《改行表示》22.《ネタバレ》 これは男にとっては、鬼のような映画。 今、一緒にいる女性が果たして正解なのか、とかそんなことを 考えずにはいられなくなる恐ろしい映画。 この感動の涙はなにか、ずっとこの映画に涙できるのか、 そんなことを考えたら、仕事一途に生きた方が気楽だわぁとか考えてしまう(笑) まぁでも木下映画は泣けるよね。 素敵な台詞があった。 恋する少年の気持ち「民さんを想うと神さまに抱かれて雲に乗ったようだ」 二人の悲恋を予言したおばあちゃんの台詞 「一番幸せだったことは、おじいさんと一緒になってよかったこと」 泣けます・・ p.s.あんな小さな子があんなストレートなラブレターを書くとは思えない(汗) 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2022-01-11 02:07:08) |
21.「野菊の墓」とせず、「・・・如き君なりき」と題名をつけたセンスの良さ。また、楕円形のフレームを使用した撮影は、古いアルバムをめくるような画面作りで郷愁を駆り立て、叙情性豊かな名作となった。今では考えられないことだが、「次郎物語」というテレビドラマを観て育ったせいか、映画に描かれた時代背景(家父長制等による「家」の重み)は認識できる。回想画面における笠智衆の静謐な語り(短歌の朗読)は、遠い日の物悲しい記憶を美しいまでに描写している。 【風小僧】さん [地上波(邦画)] 9点(2015-09-13 13:39:54) (良:1票) |
20.女の方が2歳年上なんて今じゃめっちゃ普通やん!!(*_*) 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-01-27 21:50:39) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 15の少年と17の少女の芽吹く前の淡い恋に、なんと残酷な時代があったもんだ。ラストシーンは涙なしに観れんかった。 …が、しかし。あの卵形フレーム!気になってしょうがなかった。回想シーンに卵型フレームさえ採用していなければ、間違いなく満点であっただろうに。ひたすら惜しい。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-12-25 04:03:27) |
《改行表示》18.原作は、伊藤左千夫の「野菊の墓」。 まるで明治の時代にタイムスリップしたかのような映像が素晴らしく、画面から情感が溢れ出てくるよう。 主人公の回顧録といったかたちでお話が進む構成もいい。 ただ全編に亘ってほぼ回想シーンにもかかわらず、画面の四隅に楕円形の白いマスクを張った映像処理は、まったくもって納得できない。 美しい印象的なカットがたくさんあるのに、わざわざ画面を狭めたことで感動も半減、後半からはちょっとイライラした。 名画であることには違いないけど……。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-12-09 02:28:36) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 名作であることに異論はありません。 白黒なのに自然の美しさ、特に野菊や竜胆(リンドウ)が映し出された場面など色鮮やかに感じる程で、きっちりラストも泣かされました。 ただ如何せん私の場合、松田聖子のリメイク版の方を先に観てしまっていた為に(リメイク版は色んな意味でインパクトあり)印象が薄く感じてしまいました。 あと回想シーンの縁は余計なように感じました。 所々の歌詠みは良かったですけど・・・野菊の如き君なりき。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-09-22 17:12:52) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 回想シーンに枠をはめる手法、悪くはないんだけど、殆ど全編という長時間になると、ちょっと鬱陶しい感じもする。 十五歳という絶妙な子供ぐあいの頃合いの、淡い恋心。回想者(正男さん)の視点を約50年ずらした木下版は、この物語が昔の思い出であることをことさら強調し、その情緒の機微を偲んでいる。が、原作では、正男の一人称で語られて、気持ちの移ろいや、成り行きへの悲しみなどが、よく理解できるようになっているが、映画の場合には客観視点で描かれるため、主演の二人の演技のそっけなさも相まって、その辺がちょっと分かりにくい事は否めない。 ところで、正男さんはリンドウのような人。リンドウの花言葉は、「悲しみに暮れているあなたを愛する」。巧く出来てますね。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-08-04 04:35:18) |
《改行表示》15.夏目漱石が絶賛したという伊藤左千夫の「野菊の墓」その小説の持つ美しさ、悲しさを見事に映し出した映画だと思う。もし伊藤左千夫が生きていてこの映画を見たとしたら、自分の思いが十分伝えられていると感謝したのではなかろうか。(私の勝手な想像) この映画のすばらしさは、飾らない、作らない、自然にそのままの形で美しさを表現していることだと思う。映画は淡々に、まさに水が流れるかのように淡々と進んでいる。笠智衆のぶっきら棒の表情や歌詠みも、主演の二人が名もない新人だということも、すべてが良い方向に・・・。 したがって何の説明もいらず、何の演技もすることなく、主役の二人の純粋な思いも周囲のやっかみもすべてが伝わってくる。 この時代は女子に学問は不要と考えられ、二十歳前で嫁に行ってそれが女の幸せと信じられていた時代であり、「男女七歳にして席を同じうせず」が尊ばれ、幼な馴染みと言えど、年若い男女がいつまでも仲がよいことがねたまれ、世間体が優先されていた時代でもある。そういう時代の中で、好きな者同士、女が男より年上ということがそんなにいけないことなのだろうか。とても寂しくとても悲しく胸を打つ。 良くできた映画の中でただ一つ気になるのは、政夫の回想シーンを丸く囲んだこと、作らない、飾らないことに逆らっているように感じられて惜しい。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-06-03 22:25:23) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 明治がそのまま真空パックにされて眼前に出現したかのような錯覚を起こす。 