1.《ネタバレ》 現実の事件を元にしているためか、冒頭「これは架空の話です」という断り書きが出ます。どこまで事実通りかわかりませんが、この映画での投資経済会のメンバーは、犯罪を行っているつもりはありません。というか、合法的に運営していこうと考えています。ところが、そのための法案を通すため政治家に金を渡したり、内偵している刑事を遠ざけようと金品で釣ろうとするのは、あまり合法的とは言いかねます。なにやら、目先のことを追いかけて本質を見失っているようで、皮肉です。
皮肉といえば、金を渡した政治家の行動も痛烈な皮肉です。佐田啓二演ずる投資経済会会長は「誰だって金がほしいに決まっている」という信条の持ち主。しかし、金をもらった人間は自分の思うとおりに動くと考えたのが間違いでした。金だけもらってあとは知らん顔……。こういう展開だと、人間に対する信頼感が失せてきそうです。いや、信頼できないのは、最後に映し出された建物にいる人たちだけかもしれませんが。そうした風刺と社会批判が、事件ものの展開と無理なく溶け合っています。