《改行表示》9.画面上の空気が緊張していく観せ方は流石ブライアン・シンガー。随所に上質さを感じる作品。配役のセンスも素晴らしい。 しかし、ケーブルテレビという上質な物語装置を活かしきれていない勿体無さを感じたのも確かで。この脚本でD・フィンチャーあたりに監督を任せたら奥行きもグッと広がって面白くなってたんじゃないかなぁ、と感じました。 蛇足ながら、元町長の「エイリアンマニア」っていう設定、要らないんじゃないかなぁ・・・。 【aksweet】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-02-09 00:48:09) |
8.《ネタバレ》 シュールな始まり方にシュールな展開、そして突然の殺人シーンの後に終わる、あまりにも理不尽な作品。主人公がは気づかないうちに内部を侵食してゆく、コンピューターウィルスのような存在に思えました。 【j-hitch】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2009-02-06 23:43:10) |
7.ブライアンシンガー作品だから見てみましたが、きつかったです。90分がめちゃくちゃ長いです。前半、だらだらと進みながらも、後半とんでもないことが起こりそうな雰囲気をかもし出し続けるのですが、さらっと秘密が暴かれて、それがどうしたの?って感じで終わります。いやはや。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 2点(2008-07-15 17:33:46) |
6.《ネタバレ》 僕にはこの映画の良さが全く分かりませんでした。主人公の男は市長が絶対正しいと信じているし、真実を知らされた後自己保身のために恋人すらも殺してしまいました。固定観念に縛られた頭の堅い男が街から街へ色んなトラブルを撒き散らして歩いているのかと思いましたが、で、一体何なの?って思ってしまいました。意味がありそうな気もしますが、僕には分かりませんでした。 |
5.派手さはまるで無いのですが、心にグサリと突き刺さる鋭い毒を持った映画です。告発社会や大衆のコントロールは身近にも十分起きていることであり、特にA新聞、Nステーションなど一部マスコミに恐ろしさを感じます。真実に対する目をシッカリ持ち声の大きな人間に流されないアイデンティティが必要でしょうか。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-11-29 01:43:51) |
4.『ユージュアル・サスペクツ』ほどには驚愕させられる心理サスペンスではないが、私には大変面白い映画である。ことに前半のテレビ番組場面の作り方が楽しい。室内の気だるい熱さは『バートン・フィンク』を思わせる。ブルースターの町にどこからともなくワイリーがやって来た。彼は視聴者制作番組用チャンネル8に、自らがホストをつとめる番組を放送し始めた。さながら公開討論番組であり、電子会議室といったところだ。害虫である蛾を集める街灯、ゆっくりと回る扇風機となって、町の人々の醜いコミュニケーションの実態を採集し始める。ところがバブリック・アクセスであるにもかかわらず、現実にはプライベート・アクセスに終始した。その余りの醜悪さに、彼の美学は嘔吐した。彼はふたりを殺害した。ひとりは町長の悪口を言う元高校教師ジェフだ。ここで音楽はペールギュントとなる。これは絶妙で、キューブリック『2001年宙の旅』以来のエレガントな使用法だ。もうひとりはヘンリーの教え子で、ワイリーの恋人レイチェルだ。ワイリーは町長のために町の「害虫」ヘンリーを殺害するが、彼はことの真実をレイチェルから教えられ、町長の実態を知ってしまう。それなのにレイチェルをも殺害した。やり過ぎたと内心は軽く省みつつも、事の流れに乗って(町長支持に託つけて)レイチェルを殺害して、ブルースターから爽やかに消えて行った。大家であり元町長であるボブは、かつてのワイリーの部屋に入り、天井の扇風機を止めて、放心したように座り込んだ。