2.《ネタバレ》 ただのサスペンスかと思ったらエスカレート系。
犯罪者でもなければ殺人鬼でもない。ちょっと女好きな人たちと、ちょっと男好きな人たち。どこにでもいる普通の若者。そんな普通の若者たちが、ちょっとしたボタンの掛け違えで、お互いに殺しあってしまうまでを描いたシチュエーションサスペンス。その狂気を、違和感や不自然さを感じさせないぎりぎりのバランスで描いた良作。
前半がちょっとダラダラしすぎかもしれないですね。まあ必要な人物描写のシーンではありますが。それに前半の平穏なバカンス風景があるからこそ、中盤からの殺し合いがよりスリリングに感じられるというものです。にしても長い前半です。
リサが死んでからは徐々にスリリングな展開に。みんなの精神が少しずつおかしくなっていく様が妙に生々しくリアルです。
一番情けない感じだったジョシュ。そんな彼が一番狂気をはらんだ人間に変貌を遂げていくなんて誰が想像できるでしょう。
ショーンとキムの最期が悲劇的で悲しい。これだって、平常時であれば、キムはこんなミスはしなかったでしょう。これがパニック状態の人間の怖さ。早とちりで簡単に人間の命が散ってしまう。
気がつけばタミーとジョシュしか生き残っていません。クルーズに出る前、誰がこんな結末を予想したでしょう。うまいなあ。