58.《ネタバレ》 この当時としては、珍しく成功した続編もの映画と言えるかも、でもオリジナルを超える出来ではないことも確かです。こういう傑作の二番煎じの様な仕事を引き受けるのも、J・フランケンハイマーが職人監督ならではのことでしょう。シャブを打たれてボロボロになったポパイ刑事の治療とその禁断症状に苦しむさまやヘロインを缶詰に仕込む過程を丁寧に見せるなど、ディティールを追求する映像に拘るフランケンハイマーらしい作風です。銃撃戦などのアクションはリアリティには欠けるけどオリジナルよりパワーアップしてるのは確かです。でもトロリー・バスに乗り込んだシャルニエ(このシーン自体がオリジナルの地下鉄シークエンスへのオマージュです)をポパイ刑事がひたすら走って追いかけて最後に射殺するまでを一気に見せてくれるところなんか、さすがフランケンハイマーと褒めてあげたくなります。 息を切らせながらもひたすら走るJ・ハックマンを観てると、この路線を選んでB・ウィリスやL・二―ソンの様なタイプのアクション・スターとして活躍する道も彼にはあったんじゃないかと思いました(笑)。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-06-01 15:49:14) (良:1票) |
57.フランス語をしゃべれるという理由だけで雇われたフランケンハイマーですが、さすがは巨匠というか、完全に自分の色に染めてしまってましたね。リアルな雰囲気が主役だった前作とは正反対に、今回はポパイによる男のドラマとなっています。フランスにまで出張して青い目の銭型警部と化したポパイですが、もう彼のパワーがフルスロットル。ジーン・ハックマンの演技はオスカーを受賞した前作以上に鬼気迫るものとなっています。とくに禁断症状の中、野球談義をしながら泣き崩れるシーンは、これだけでオスカー数個分に匹敵するのではと思いました。今回は捜査らしい捜査もなく、冷静に証拠を追いかけていた前作とは別人かのように、怒りにまかせてホテルを焼き払うシーンまであります。今回の相棒となるバルテルミーとは文化を越えて理解し合い、彼が第1作のラソーに負けないほど活躍するのかとのかと思いきや、結局は何の役にも立たないし。もうポパイの映画なんですよ。ドキュメンタリーを見ているかのような前作に対し、今回は良くも悪くもテレビの刑事ドラマのようでした。土曜ワイド劇場みたいな安い音楽、第1作と比べるとあんまりなDVDの画質もその雰囲気をばっちりフォロー。これはこれで面白いんですけど、前作のファンとしては物足りなさを感じました。ただし恐ろしく印象に残ったシーンがひとつ。ポパイがホテルに監禁されて麻薬漬けにされるシーンで、おばあさんが「私はイギリス人だから英語を話せる」って言ってボロボロのポパイに話しかけてくるんですね。いい人なのかな?と思いきや、ばあさんの腕は注射の跡だらけ。ポパイの腕時計を盗みに来ただけだったんです。このシーンにはかなり凍りました。 【ザ・チャンバラ】さん 7点(2004-09-27 02:31:15) (良:1票) |
56.この激情!この充実!アクションのなんたるかを教えてくれるまさに古典。ハックマンの苦しみが、怒りが、奔流のように画面から流出し、ただただ言葉を失うのみ。映画ってのは、こういうもんじゃなかったのか?えっ? 【kamewo】さん 10点(2002-04-04 18:37:38) (良:1票) |
55.ジーン・ハックマンが走ると、いかにもこの人の人柄がでて地鳴りを感じるほど。ポパイ刑事が出帆するヨットを追って湾を半周したとき、監督が求めていたものは人間臭さである。波止場の先端ギリギリのところで、よろけながらもシャルニエを撃ち倒すポパイ刑事。彼は、警察という権力機構ではなくて、独力で相手を倒したのである。だからこそ、この切れ味鋭いラストは一種の倫理観を伴ったカタルシスをもたらすのである。一人の主人公を徹底的に走らせる事によって、カーアクションと拮抗するほどの迫力と緊迫感を出せたのも、J・フランケンハイマーの力量というもので、彼だからこそ成し得たレベルの高い続編だったと思います。 【ドラえもん】さん 8点(2000-10-03 23:34:02) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 “French Connection II”…ですってよ。 同僚への誤射、大物の取り逃がしと、前作はモヤモヤするカタチで終わりました。でも私は、敢えてあの終わり方をしたところに、あの作品のリアリティを感じていました。あのモヤモヤ事件の続きです。シャルニエを追ってマルセイユまで飛ぶポパイ…って、あの前作の硬派なリアリティ路線を考えると、随分と映画チックなシナリオですね。 捜査に参加させてもらえず、良かれと思ったスタンドプレイは裏目に出てしまい、酒のんでブラブラするしかないポパイ。映画の大部分を占める拉致監禁からの麻薬漬けの拷問。開放されてからの薬物を抜く孤独な戦い。