224.《ネタバレ》 何かもう、すべてが、観念的、作為的、露悪的なのです。みんながみんな、その演技を「させられてる感」が満載です。いくら音楽を被せようが、もっともらしいネット入力風景を差し込もうが、カメラをあれこれ動かそうが、本質は変わりません。見どころは稲森いずみの登場シーンくらいでしょうか。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2024-08-16 01:11:32) |
《改行表示》【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-07-20 01:20:43) |
《改行表示》222.とにかく冗長。「リリイが・・・」とか言いながら全編ドビュッシーに頼り切っていて情けない。 ただ、こどもたちのもうどうしようも無いくらいの狭い世界と閉そく感はリアリティを無視しながらもちゃんと表現していて、大人の観客を赤面させたり歯がゆく苛つかせたり、と成功している。 それから、闇を抱えた人物たちが全員同様に逃げ込む先が自然(田んぼ、小川)のただ中、というのも好い。まぁ現実的に想像すると夕暮れ田んぼの真ん中でウォークマンで聴いていても、リリイ・シュシュの音楽より周りの蛙たちの大合唱のほうが凄い聞こえてくるだろうけれど。 さすがに作り手の監督さんらがまだ厨二病じゃないと思うので、この映画の演出や空気感というものは、経験値が低すぎて何も持ってない事を「透明感(!」であると恥ずかしい解釈をして自分たちは腐った大人たちとは違う存在としたがる哀れな若者たちをまんまと騙すため、なんでしょうね。そう思いたいです。 結局商業的な作品であるということで、評点はどうしても低くなってしまいます。 大人は見る価値無し。 【みっしぇる】さん [ブルーレイ(字幕)] 3点(2021-03-07 22:27:54) |
《改行表示》221.私が多感だった時期に公開された映画であり、良くも悪くも印象深い映画である。 この映画の主要登場人物たちと世代的には近く、いわゆる郊外に住んでいた点でも一緒なのだが、それでも彼らの描き方はどうも過剰であり不自然に見えた。 確かにいじめ、売春、性暴行などは、私が通っていた学校でも大問題になった。たぶん偏差値が高い名門校でない限りはどこの中学校や高校でも起こりうることだろう。 ただこの映画の場合、集団でレイプにかかったり、売春や自慰を強要させたりという場面が出てきて、さすがにそれは過剰演出に思えた。仮にそういう事態が起こったなら、学校や警察にすぐ発覚して、狭い地域社会全体で大問題に発展するはずだが、映画ではなぜか表面化しない。だいたい郊外の街の狭い人間関係というのは、良い事も嫌な事も隠そうとしても発覚してしまうものだ。親の会社の倒産とか家族離散は伝わるのに、なんで売春やレイプが表面化しないのか。 映画的なインパクトを追求して過激な展開にしたのだろうが、少年たちのあまりに過激な行動とそれが全然表面化しない展開が、少年たちと世代も近く、映画と似たような郊外の街に住んでいながら、いや住んでいるからこそ、リアリティに欠ける印象があって、映画の世界に入っていけなかった。 リアリズムなき少年たちの描写、物語展開のテンポの悪さ、カメラワークのキレのなさ、インターネットの描写の不親切さ、これらのために全体的にちぐはぐな映画になっていて、これでは高い評価を与える事はできない。 唯一高く評価できるのは、紛れもなく蒼井優の存在感だろう。主人公を足蹴にし、鞄を放り投げて川へ飛び込んでいくシーンには圧倒された。 売春を強要される少女の悲しみや悔しさ、惨めさを表現するシーンとして素晴らしい出来だった。そして悲しいくらいに美しかった。 脇役としての出演ではあったが、この当時から突出した個性や表現力、それを自覚してるかしてないかはさておき、彼女は持っていたという事がわかる。 長々と書いたが、要は好きな映画では決してないが、蒼井優を好きになれた映画ということだ。 【nakashi】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2018-08-25 17:50:11) |
220.ケータイ小説を彷彿とさせる、中二病観念的残酷青春映画。負のエネルギーが充満する要素が中学生たちに重くのしかかり、美しい田園地帯が残酷さを際立たせる。自分にはリリイ・シュシュはいなかったが、生き甲斐と言えるもの、居場所があったから、自殺したくてもそこから免れた。映画に幸せや救いを求めるのなら見ない方が良いだろう。現在の中学生はこれ以上に残酷で虚無感に満ち溢れた、救いのない世界を生きている。理解できない、融通が利かないから目を背けるしかない。そういう無責任を監督は観客に突き付けたかったのではないか。「じゃあどうすればいいの? 答えをすぐ映画に求めるなよ」みたいな禅問答。私もまたそこから目を背けた傍観者だ。悲しくて救いがなくても、死が救いという場合もある。沖縄編は冗長でいらない。 |
