12.《ネタバレ》 「こいつが犯人か?」→「違いました」という肩透かしな展開が多過ぎて、途中から犯人探しに対する興味が失せてしまうのが難点ですね。
終盤にて、得意気に「警官が犯人とは思わなかっただろう?」と言われても「こんなキャラ、いたっけ」と思っちゃうくらいだったし、ミステリーとして楽しめたとは言い難いです。
そんな本作は「犯人探し」「見立て殺人」といった謎解き要素だけでなく「閉ざされた島にて殺人鬼と対決する」というスラッシャー映画的な側面も備え持っており、こちらに関しては結構面白かったんじゃないかと思います。
それまでの如何にもな被り物を捨てて、普通の人間の姿になって犯人が襲い掛かってくる展開なんかは、ちょっと新鮮でしたね。
性的な快楽を与えるツボを押して、犯人が悶えている隙に「あと数分は感じてる」「早く逃げろ」という緊迫したやり取りを主人公達が交わす場面なんかも、あまりにも下らなくて、シュールで、面白い。
ボートと縄を使って犯人の胴を引き千切るという倒し方も、中々豪快で良かったんじゃないかと。
序盤の「バカンス」「パーティー」部分が、ちゃんと楽しそうに描かれているのも嬉しかったですね。
迷路でパックマンのBGMを流し、皆でゲームを再現して遊ぶ場面なんかもお気に入り。
・実質的な主人公であるツボ押しの達人が、万能の存在過ぎて魅力に欠ける。
・監督本人が情けない殺され役で出演しているのは、自虐的過ぎて興醒め。
・「意外」な犯人ではなく「地味」な犯人を出して得意気にされても困る。
等々、不満を論ったらキリが無いんですが、演出や音楽などは結構ちゃんとしているし、観ていて不愉快になる、って程では無かったです。
ツッコミを入れながら楽しく観賞するのをオススメしたくなる、憎めない映画でした。