんじゃ・・・ 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 5点(2021-05-10 01:24:33) |
《改行表示》39.借金を返済するためにいろんなアイデアで乗り切っていく映画なのかと勝手に思っていたが、実際は猪山家の生き様を描いた映画だった。 でもその辺差し引いてもあまりメリハリがあるストーリーではないので、少々退屈気味。 【miso】さん [地上波(邦画)] 4点(2020-05-06 00:12:23) (良:1票) |
《改行表示》38.《ネタバレ》 「後半が…」 2013/01/06鑑賞 世情を反映してかこういう作品も成り立ちます。 倹約も工夫と思えば苦ではない。 堺雅人さんがいい味出してます。 目の優しさ厳しさがいいいです。 仲間さんもすてきです。 四文銭を犀川に捨ててきなさいという辺りが秀逸でした。 ただ後半の落としどころがぼんやりして、登場人物が次々亡くなっていって…… というあたりは、史実に忠実にということなのか、 映画としては面白味に欠けました。 【pige】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-01-12 21:56:08) (良:1票) |
《改行表示》37.《ネタバレ》 題名がよろしくない。確かに原作本はこの題名なのだが、少なくとも映画に関する限り家計簿(下級武士の暮らし向き)は主題ではなく、三代にわたって続く猪山家の生きざま、中でも父と子の絆こそが主題なのだから、映画の題はたとえば「算用者」などのように変えた方がよかった。「武士の家計簿」じゃ軽すぎるし興味本位的な内容なのかと先入観を持たされる。副題にするか原作として紹介する程度でいい。 内容はよかった。算用者としての頑固なまでの誇りを持って生きる父と、その父に徹底的に鍛えられつつも父の生き方に反発もする息子と間の葛藤も含めた父子愛が美しい。子役のセリフが上出来だ。ずっと後年になって病で歩けない父を背負って歩き、父の葬儀に父と同じように算盤をはじく場面は淡々とした描かれ方だが、やはりこの映画の頂点であり、それなりに重みを感じた。現代ではこのように「父の跡を継ぐ」ことが絶対というわけではなくなったが、親子代々一つの道にとことん打ち込んで行く姿はやはり美しい。父は子を愛するが故に厳しく育て、子は反発しながらも父と同じ道を行き、父の心をずっと後で理解する。不器用な生き方だが、実直であり誠実であり、制約が多い故に確かな父子愛をそこに感じることができる。大多数の人間は平凡な人生を生きて死んでいく。願わくば自分も子供にこの父の子供なのだという確かな何かを伝えたいものだ。 【空耳】さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-10-08 05:46:43) |
36.《ネタバレ》 2分に1回くらいの割合で、明らかな現代語的言い回しが台詞にほいほい混じっている。って、この間もどこかのレビューで書いたな。それに加えて、算盤を題材としていながら、そのディテールにまったく踏み込まれていない。つまり、登場人物が算盤を「ただ弾いているだけ」。しかも後半はその話はどこかに消えてしまっているので、題材設定の意味がなくなっている。さらに加えれば、照明も音楽もあまりにも雑。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-10-25 23:53:06) |
35.幕末期、加賀藩の御算用者(会計係)として仕えた猪山直之一家をモデルに、算盤を武器に激動の時代を生きた家族の姿を描く。終盤、やや情緒に流れる向きもあるが、深刻な題材を時にコミカルに、時にしっとりと描写する技量は卓越している。とりわけ直之とお駒の初夜の場面は白眉である。 【野良猫】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-09-07 22:47:16) |
34.可もなく不可もないノンフィクション風時代劇でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-08-25 20:31:55) |
《改行表示》33.これって「映画」なんですかねぇ。テレビでよくある歴史バラエティの再現映像の出来損ないを見せられた感じ。エピソードを掘り下げるでもなく、特にストーリーがあるわけでもなく、ただ淡々と役者に語らせているだけ。有名な役者がゴロゴロ出ているのに、何ら価値を生み出していません。何かの「実験」のつもりだったのでしょうか。 それに、原作はどう描いているか知りませんが、主人公の経済観念には共感できません。彼は「金は天下の回りもの」という言葉を知らないらしい。借金してでも消費するから、経済は成長するのです。それが信用経済というものでしょう。誰も彼もが無借金・倹約にひた走ったら、家もクルマも売れません。そうなると世の中にお金は回らず、誰も彼もがますます貧乏になるだけです。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 2点(2014-01-15 23:10:42) |
32.《ネタバレ》 今見ると、堺雅人が「半沢直樹」に見えて仕方ありませんが、藩政に於いて財政運営の重要度が高い時代の武士の姿を描いていて非常に興味深かったです。フィクションの部分も多分にあるのでしょうが、何となく現代に通じる要素もありましたね。 【TM】さん [地上波(邦画)] 8点(2014-01-05 11:26:11) |
|
