1.えー、世に隠れる事なき名作(?)の80年代BBC放映版。本家の映像です。6話完結のミニシリーズで、めっちゃチープな造りです(がそこも愛してるよ発売を長年待ったのさマイハート)。騙されてコッチのバージョンを借りちゃった人は本欄にどぞ(笑)。ちなみにロボットのマーヴィンが丸い頭をしてるのが映画版、四角い頭をしてたらコッチ(BBC版)です。
本作は原作の2巻目までを消化しているため、けっこう展開がキツい。
とりあえずBBC版ではマッコウクジラのシーン、チャチい人形劇なのに映画よりもグーです。そして宇宙の果てのレストランが胡散臭さ爆発! あの老舗のキャバクラのショータイムみたいなケバケバした安っぽさは、きっと映画版でやっても再現できないだろうなあ…。フォード・プリーフェクトは映画版の勝ちですね。「皮肉が通じないベテルギウス人」という役柄を真面目に演じすぎてるのが、ちょっと(アーサー・デントと絡むとボケ×ボケの漫才みたいでテンポ悪い)。
本作の収穫はゴルガンフリンチャム人(見てて本当に情けない)と、やっぱりマーヴィンの超やる気なさそうな声(映画版みたいに「可愛い」という感情すらわかない!)かなあ…。
以下ちょっとネタバレ気味…。
映画版を観てからコッチを手に取った方はエンディングを見て「なんじゃこりゃああ~!」と卒倒するかも知れません(いいね警告したよ)。でも実のところ、この苦いエンディングの方が人類への絶望感+自然や神に救いを求める事の不合理さが表現されていて、いかにもな感じ。いずれにせよラジオ・TVM・小説・映画の全てにダグラス・アダムズが関与しているので、同じ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の別の側面を見ていると言えるでしょう。