あんな屈強なポパイでも泣き言を言うところに、薬物の怖さがしっかり出ていました。う~ん…私アレルギー持ちなんですが、花粉症で目が痒いのに目薬打たせてくれない、そんな苦しみでしょうかね?そんなモンじゃない?まぁ、想像を絶する苦しみでしょうね。 前作はゴミゴミした街と走り回る刑事でしたが、ここまでポパイ個人にクローズアップした映画になってしまって、ホントガラッと雰囲気が変わってます。 最後はポパイ、やりたい放題の大暴れ。ガソリン撒くわ、銃を撃つわで、マフィア共に10倍返しです。スパッと終わってスカッとします。前作がスカッとしなくてモヤモヤした終わり方だから、こんな続編が創られたのかなぁ?なんて思ってしまいます。 この続編の必要性はイマイチわかりませんが、最後勝たないと終われない、そんな、負けず嫌いとかの力が働いたんでしょうかね?初めてロッキー2を観たときもそんな感じしたんだよな、たしか。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 5点(2024-09-22 23:16:52) |
53.《ネタバレ》 ハックマンは頑張ってはいるが、内容的には盛り上がりに欠ける。「ガソリン放火」は先日大阪で起きた事件を思い起こさせてちょっとツライ。 |
52.《ネタバレ》 前作の流れを受け継いで、ジミー “ポパイ” ドイル刑事が大奮闘して事件解決。ガソリン撒いて放火はやり過ぎの印象だが、巨悪を許さない執念がいいね。 異文化衝突を交えた米仏2人の刑事の掛け合いが見どころの一つで、B・フレッソンがいい味出してる。港町マルセイユの魅力も堪能。ポパイが麻薬中毒にされ、そこから這い上がる過程は定型的だが見ごたえあり。 破天荒なポパイ刑事だが、どこか愛嬌があり憎めない。レスラーに例えて言うならブルドッグ・ブラワーだね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-20 19:32:46) |
51.《ネタバレ》 マルセイユ、孤立無援、コミュニケーション不能、なんて全く関係無く、味方も敵も問答無用、ヒゲのシャリエリ捕らえるだけ。 今作のジーン•ハックマン、良く歩く、走る、殴る、ナンパする、全て捕物帳の為。 パート1より展開が早い。荒唐無稽な捜索は健在、ラストこれで終わらないと、観賞後も疲れを引き摺ってしまう。刑事はポパイのごとく、心肺機能を鍛えておかないといけない、と実感させられる。 【Postef】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-14 15:00:27) |
50.《ネタバレ》 やっぱり地味かな。前作と比較してもさらに地味。主人公の粗暴で自分勝手な振る舞いもロクな結果を招かないし。公開当時の娯楽の少ない時代には刺激的だったのかも知れません。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-03-15 22:34:44) |
49.前作がどんな内容だったか全然覚えていないので、この作品もしばらくすると思い出せなくなりそうだ。 しっかり作られた映画だとは思うが、昨今の多くのものに触れていると気持ちが純粋に盛り上がりにくい。過去を否定するつもりは無いが。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-11 14:07:14) |
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48.監督と舞台が変わったことで見どころも変わっちゃうのかな、と思って舐めていたらしっぺ返しを食らってしまった。ジーン・ハックマンの高い演技力によりシャブ抜きの恐ろしさが際立っているし、荒唐無稽な捜査とチェイスの緊迫感は「1」に勝るとも劣らない。終わり方がスタイリッシュなのが本シリーズの魅力だが、続編がなく、矛盾が生じなかった分だけ本作のほうが好感を持った。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-03-14 02:11:37) |
47.私は単純な人間なので、一応の決着をみた、という点においては評価したい。 ただ、ガソリンを撒いての放火は凶悪犯罪であり、どう考えてもお咎めなしで済まされる問題ではないだろう。 【マー君】さん [DVD(吹替)] 5点(2016-03-06 10:58:58) |
46.《ネタバレ》 前作の泥臭さから一転。いかにも映画的な刑事物に様変わりしていました。フレンチ・コネクションに求めるのはこういう物じゃないんだけどなぁという先入観があったせいか、どうにもその作り物臭さが受け入れられず。大げさな音楽もあいまってあまり面白いとは思えませんでした。 【kirie】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-09-21 11:45:23) |