219.《ネタバレ》 川崎市で島から越してきてイジメで殺された子の事件を連想してしまいただ胸くそ悪く、監督の自己陶酔全開の気色悪い映画でした。もう少し救いがあればいいですけど、ただ痛みだけを見せられても気持ちの行き場が無くなります。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-06-15 23:19:47) |
《改行表示》218.エーテルがよくわからないという意見がありますが、あれ位の年代なら誰にでも特別な存在とか、神格化してるものってあるんじゃないでしょうか? 本人だって実際はエーテルって何なのかわかってなかったりしてね。ただなんとなく格好良いから崇めてるだけとか。中学生時代の私にとってはチョウ・ユンファがそのような存在でした。エーテルは感じなかったけど、彼の銃さばきにしびれて崇拝してんだなと思う(笑) この映画は目を覆いたくなるような、酷い事象も多分に盛り込まれていますが、そんなに鬱になるって程でもなかったです。そこは映画なのだから多少やり過ぎてる部分もあるのは当然だと思うし。良かった点はやはり14歳の人物の心象を巧く捉えている所だと思う。そして、印象的なのは緑色。鬱屈した登場人物達と対比するかのように、一面に広がる田園風景。そして、緑色の林檎の衝撃。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-06-15 18:47:22) |
《改行表示》217.既視感があるというか、いろんな映画や小説を寄せ集めてイメージビデオにしてみました。という印象ですけど、北関東の鬱屈した中学生の雰囲気は充分に伝わってくる。それをリアルと言えるのかは賛否がわかれるのでしょうけど、中学生の不安定な時期にこの程度の逸脱やイジメなら別に珍しくはないような。あらためて中学時代の危うさと瑞々しさは感じる事はできた。あの頃に戻ってみたいようなみたくないような複雑な気持ちにはなる。そういう心を動かされるモノはある。 群像劇なので個々の物語は弱いし、そもそもイメージビデオ的なので、物語性を求めるものではないだろう。詳細な製作過程は知らないのだが、「ネットとリアル」というのがひとつのテーマではあるハズで、そこへのツッコミというか問題提起が弱かったように思う。 |
《改行表示》216.この空気感に包まれる心地よさ。 映画の内容云々がどうでもようくなってしまう。 |
《改行表示》215.《ネタバレ》 荒廃した中学生の実態として、レイプ、売春強要、恐喝、イジメなど刺激的な問題が描かれてもいるが、リリイ・シュシュに関することがよくわからない。 エーテルがどうのこうのとのくだりは、自己陶酔した痛い詩人か中二病を見るようで、こっちが恥ずかしくなってくる。 理解不能の世代のようでもやもやが残るが、それも作り手の思惑通りか。 なんだかわからないながらに、思春期の暴走や屈折、不条理などどうしようもない負のエネルギーを感じて、退屈はしなかったが。 学生時代にこうした陰湿で残酷な空気に触れた経験があるかないかで感想もずいぶん違ってきそうな作品。 自分には経験がないので、あまりピンとはこなかった。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-09 02:02:48) |
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《改行表示》214.《ネタバレ》 場所は両毛線沿線のようだが、季節の水田風景が美しい。エンディングで稲わらを乾燥させている風景は、うちの地元では見られない。 ところで個人的にはこのような苛めなり迫害なりの経験はなく、また今さら思春期の少年少女の立場にもなれないわけだが、もともと逃避的傾向のある人間だからか、現実世界から独立した精神世界を求めることには共感できなくもない。おまえいい年してこんな連中と同じじゃないだろうなと言われている気もするが、しかし登場人物が実体のないものを空虚な言葉で一生懸命飾り立てようとするのは痛々しく、たった一人の不規則発言で共同幻想が崩れてしまいそうになるのも虚しく感じる。 一方、この映画で印象的なのはやはり久野の強さである。この人には自分を支える力があると思えるが、それは本人の資質はもちろん、拠るべき普遍的価値を知っているからこそだろうと思う。