2.「乱」撮影時の黒澤監督を中心とした記録映像。戦、馬、雨、霧、などいくつかのパートで成り立つ。黒澤監督は当時74歳だが体力的な面以外で衰えは感じられず、相変わらずの厳しさを見せている。スタッフも「羅生門」の頃から一緒に仕事をしてきた人など、熟練の面々が揃い、まさにプロフェッショナル集団だが、ロケ地が富士の裾野であるため、霧で撮影できなかったり、リハの段階と風向きが変わったり、と難題が多く、苦労して撮られた映画なのだという事がよく分かった。本編ではカットされたススキを金色に染めて、幻想的な世界を作り出す黒澤流の演出もおさめられている。なかなか貴重かも。