7.《ネタバレ》 エンターテイメントとしても、ホラーとしても、ちょっとつめが甘い作品。
前半は時間をかけて丁寧に。悪く言えばダラダラ。そして後半、『いよいよ始まるのか?』って予兆を感じさせる間もなく、気付けばあふれ出るバタリアン。なんか丁寧に作るところを間違えている気が・・・。映画における時間配分に異議アリですね。
映像はさすがに今までのものとは雲泥の差で、とってもクオリティが良くなっていて嬉しい。その一方で、シナリオの練り方、演出の拙さが気になります。
バタリアン化&機械化される両親と再会。これはちょっと面白くなってきたぞと、誰もが期待を膨らますでしょう。そしてその期待は裏切られます。息子との心の絆で、他のバタリアンを蹴散らしでもしてくれたら面白かったと思うのですが、ただの敵。しかもそのやられっぷりといったら、モブバタリアンと大差なし。なんてもったいない。
それに、バタリアン化した友人と、両親のバタリアンがいつの間にか仲間になっている経緯も不明。叔父がなぜ両親のバタリアンを解放したのかも不明。生物兵器研究エリアで銃がたくさんあったのに手に入れないのも、『ホラーあるある』ではありますが、非合理的すぎてつっこまざるをえない。もうね、後半になるほど突っ込みどころが増えるのですよ。
前半に時間をかけず、その分後半のパニックや人物描写、感情表現を丁寧に描いていれば、B級ながら傑作になりえた作品です。
また、ストーリーが『巻き込まれがた』や『自然発生型』ではありませんから、どうしても自業自得感がつきまといます。
まあいろいろ文句ばかり並べてしまいましたが、ゾンビ映画としては、結構良いです。
見たいものをちゃんと見せてくれます。それはグロ描写だけではありません。
『パニック』『反撃』『脱出』。このサバイバル要素があるかどうか。これが凄く大事です。
そういった意味で、この作品、なかなか旨みがありますね。