1.源氏物語・宇治十帖が元の戯曲の映画版、地獄門同様のイーストマンカラーの平安王朝モノ。地獄門と比べるとあちらの方が色使いが鮮やかだった気がします。衣笠監督の幾重にも重ね合わせた奥行きのある絵、この作り方は大好きなんですがどうもイーストマンカラーとは合わない気がします。イーストマンカラーの絵は初期のデジカメ画像のプリントアウトしたものみたいに、色鮮やかな割りに平板なので奥行きが十分に伝わりません。また地獄門が評価されてしまったから二匹目のドジョウなんでしょうが、壁や襖が少ない建物、平安の寝殿造り、これも衣笠監督の作る絵には適していない気がします。物語自体は薫君”二枚目”長谷川一夫、匂宮”女遊び大好き”雷蔵、浮舟”おぼこ”山本富士子の悲恋物語です。