《改行表示》21.《ネタバレ》 労働者三部作のラストはシリーズ中最も虐げられてる弱者が主人公。びっくりしたことに、今作で監督怒りでキレてる。いつもの鷹揚さはどこへやら、こういう発露の仕方もするんだなあカウリスマキは。 イリスの日々、しんどそうだもんなあ。若い女の子とは思えないほどに彼女から”はつらつさ”を感じない。カウリスマキキャラそのものの彼女は口数少なく、地味で感情は時折り流れる流行曲の歌詞で代弁されている。 給料はもちろん安い。それすら母と継父に取り上げられ自分の自由にならない。イリスの周囲の人間は彼女のお金も労働力も愛情すら搾取しておいて彼女に敬意を払わない。 いいように使われてぞんざいにあしらわれてきた者は暗い怒りを凝縮させて、ついには逆襲に出る。わたしは正直スカッとしましたよ。 弱者をなめんな。敬意を払え。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-09 22:37:35) |
《改行表示》20.《ネタバレ》 冒頭いきなり「あれ?再生ボタン間違えた作品にしちゃったかな」と・ マッチってあぁやって出来るんですね。 昔よく放送されてた「工場の工程から出来るものを当てよう系番組」思い出しました。 内容は時間が短いのもあってサクッと進みますしサクッと殺します。 けどその場面をまんま映さないところはこだわりなのか、はたまた本筋ではないと言うことなのか。 絶妙におばさんなのに少女って言うのもたまらんですね。面白かった(と言って良いんでしょうか) 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-11-07 21:47:52) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 カウリスマキ作品には何度も救われてきたのですが、本作はダメでした。 イリスの言動がそれこそ少女のように幼く、一方的に被害者ヅラするのが観るに堪えない。 件の3人のみならず初対面の男性まで手に掛けるのに唖然と。 天安門事件映像に驚きましたが、監督は思うところがあったのでしょうか。 |
《改行表示》18.《ネタバレ》 タンゴが好きですねぇ。なんでタンゴなんだろ?北欧でラテン音楽、なんか意味あるのかな? まず少女というには歳いってすぎに感じた、妙齢といったほうがいいような。 孤独で友人もいなさそうでモテないし、家に帰れば自分の給料をアテにしている母親と同居人の男、弟はとっくに家を出てそれなりに生活しているようなんですが、イリスはなぜか家から出ず、まだ世話が必要とはいえない年齢の母親と同居人の食事の用意までする。なんでこの選択なんだろ?自分の意志など全くない感じで無表情で淡々としてまして、ナンパされていろいろあってから気に入らない人間を次々と。 しかし、変わらず無表情で淡々としていてセリフもほとんどないのでこちらも淡々とどうということもなく観れてしまいました。 アレ、無味無臭なんですかね?なんか刺激臭とか苦みとかないんですかね。 「敗者三部作」のひとつということなんですが、観終われば誰が敗者なのかよくわからないと私は感じました。 イリスが敗者とはなんだか素直に思えなくてね。 とにかくこの映画を退屈することもなくラストまで観れてしまうというのはかなり凄いことだと思います。 【envy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-05 13:07:14) |
17.まずじっくりマッチの製造過程を見せる。正しい入り方。それから天安門事件を告げるテレビのニュースの声、パンしてつけまつげを付けるヒロインに至る。この人の映画では『真夜中の虹』など、遠い国への憧れみたいなものがあり、今回も歌なんかで南米志向が伺えるんだけど、遠い国にも悲惨はあり(たとえば天安門)、その国の悲惨とこの国の悲惨とがちっとも触れ合えないでいることの悲惨(というより脱力感か)を描きたいんじゃないか。監督らしさは、たとえば男がイリスの家を訪問したときの気まず~い感じ、バーで男のコップの目の前で薬を入れるとことか、あそこらへんのユーモア感覚。会話がほとんどない。過剰に不幸を受け入れていくところにヘンな勢いが感じられ、毒薬を持って夜の公園を歩いてくる凄味など。暖かい国ではなく、寒い監獄へ、と。たしか『真夜中の虹』でも「悲愴」が流れた。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-10-30 09:27:19) |
16.《ネタバレ》 なに~!あれ、毒だったの!!笑顔でさりげなくついであげるアレが、幸せをもたらすエキスなのかな?などとカウリスマキ映画って良いね、なんて思ったら、やはり人間はこんなもんだっていうメッセージだったので、がっかりしちゃった。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2013-03-26 09:06:40) |
15.シンプルなお話だし、救いがない話だけどトークも少なく自分はとてもこの世界観が好きです。 【将】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-09-14 21:05:35) |
