1.《ネタバレ》 正月からコメディタッチの時代劇を見てきたのですが、これが一番面白かった。基本は市川雷蔵と京マチ子のラブコメです。京マチ子演ずるおもんさんは、多数の手下を抱える大親分で、才色兼備の切れ者。「自分よりできる男としか一緒にならない」と言っているのですが、そんな男がおいそれといるわけではない。そこに来たのが雷蔵演ずる八八の瓢太郎。口八丁手八丁、さまざまなことで「免許皆伝」の腕を持つだけに、次々と試験をパスするのだが……というお話。おもんさんは瓢太郎の腕も認めていて惹かれているのですが、なかなか素直になれない。この京マチ子のツンデレぶりが見もの。腕が立つということで殺陣も見せてくれますが、これも格好いいです。
一方の雷蔵もとぼけた味が出ていますが、一番とぼけているのは、ヤクザ者でなんでもこなすのに博打にだけはめっぽう弱いということ。通常とは逆を行く設定が楽しいです。脇の小林勝彦・小桜純子・大辻伺郎がまた、明るく楽しくて雰囲気を盛り上げています。
主な筋は雷蔵・マチ子の意地の張り合いで進むのですが、後半横恋慕した安部徹に殺し屋3人組がからみ、アクションもあって飽きさせません。最後は(自称)フェミニストのセンセイ方が激怒しそうな結論になるのですが、これもまあ時代がよく出ていると思います。全体としは明朗快活時代劇で、大いに楽しめました。