劇中で冷酷無残な描写をよそに流れるピアノ曲は、現実世界がどれほど陰惨であるかに関わらず、美しいもの、価値あるものが確固としてこの世に存在することを示しており、それは何があろうと“汚された”などということもなく、超然としてそれ自体の価値を主張する。そう考えるとこの映画は、若年者だけでなく全年代に向けて、彼女にとっての芸術音楽のようなものを見つけられるかと問いかけているように思えなくもない。 以上のように、それなりに評価できる点もなくはないが、さすがにこの劇中世界を全面的に受け入れるわけには行かない。また自殺する人物が誰かによっては上記の感想は持てず(小説版は読んでない)、その場合はただ嫌悪だけが残ることになる。当然ながら自分も大人の側の人間だということである。 なお余談として、メイキング映像を見たところ、劇中で極悪女子生徒役だった女優(松田一沙)がクランクアップ直後に大泣きして「最悪でした」と言っていたので、女優本人は極悪人ではなかったらしい。当然だが。 [2019-04-13追記] クロード・ドビュッシーのアラベスク第1番は美しい曲である。このような何物によっても損なわれない普遍的価値の存在を知ることが久野という生徒の強みであり、彼女のこれからの心の支えになるはずだというようなことを上に書いたが、昨日たまたま立ち寄った高速のSAの便所でこの曲が流れていて、この映画のことを思い出してしまって非常に嫌な気分になった。見た者にどこまでもつきまとう最悪な映画だ。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-12-03 20:53:26) |
《改行表示》213.《ネタバレ》 これは嫌いな映画だ。 なんだろう、「リアル」というものを履き違えている気がしてならない。 中学生や中学校生活が残酷というのは経験値としてわかるが、これは全く現実味がない。説得力がない→暴力シーンが苦痛なだけという映画。 集団強姦、ゆすり、売春、自殺、残酷なキーワードが並ぶが、元締めが中学生とはありえない。そうなった理由として一家離散等々説明がされるが、説得力がないし理解ができない。はあ?甘ったれるな、としか思えない。 やむにやまれぬ事情、不運の積み重ね、自分がもしその立場でも同じ行動をするかもしれない・・という丁寧な作りになっていないので、「そんな馬鹿な・・・」となってしまう。 結果、苦痛映像を綺麗に撮った場面が並ぶ。 チャットが続くシーンは、経験値の少ない少年少女が、経験したことのない感性と出会って神格化していくイタいやり取りが続いて、赤面すること必定。 「リリイは宇宙」とか「リリイは何の影響も受けてない」とか、無知な子供達の熱意が「やっちゃった」感丸出し。黒歴史ってやつでしょう。 まあ、ジュブナイル向けのジュブナイル映画、として見るのが遅すぎた、ということか。 【kosuke】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2012-04-28 16:56:02) |
《改行表示》212.岩井俊二監督の作品は、好きなものもあるが、どうも肌に合わないものがほとんどらしい。 そんな中で、この作品を鑑賞した理由は、“リリイ・シュシュ”という音楽ユニットと、ちょっとした因果があったからである。 リリイ・シュシュは、小林武史がプロデュースしたグループ。 知人がそれに少し関与していて、世に売り出す前に存在を知っていたグループだった。 ちなみに、プロモーションCDも持っていた。 商業的な趣きがプンプンと臭う映画であり、儲けるためにつくった映画を楽しむというのは、やはり私には全くもって無理な話で、しかも、リリイ・シュシュの音楽に共感できなかった私としては、なおのこと辛い。 ただ、岩井俊二の役者の卵を発掘する能力は認めざるを得ない。 蒼井優と市原隼人を発掘したが、現在の活躍をみるにつけ、強くそう思う。 さて、本作で“エーテル”という単語が連発されるが、『20世紀ノスタルジア』を思い起こしてしまうのは私だけだろうか? 広末涼子と一緒に出ていたあの野郎の、「エーテル体♪エーテル体♪」という気色の悪いフレーズが頭をよぎってしまった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-08-13 05:04:36) |
211.評価がすごく難しい作品ですね。作品そのものの出来栄えとしてはかなり高い評価ですが、2度と観たくありません。途中、何度も観るのをやめようかと思いましたが、でも最後まで観て、ただの不愉快な映画じゃないことだけは理解できました。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-07-10 02:32:01) |