31.DNA、血とはこうして綿々と続いていくんでしょうか。他人より一つでも秀でているものがあると強いものです、それを伸ばしていかないと、今の世も生きにくいのですから、時代が変われど・・・ですね。淡々と描いているから味が出るのだと思いました。貴重な帳面に基づいているので、原作が読みたいです。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-31 10:27:39) |
30.話題になった原作は未読。経済ドラマ的なものを期待していたが、平和な時代から動乱の時代へと変化する中でソロバンに生きた親子3代物語という感じで、これはこれで中々よかったような。こういう実直な合理主義者は結構好きなタイプなので。印象的なのは親が死んでもソロバン弾く父子の会話でしょう。「その家によって違うであろう」これが本作の言いたい事ではなのかと。 |
29.たんたんと物語が進んでいくのをただ見ているだけでした。 【pokobun】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-09-07 21:04:22) |
28.黒澤明が好きそうな題材ですねえ。同時期に仲代達矢主演の「切腹」を鑑賞していたせいか、とても対照的な物語だなあ、と感じました。「武士道」という前提の価値観を持ちつつ、どう自分らしく生きていくか、考えさせられます。幕末から明治にかけて、日本が歴史上もっとも劇的な変化を経験し、価値観がひっくりかえるような世の中、大事なものって何だろうか。現代でも生き方のヒントになるような物語だったと思います。娯楽映画としての面白みは正直言って弱かったけど、原作の新書と合わせて観るのがいいと思います。 【ゆうろう】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-14 12:21:14) (良:2票) |
27.見せ場がないのが逆にこの作品の狙いか・・・身内の亡くって堺雅人の独特の喋り方が役に凄くハマっていてよかった。 【映画】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-04-13 22:34:45) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 淡々と描かれる算盤侍3代のお話。 とくにコレと言った見せ場はありませんが、当時の『働く侍』という貴重な題材のおかげもあって長尺くながら最後まで興味深く観れました。 演者さんのおかげもあったかなぁ。 森田監督作品と相性の良くない自分としてはイロイロと演出上の気になる点もありましたが、まぁ氏の作品では好きな方かな。 刀(真剣)を振り回すシーンはないけれども、しっかり時代感をだした映画というのはとっても貴重で、その点においては良い題材だったんではないでしょうか。 【ろにまさ】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-03-01 19:25:03) (良:1票) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 堺の作品ではこれが一番だと思いました。確かに淡々と淡々と、かなり長い歳月が描かれておりますが、親子、夫婦、家族、仕事、風俗などどれもが浅くて・・・。ただ何カ所か涙する場面もあったし見せ場もありました。もう少し映画なんだから、熱の入った演技とかあってもいいんじゃないかと? 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-15 13:47:13) (良:1票) |
《改行表示》24.2013.01/13 鑑賞。「武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新」が原作とのこと。このような下級武士?の実態などは余り映画化されず興味が湧く。親を見て育つ、家業の意味が良く解る。 淡々と3代に渡り「御算用者」の生活が描かれ、興味深かった。ただ盛り上がりに欠ける。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-01-13 10:42:42) |
《改行表示》23.コメディタッチの映画なのかと思っていたら、淡々としていて抑揚のない映画で驚いた。 家計が火の車で、知恵を絞り、借金を返してゆくってところを掘り下げていけば、面白くなると思うんだけどなぁ。日本の財政も火の車だしね・・・ で、猪山家の借金は返済できたのだろうか。明確な描写がなかったと思うけど。 ついでに言えば、堺雅人と仲間由紀恵の歳の取り方のバランスが悪いと思う。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-01-06 22:42:12) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 倹約のお話と云うより、父子を中心とした家族のお話でした。父子の関係を象徴する五文銭事件。父の方針が正しいとは必ずしも思わないのですが、息子の中には大きなものが残ります。それは父親像として穿たれた「くさび」のようなもので、肯定するにせよ、否定するにせよ、息子のその後の人生に居座り続けた出来事だと思われます。その内容が意味することより、父親の存在自体が強く刻まれたと想像します。盛り上がりに欠ける作品との指摘もあるようですが、私にはその父子関係が充分な見どころとして残りました。誰にも父親像を想起するような出来事があると思います。自分にとっての五文銭事件を思い出しました。この映画ほどドラマチックではありませんけど。もうひとつ、お城の職場描写は新鮮でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-23 23:53:37) |