23.《ネタバレ》 全く惜しい作品ですよこれは・・
ホラー慣れしている私は期待もあり「来るなら来てみろ~!?」みたいにかまえていましたが、
正直怖いシーンがあったのです。それも異様な怖さです。
刑事の夢のシーンですが・・未知との遭遇かと思いましたよ(苦笑)
天国行きの列車って・・しかも列車なのに空港時刻表みたいなのが現れて(字幕間違いですね!)
おかしいよ字幕・・死んだ人が笑顔でうろうろしてるんですよ・・シュールな怖さでした。
しかも次に死ぬ予定の人がそこにいてるし・・
脚本家が監督してただけあってこういうわけがわからない世界は逆にわかりやすい。
普通のホラーではなく変な世界を描いていますので貴重かもしれません。
カメラワークが凝りに凝っていてわけのわからないような演出も多いのですが、
言いたいことはすごくそれでもわかるのです。
でもそれを説明するとなると難しいですねぇ・・
別作品の2のほうがわかりやすく上手に解釈しておいしい1の除霊シーンに繋げていたし。
これはカラス神父の救済のドラマと取るしかないでしょう。
ラストにはあえて触れませんが、この原作者である監督は実はカラスこそ主役だと。
1でもそうでした。少女の過激な演出がうけてヒットしたのですが本当の主役はカラスです。
私は2で全くカラスが使われず(カラスという名が登場しないのだから)
この3のビデオパッケージを見てカラス登場に見たくなったのです。
死んだはずのカラスが登場すること自体ストーリーが読めるのですが、
作者が本当に1から伝えたかったことがなんなのかがわかりすぎるくらいわかる。
わかるからカラスの優しかったところや弱さを出してほしかった。
この描き方では言いたいことは伝わっても映像が悪魔の復讐ばかりじゃあないですか。
それも人間の弱さにつけ込む悪魔のいやらしさを、
またカラスを使ってしかも病院の精神病棟(母が精神的に死んだ原因の)とは、
あまりにも伝えたかったことの真意が1にも増して悪い。
その不快感があまり伝わらず演出が派手なので怖さ優先で作られている。
私が求めているのは映像的な怖さよりも心の怖さの演出です。
それがかなり減点かなぁ・・
でもそのはがゆさがよくわかるので保存版にしておきます。
次回は監督ではなく面白い脚本をまた書いてほしいですね。