1.《ネタバレ》 「全米初登場第10位!」というあまり見たことない控えめな(でもよく考えると十分凄い)煽り文句に心動かされて鑑賞。停電!道路遮断!繋がらない携帯電話!雪山のホテルに館詰め!さあ人狼ゲームの準備は整った!との予告編はなかなか魅力的でしたが、実際のところ出鱈目とは言わないまでもJARO案件の匂いがプンプンします。自然災害と何者かの工作により孤立する町。一度は住民全員でホテルに泊まると決めたものの、被害者が一人出た時点でもうバラバラ。みんな自宅に帰ってしまいます。そりゃそうだ。殺人鬼が宿泊者の誰かと疑われる状況ならば、一緒に泊まるメリットはありません。このあたり設定がゆるい。せめて外は猛吹雪で帰宅不可にしないと。もっともソリッドシチュエーションが過ぎるとこの後の展開が続きません。「人狼ゲーム」の名が付いているものの実際は「ゲーム」ではなく「ルール」もありません。怪しい住民を順番に吊るす事は出来ませんし、殺人鬼も厳戒態勢下では容易に獲物を狩れません。ある程度人を流動させるのは仕方がないかと。ただ折角閉鎖空間で高まった緊張感が、フィールド開放と共に霧散してしまったのは残念でした。「人狼ゲーム」とはあまり関係なく、何人か殺され何人か事故死。終盤にきて急にストーリーが渋滞した気がします。結局「人狼なんて居なかった」じゃなかった点は評価しますが、サスペンスとして楽しめるかというと微妙。ブラックコメディと割り切って観た方が良さそうです。