14.何だろう?この暗く悲惨で絶望的な話なのにそれを弾き飛ばしてしまう不思議な魅力に包まれていて見ていても単なる不幸、絶望感だけを感じさせずに見せてしまうこの監督の凄さ、主演の女優にほとんど台詞を言わせずに表情、それも無表情で語らせるという言葉になど出さなくても伝えられる。伝える方法があるんだよ!と何でも台詞で言わせてしまう説明的な駄目な今の日本映画に対して語っているようです。至ってシンプルで何がしたいのかさえ解らない複雑なだけの映画に対しても映画とはこうするものだと言っているようにも感じる。とにかく見ていてもけして、面白いとか楽しいとか大笑いするとかそういう映画ではないのに退屈せずに見られるのは監督の力量によるものと、この監督の映画は不幸の中にも何か希望若しくは映画的なカタルシスやユーモアを思わせるものが見える。同じ不幸な主人公を題材にしても「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ドッグヴィル」の監督とは大違いである。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-09-06 22:00:29) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 いやあ、ブラックな作品ですね。しかし、恐怖感はあまり感じず、むしろユーモアさえ感じてしまうのは、まるでサイレント映画のようなセリフの少なさ、シンプル過ぎるストーリー進行、巧みなカット割りといったカウリスマキ監督の演出と、カティ・オウティネン(少女役はちょっと無理があるような・・・)の演技の素晴らしさの賜物でしょう。ラストも、カッコ良くていいですね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-11 18:45:49) |
《改行表示》12.アキ・カウリスマキの作品を観るのは、自身、三作品目だ。 相変わらずの、独特の世界。 主人公はめっぽう寡黙。 そして、極めて不幸っぽい雰囲気を醸している。 また、美男美女が出てこないのも特徴だ。 でも私はこの映画を気に入った。 「カタルシスを得る」という言葉を耳にしたことはあったが、よく意味を理解していなかった。 しかし、この映画を観て、その言葉の意味を理解した。 なんか、少しだけ気分がよい。 カタルシスを得られると同時に、その言葉の意味も理解できる映画だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-31 00:01:47) |
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11.いろいろと感想書くのは「特に」難しい作品かな? 1時間ちょっとなので、まずはご覧あれ。 |
10.《ネタバレ》 面白かったです。主人公の女性に起こった事実を淡々とセンス良く配置した作品でした。感情を説明する描写を徹底的に省いていたので、悲惨さから一歩距離を置いて観られたように思います。普通ならみてられないような場面も滑稽さの方が際立って笑えたのはその演出のおかげかなと思います。妊娠を報告する手紙の内容が微妙にズレていく場面がとても面白くて印象に残ってます。 【クリロ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-14 22:25:49) |
9.淡々と次から次へと襲い来る不幸、そしてキレた彼女は淡々と逆襲をしていく。まるで風車の理論のような映画は淡々としたラストへ向かう。マッチの出来るまでの工程がわかります。 【亜流派 十五郎】さん 4点(2004-05-28 20:25:58) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 主人公のイリスは例えて言うならばデ・パルマの「キャリー」。上手く恋愛をすることが出来ないし、両親も理解のない冷たい人たち。だからと言って超能力で周りの人々を虐殺するわけでもなく、ただ少女の味気ない日常が淡々と描かれていく。物語が進むにつれてどんどん話は重くなっていくので、もうやめてくれ!とも叫びたくなってしまうが、終盤の展開は意外にもあっさりしたもので安心した。さすがにこんな話を90分以上も観続けているのには辛いものがあるので、60分ちょっとという短い上映時間 も実に丁度良い。ちなみにさっき超能力で虐殺はしないと書いたが、この映画では殺鼠剤を使って悪者を成敗していくので要注意! 【かんたーた】さん 7点(2004-04-20 17:59:47) |
7.悲惨なストーリーなのに、淡々としてるのでなんか見てしまうんですね。心がささくれてどうしようも無いときにみると結構嵌ります。 【モンキィボォン】さん 6点(2004-03-04 13:29:41) |
6.全体的に暗いですが、笑いどころは笑えます。かなりブラックなネタもかまされていて好印象です。カティが好きな人にはたまらん映画でしょうね。こんな初期作品でも厳然とカウリスマキ・スタイルがあってその点は感心します。 【藤堂直己】さん 8点(2004-01-25 17:00:58) |
5.普通に作ったら、ドロドロの愛憎劇なんですけどね。例えば、何だか世界から大事なネジが一本抜け落ちちゃった感じですね。そのバランスの崩れ加減が、アレアレと、妙な可笑しさに繋がってます。思いもよらない変な味付けの料理みたいなもんで、沢山は食べられませんが、程よい長さの映画になってます(これで三時間くらいまったりとやられたらさすがにキツイでしょうなあ)。 【鱗歌】さん 7点(2003-08-31 01:30:33) |
4.TSU○AYAのHPでジャンルは「コメディ」となっていたが,終始暗い雰囲気で笑える感じではない。見終わった後にブラックコメディだったのかな?とか思ったけど,どう考えてみても面白くないものは面白くない。 【北狐】さん 2点(2003-08-11 16:00:01) |
3.【やまプー】さんと同感。この作品と「ストレンジャー・ザン・パラダイス」はよく分かりませんでした(どちらも監督が小津安二郎に影響を受けてるってのが興味深い)。ちと今の僕には敷居が高いのです。 【ぐるぐる】さん 5点(2003-08-06 13:26:08) |
2.ロベール・ブレッソン好みの物語を、やはりブレッソン風のタッチで描いて、しかもブラックユーモア溢れる「喜劇」に仕立て上げるカウリスマキ監督の才気にゃ、ただただ感服。今に至る彼の映画のミューズである、カティ・オウティネンの根暗なコメディエンヌぶりにも圧倒されたものだった。常に虐げられてきたヒロインが、最後に「加害者」に転じる後半には、不思議なカタルシスさえあったもの。うん、傑作です。 【やましんの巻】さん 9点(2003-08-04 13:47:49) |