それほどまでに自然が美しく、回想シーンの画面を白く暈した靄掛かった 縁取りで描く演出法も、当時の匂いが鼻腔に漂って来る様な極めて効果的な成果を 挙げている。 所々に挿入される伊藤左千夫の短歌も情感を盛り上げ、脂の乗り切った天才監督の手に掛かれば映画は斯くも美しくなるという見本の様な作品だ。 主演二人の何ともおぼこい清純な演技も見事なもので、特に有田紀子の可憐さはその報われない悲劇的な結末を予感させる愁いのある瞳を含め、忘れられないものとなった。 映画には純愛物というカテゴリーが存在するかとも思うが、その最高傑作と言っても過言ではあるまい。 「政夫さんはリンドウのよう。私リンドウが好きになった」 映画の黄金時代は、天才監督の演出で、可憐な女優の口を通じて最も凝縮された純愛を充分なリアリティを以って画面に焼き付けた。 【高畑カムバックプリーズ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-03-06 02:19:12) (良:1票) |
13.ベタではありますが、さすがに名作と謳われるだけあって、最後は泣かせます。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-21 08:18:33) |
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《改行表示》12.悲劇は好きじゃない。見ていてつらいから。 恋とは何物にも変えがたいものだとしたら、この映画は酷すぎる。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-05-08 11:50:31) |
11.《ネタバレ》 まだまだ幼ない表情の民子が何もかも覚悟して、階段を降りてくる絶望の表情から嫁入りに出る日の真っ直ぐ前を見つめる、大人の表情にさせた古い慣習の理不尽さに無性に腹がたった。死の床になってはじめて、穏やかな幼い表情に戻った民子が可哀そすぎて・・。あまりにも若く、儚すぎた。本当に野菊のような民子だった。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-04-19 21:40:05) |
10.日本のある一時期を切り取った映画。物語の持つ、封建的な社会の犠牲となる若い男女の顚末にある時代性もさることながら、映画は人物よりも風景をメインに撮ることでその時代の素朴さとか愛しさというものまで映しているかのような錯覚をおぼえる。回想形式で見せる物語は日本独自の情緒が常に画面を被い、素人俳優の主演二人の棒読み演技も実に純朴な男女を表現しており、この情緒感を盛り上げている。いかにもセリフですという感じの有名な「民さんは野菊のようだ云々」が実に自然に発せられた言葉としてモノクロの野山の風景とともに脳裏に焼きつく。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-08-11 13:38:48) |
9.回想シーンに昔のスチール写真のような縁が付いていて印象的な作品。こういう映画観るの初めてです。原作読んでなくても有名な「民さんは野菊~、政夫さんは竜胆~...」。主演の2人が全く有名じゃないのにこんなに有名な作品も珍しいと思う。話自体はそんなに感動もしないけどノスタルジーというのか、こういう時代もあったのね感覚で感動できました。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-11 23:56:44) |
8.「二十四の瞳」と並ぶ木下恵介監督の代表的傑作の一本で、これまた画面全体を包み込むその美しい映像、美しい風景、本当にため息が出るほどの美しさです。卵型で白く縁取った画面、いつまでも続く効果的な長回しによる撮影、構図の素晴らしさ、どれを取っても間違いなく一級品で木下恵介監督らしいその愛情たっぷりな人間ドラマとしてこれまた素晴らしくいつまでも心に残る。ヒロインを演じた有田紀子の輝き、そして脇を固める俳優陣、笠智衆に杉村春子の相変わらずの存在感といい名作の名に相応しい作品です。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-13 19:16:13) (良:1票) |
7.映画史的に観ても、いや誰が観ても多分(つーか絶対)オリジナルのこっちの作品のほうに軍配を上げると思うんですが、「へっぽこ」さん同様俺もどうしても澤井信一郎監督、松田聖子版リメイクの方に肩入れしてしまうのです。うううっ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-07 15:36:26) |
6.「おばさん、あたしもう死んだ方がいい。」そう静かに死の床で話す民やの姿に、私は涙がとまりませんでした。 【駆けてゆく雲】さん 10点(2003-12-31 16:42:15) |
5.モノクロ作品にもかかわらず、何故か淡いパステルカラーで思い出される。これもひとえに監督木下恵介の洗練された演出と描写の賜物なんだろう。そうそう、笠智衆が演じる老人の回想という構成も切ない雰囲気を盛り上げていた。さらに、木下忠司の哀感溢れるメロディーも作品の印象付けに多大に貢献。封建的な村社会で生きてゆかざるを得ない哀しい定めを、そこはかとなく漂わせており、木下恵介の抒情的な世界観に思う存分浸れた。観る者の涙腺を緩める、余りにも日本的な名画。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-11-24 16:01:46) (良:1票) |
4.政夫の60年後の回想の映像は卵形のフレームの中。笠さんが淡々と読む時々の短歌も印象深い。信州の千曲川あたりだろうか、、懐かしい綿畑、一面の野菊、キキョウやリンドウ、ワレモコウの咲く野辺の美しい田舎の風景。モノクロなのが残念、今ではこんな風景は失われてしまった。幼くも深い二人の心がこの風景と共に叙情的に描かれとても心を打つ。二人が美しい夕日に向かい、頭を垂れる後ろ姿はかつての美しい日本人の心をも思い出させる。全てが美しい絵画のような作品。 【キリコ】さん 7点(2003-10-10 18:51:32) |
3.ある評論家は「おそらく日本映画史上最も美しい田園叙情詩の映像」と言ったが、本当に風景が美しく撮られてる映画だなぁと思った。少年と少女が山の畑で語り合うシーンとか、どのカットもまるで絵画のような美しさで、そのまま額に入れて飾っておきたいくらいである。 【きのすけ】さん 10点(2003-07-09 23:39:22) |