主題歌は皮肉にも『レイチェル・マイ・ディア』で、「わたしをひとりにしないと約束して」という文句で終わる。この不思議な寓話は何だろう?まるで昔話のように、コミュニケーションの曖昧さを示している。昔話は基礎付け作用が小さいので、それだけコミュニケーションのことを語りやすいのであろう。ワイリーとは何者か?元町長のボブが信じたエイリアンと思えなくもない。理想郷を思い描くエイリアン=ワイリーは、ピカレスクの含み笑いとともに、人々のコミュニケーションに巣くう蛾々=害虫を採集摘出していく。シーンの繋げ方は大変にうまい。不良青年の死体を発見して警官が慌てて走ってくるシーンと、パーティでおどけて子供が飛び跳ねるシーンを映像的に同一化させ、これを共通分母として場面を滑るように転換させていく。殺害というショッキングなテーマをあざ笑うかのように、すぐにパーティのふざけた音楽で悪意をもって見る者に襲いかからせる。何とも言えぬ悪魔的な諧謔にぞくぞくとさせられる。結局、ワイリーはラストシーンで子供に語る「ストレンジャー」なのだろう。彼はブルースターのために派遣されたメディシィンマンなのだろう。ブルースターの真実のために、皮肉にも真実を語る者を殺害し(不良少年も)、嘘を言う者を支持した。こうしてひとつの真実を探りだす渦巻き運動は去っていった。綺譚めいたブルースター神話であり、神様の間違った計らいのようである。見当違いの天使であり、捜査を誤ったターミネーターである。 【mitty】さん 10点(2003-01-06 23:41:51) |
3.「パブリック・アクセス」とは、ケーブルテレビなどのメディアを利用して、地域社会の問題点を提起し解決することを目的に、一般市民が制作した番組を放送する制度のことで、アメリカなどで広く普及しているそうだ。本作を見れば、そのシステムがよく理解できる。大規模なテレビメディア網の一方通行かつ膨大な情報の流れは権力的と揶揄されたりするが、その情報伝達手段の一部を市民に開放しようという、実に民主的な発想に基づいているものだ…が、本作は、この草の根民主主義を媒介に、平和な町をあっという間に蝕んでしまう一匹な悪性ウイルスの恐怖を描いている。この映画についてのいくつかの批評を見ると、主人公はあちこちの町を渡り歩いては同じようなことを繰り返している愉快犯ではないかとの意見があって、ナルホド、それはそれでかなり怖いなぁと思ったが、私の意見は、主人公の正体は市長(の面を被った金の亡者)に雇われた監視人(というか殺し屋?)ではないか、と。市長の裏計画を妨害する人物を割り出し始末するための「パブリック・アクセス」だったのではないだろうか。そう考えると、市民主体の平和的活動が巨大組織の非情な情報収集活動に転化してゆく恐ろしさが浮かび上がってくる。番組の最終回(?)に出演した市長の「彼は信用できるから…」というセリフがけっこう怪しい…。ともあれ、この作品のテーマを凝縮しているのが、ラストで主人公が自転車に乗った子供に語りかける、「知らない人に声をかけられてもついていっちゃダメだよ」というセリフ…知らない男の呼び掛けに反応してしまった町が荒廃していった様をここでフラッシュバックせずにはいられないだろう。作品の評価としては、主人公の性格の意図された曖昧さと、これに対比される町の人々の輪郭がこれまた曖昧なため、全体的にぼやけてしまった印象がぬぐえない。それにしても、トンネルの殺人現場のシーンは何の伏線だったのか、分からないのだが…? 【しっと】さん 5点(2002-12-15 05:34:31) |
2.これは現代の怪談。「ユージュアル・サスペクツ」で有名になったブライアン・ジンガー監督だが、僕はこの作品のほうがずっと好き。パブリック・アクセス社会で生きる現代人の日常は、確かに実体のない恐怖に支配されている。 |
1.監督がユージュアルサスペクツのブライアンシンガーということで、期待してみたのですが、冒頭から眠くなってしまい、ラストもいまいちでした。これからどうなるんだろうと思っていたら、いきなり終わってしまいました。もうちょっと展開がほしかったです。 【NIN】さん 4点(2002-01-14 01:30:39) |