33.《ネタバレ》 昨日プライベートライアンのレビューを書いたわけですが、そこでこの映画の名前を出しました。
名前を出しておきながら、こっちの映画のレビューを書いてなかったのでとりあえず書いときます。
この映画への僕の感想はごくシンプルで「超がっかり!これはひどい!!」です。
この映画、戦争映画の代表作として名前があがる事が多く、子供の頃から「一度観てみたい」と思っていた映画でした。
今wikipediaでのこの映画の記述を見ても「戦車部隊を扱った米国製映画としては、最優秀作品と評価される。」と書かれています。
それくらい有名な映画だったんです。
実際にこの映画を観たのは20代になってからでしょうか。
史実のバルジの戦いというのは第2次世界大戦を代表する有名な戦車戦なわけですから、この映画に期待するのはリアルな戦車戦。
映画のストーリーなんかはぶっちゃけどうでもいいわけです。
そして、クライマックス、この映画の肝である「大戦車戦」がはじまったのですが…
なんじゃこらぁあぁ!!(声:マツダユウサク)
ドイツのマークを付けてる戦車は明らかにアメリカの「パットン戦車」
アメリカのシャーマン戦車役をやってるのは「M24チャーフィ戦車」です
似せようという努力すらしてません。
パットン戦車にただドイツのマークを描いただけで「ドイツのタイガー戦車だ」と主張してるわけです。
てか、シャーマンくらい世界中にごろごろしてるのになぜシャーマン役がチャーフィなのか。
もちろん大きさの対比を付けたいんでしょうが…
しかもなぜか戦闘シーンは砂漠みたいなところ。
バルジ戦は1944年12月の欧州が舞台だから雪中戦だっちゅーの!
私、小学生の頃はタミヤの戦車のプラモでジオラマなんかを作ってたわけですが、バルジ戦車戦を舞台にしたジオラマだったら当然雪景色ですから綿で雪を表現するのが当たり前でした。
砂漠っぽいジオラマで「バルジ」なんてタイトル付けてたら小学生にも笑われます。なのにこの映画では砂漠。
聞けば、南国スペインで撮影したから(戦車もスペインで借りたから)そうなったらしいのですが、史実の戦車戦を扱った映画で、これだけ史実の戦車をないがしろにしてる映画を観た事がありません。
どんな戦争映画でも、最低限それっぽい外装を用意して似せようとはしてます。
なのにこの映画、実際の戦車戦を題目にした映画なのに、舞台も戦車も全く似せようともしていない。
たとえば「第2次世界大戦中のアメリカの日系人を描いた映画」で、「出てくる日系人役をみんな白人が演じてる(しかも場所は砂漠)」みたいなもんです。
そんなの映画としてダメでしょ?
この映画はそれをやってるわけです。
アメリカのアイゼンハウアー元大統領(このバルジ戦のときの実際の米軍欧州総司令官)が、この映画に対し公式に抗議声明を出したというそうですが、それも当然です。
なぜこの愚かな映画が「(wikipediaの独断とはいえ)戦車映画の最高傑作」と言われているのか、僕には全く理解できません。