《改行表示》210.この作品、肌に合わない人は30分見てつまらないと感じるだろう。 自分には二時間半という上映時間があまりにも短く感じすぎた。映像、雰囲気、音楽がどれも素晴らしかった。 主人公がリリィを宇宙と表現するように、僕にとってこの作品は宇宙。 ただ、友達にオススメはあまりできないです笑 【エーテル】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-07-08 17:28:55) |
《改行表示》209. 市原隼人や蒼井優が光っていましたが、役者によって芝居のレベルがまちまちな感じがしました。これだけの長い映画の中に、大沢たかおのエピソードも入れる必要があるのか、疑問です。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-15 16:30:19) |
208.《ネタバレ》 二回鑑賞しました。新しいことにチャレンジする精神は褒め称えたいですが、それが成功しているかというと、非常に難しい。ネットの世界にリアルを見つけており、現実をリアルに近づけようとしている。果たしてそんな皮相的な観点でこの映画を評価してよいのか、非常に迷います。もしそのような短絡的視点であれば観るに値しません。しかし、冒頭でエーテルを持つのはリリイに限らないことが示唆されており、あくまで相対的な存在なのかもしれないと思いました。そしてラスト近く、蓮見のナイフはりんごに刺さっています。そして星のが倒れたときにもりんごが転がるのが見えます。青りんごが二つ? 非常に不思議です。りんごに刺さったナイフは、実は星野を刺していないという暗示でしょうか。でも血はしっかりついていました。りんごから流れ出た血、すなわち心の痛みという暗示なのかもしれません。星野という存在、青猫という存在が誰にとっても普遍的な心の痛みの根源であり、それをナイフで刺す、すなわち対決することによって人生を見つめていく、というような解釈に至りました。しかしまだまだ理解または解釈できる部分が多いような気がするので、保留の意味をこめて6点。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-03-20 01:20:45) |
《改行表示》207.《ネタバレ》 何を考えているのか、わからない世代・・・ 中学生という多感な思春期の負の部分(万引き、イジメ、売春、レイプ、自殺等)を描いているのだが、思いきり詰め込み過ぎの感あり。 リアルに描こうとしてリアリティをなくしているような気もします。 この世代の若人が観たら、また違う捉え方をするのだろうか? 私は、どちらかと言うと主人公達の親の世代なんで、遠い昔の中学生時代が どうだったか思い出せません(苦笑) それにしても、チャットのやりとりのセリフが見づらくて・・・ いろんな意味で疲れる映画でした。 と書き込んでいるうちに、ふと思い出しましたが・・・ 中学生の頃、劇中の星野君みたいに ある日突然豹変して不良になった奴居ましたわ・・・確かに。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 3点(2011-02-08 05:27:46) |
《改行表示》206.《ネタバレ》 【アキレス腱】さんが全て言いたいことを言ってくれたので自分はひとつだけ。 修一に向かって、星野の美人お母さんが「君って、白くてちっちゃくて、可愛いくまさんみたいね」と言うシーンで心臓バクバクしたのは自分だけじゃないはず。 この映画で人妻に目覚めた人が多いのかもしれません。そして「その」シーンがなかったのが残念だった人はもっと多いでしょう。そう思うと罪な映画。 【ヒナタカ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-01-24 19:22:53) (良:1票) |
205.監督と相性があわないということがあるが、自分にとってそれは岩井俊二がまず挙がってしまう。というか、かつてCMを撮っていた監督とはどうも合わない。この作品でもそうだったが、監督のどやっ(監督は関西の人ではないと思うが)という顔がふしぶしから感じられ、途中で滅入る。カメラがどこかフラフラした感じで常に固定されていない感じなのも自分には合わなかった。が、ハッとさせられるようなシーンもいくつかあり、特に蒼井優が凧揚げするシーンはただ単純に良いなと思った。 【峠のわが家】さん [DVD(邦画)] 4点(2010-12-17 20:54:17) |