6.意外と楽しませてもらいました。室田日出男の悪どさとか、加藤嘉のひからびた感じとか、小池朝雄の緊張感からの妙なオチとか、木の実ナナのせつなさとか。しかし肝心の菅原文太は期待はずれ。もう少し重要な役かと思ったのに、別にいてもいなくてもいい感じでした。高倉健はまあこんなもんでしょう。
で、全編を通じで気になったのは貧しさ。刑務所はもちろん、民家も、安宿も、食事も、マンションも、汽車も、何から何まで貧乏くさい感じ。70年代の日本はこんなに貧しかったのかと痛々しく思えるほど。こんな時代には帰りたくないなと。
ただ、おそらく日本の豊かさは今ぐらいがピークで、これから先は貧しくなる一方でしょう。70年代と比べてどうなるのか見ものです。