2.キラー・シャーク(邦題)だの、SharkMan(原題)だの、どうして正直に「私は半魚人です」と言えないんですかね、まったく。
サメ並みの知能と人間並みの脆弱な肉体を持つ、恐るべきモンスターが襲ってくる作品です。とりあえず。
冒頭の安っぽい襲撃シーンから、何となくフライングキラーあたりを連想して、そういやこの作品もサメ人間だ、ってんだから、水中でも地上でも襲ってくる恐るべき生物なんだろう、と期待するのだけど(ウソ。期待はしてません。何となくそう思っただけ)、これがよくわからない。そういうシステムなんだろうとは思うけれど、あまり地上では活躍してくれない。というより、サメ人間があまりちゃんと映らず、襲撃シーン自体が何だかよくわからん。
サメ人間に襲われるのは男女3人ずつのご一行様。約一名、少々鬱陶しいジジイがいる、という事はわかるけれど、基本的にキャラクターがちゃんと描き分けられている訳でもないので、正直、見ててもあまりこのご一行に関心が持てない。
いや、もっと問題なのは、その中の一人の男が一応はヒーロー役、らしいのだけど、これが中年太りの短足オヤジ、普通の映画なら真っ先にモンスターの餌食となって画面から消え去ってくれるであろう、雑魚キャラ感あふれる男。こんなヤツがマジメな顔で銃を乱射しているだけで、噴飯モノです。
一方、ヒロイン役みたいなのもいて、何でしょうね、美人かどうかはともかくとして、ノースリーブ姿で逞しい二の腕をこれでもかと見せつけ、何となくサマになってしまっているのが、これまたどうも。戦う相手がサメ人間だし。半魚人だし。
そんな彼らがやってきた無人島、そこではマッド・サイエンティストが(このヒトはそれなりに狂った感を出していて、真っ当です)息子をサメ人間に改造していて、コヤツが襲い掛かってくる。という、サバイバル。
水たまりみたいな沼にハマっただけで、危険だと騒ぐかと思いきや、海には平気で飛び込んだりして、見ている我々も何を恐れていいのやら、よくわからない。水中の危険度合いがよくわらかんぐらいだから、地上の危険度はもっとわからん。
マッド・サイエンティストが一番ヤバい奴だというのは、何となくわかるので、クライマックスでは、囚われのヒロイン危うし!となる訳ですが、このシーンですら、どうにも、おマヌケなんですよねえ。
と、なかなか楽しめる作品でありました。