45.1の暴走といい、今度は放火ですか・・・(^^;; 犯人捕まえるのに関係ない人を巻き込んで傷つけたらあかんやろー。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-01-26 00:29:53) |
44.《ネタバレ》 汚らしいニューヨークを描いた前作から、舞台は麻薬製造元のフランスの港町・マルセイユに移り、画面も徹底したリアリズム溢れる映像から、フランスならではの優雅さを感じられる映像になりました。映像と呼応するように、前作のひりつくような緊張感に包まれ、爽快感もまるで感じられないストーリーとは違い、泥臭い男たちが麻薬マフィアを追う、ジョン・フランケンハイマーらしい暑苦しいストーリーとなりました。 正直前作程の傑出した物は感じられない作品ですが、グッと一般向けによった作りは嫌いではありません。演出上、前作は観た後にドッと疲れを感じた作品だったのですが、本作は最大の敵をやっつけてスパッと終わるので鑑賞後の気分も良かったです。あのラストカットの切れ味は良いですねえ。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-10-20 23:45:42) |
43.実話ベースの1作目に比べるとフィクションである続編がリアル感に欠けるのはしょうがないですね。それなりに面白い映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-31 12:38:56) |
42.《ネタバレ》 久々に名作「フレンチコネクション」を観たら、続編も気になって、借りてきた。ⅠとⅡ、合わせて観たら、アメリカとフランスの国風の違いが分かって、面白い!ポパイは敵にヤク中にさせられるんだけど、何とか立ち直って、最後、1作ばりの犬のような犯人を追いかけるシーンが見られて、自分としては満足。監督は「ブラックサンデー」のジョン・フランケンハイマー。フリードーキンほどの洗練さはないものの、この人のアクションは大味でラストがあっさりしてるんだよね。このシリーズのスピンオフ、ロイシャイダーが主演の「セブンアップス」もカーアクションが凄まじく、面白い。「フレンチ」の名刑事2人にそれぞれ主演の映画があるなんてのも、この時代の創り手もファンも映画を大事にしてたからだろうね。いいなぁ、こんなん。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-19 15:09:27) |
41.ポパイの姿をひたすら追ってゆくというスタイルは前作と同じであったが、単に前作をご破算にしてマルセイユで撮り直しただけ様に感じた。前作の様なリアリティもない 【よいしょ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-21 16:20:46) |
40.《ネタバレ》 監督も舞台も変わり、ニューヨークから南仏マルセイユへ。 前作はラストの苦さまでふくめて一つの作品だと思いますが、続編を見ることで半月から満月になるように印象も変わってくるし、もう一度ポパイに会えるのはうれしい。 地中海に面した港湾都市マルセイユは、名は知られていても映画で見られる機会は少ないところ。 シャルニエを追って当地を訪れたポパイは、港で捜査中のここでの相棒となるバルテルミー刑事に声をかけますが、うまく発音できずに「バタミ」になってしまうのがユーモラス。(英語ではバーソロミュー) アジトであるホテルに火をつけていぶしだす暴挙も、彼ならではの豪胆さといえそう。 夜のマルセイユを散策し、酒場で若い女の子にちょっかいを出したり、堅物そうなバーテンに一杯おごって意気投合したりといった息抜きもありますが、最大のヤマ場は組織につかまりヤク漬けにされる彼と、そこからの再生か。 このどん底の日々を味わったことがポパイの執念をさらに岩のように固いものにし、長い長い走りっぱなしの追跡(ハックマンが細身の人じゃないので重みがあります)につながり、「ニギニギ」の返礼とあいなったのでしょうね。 前作ほどシャープではないけれど、最後スパッと終わるのはいいと思います。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-06 07:00:01) |
39.「1」は遠い昔に見た覚えがありますが、中身はすっかり忘れました。それを差し引いても、十分におもしろかったと思います。だいたい若くもなくイケメンでもない、40過ぎのハゲ気味のオッサンが主役を張っている時点で、私的には大満足。しかも、年甲斐もなく暴走したり暴れたり悶えたりする姿が、これまたカッコいい。あまりにも唐突なラストも、潔くていい。日本映画なら、仏警官との“友情”とか“心の交流”なんてのをベタベタに描くところでしょう。というわけで、なかなかの傑作でした。もっとも「1」と同様、しばらく経つとすっかり忘れると思いますが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-15 22:52:05) |