ロルナの祈りのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ロルナの祈り

[ロルナノイノリ]
Lorna's Silence
(Le Silence de Lorna)
2008年ベルギー上映時間:105分
平均点:6.00 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-01-31)
ドラマラブストーリー
新規登録(2009-03-04)【TM】さん
タイトル情報更新(2009-05-07)【すぺるま】さん
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監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
キャストアルタ・ドブロシ(女優)ロルナ
ジェレミー・レニエ(男優)クローディ
ファブリツィオ・ロンジョーネ(男優)ファビオ
アルバン・ウカイ(男優)ソコル
モルガン・マリンヌ(男優)スピルー
オリヴィエ・グルメ(男優)捜査官
脚本ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
撮影アラン・マルクーン
製作ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
配給ビターズ・エンド
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【クチコミ・感想】

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8.《ネタバレ》 2度驚かされる。「ああ、そういう話か」と映画の輪郭が大体つかめた気になった中盤でうっちゃられ、一回り大きな話になり、それで安心しているともう一度うっちゃられ、さらに話が深まる。見事。まずヤク中の男、部屋に閉じ込めてくれと自分で哀願する痛ましさ、しかし痛ましさと同時に、何の価値もない男だな、という冷たい目で我々も見てしまう。「人間やめますか」というコピーがかつてあったが、もうホントそういう感じ。しかしだんだん、そのどうしようもない男の、「やがてヤクで死んでいくだろう」というところに価値を見ている組織があらわになってくる。究極の貧困ビジネスというか、すさまじい。すると彼のどうしても女を殴れない気の弱さや、必要なお金しか取らない律儀さがしみてくる。いい奴じゃないか。対するヒロインの心の変化も、仏頂面を変えないところがいい。そこで予想されたロマンチックな展開を唐突にくつがえして、後半。ヒロインにも、組織にとっては男と同じ「道具としての価値」以上のものはなく、苛酷な展開になっていく。そこで彼女は「母という価値」にすがるわけだ。それも一ひねりされていて、彼女のすがる切なさがよりしみてくる。狭いほうへ狭いほうへと逃げていく彼女、解放と呼ぶにはあまりに痛ましい解放。暗い結末ではあるが、彼女の行動自体がかすかな希望となっていた。いつもと違い、あまりカメラを振り回さないでくれたのが何より嬉しい。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-05 12:08:14)(良:1票)
7.こういう一定のトーンで淡々と流れる映画は割と好みである。真夜中のテンションが下がった時に見るのにちょうどいい。ロルナと言う女性の私生活を垣間見ているようでもあり面白い。まあこの映画から受けとるメッセージは特にないのだがそれでいいと思う。これを見て静かに費やされる「時」が心地よい。
イサオマンさん [地上波(吹替)] 5点(2013-10-13 23:32:56)
6.《ネタバレ》  国籍の取得を目的としている結婚を数件見たことがある。彼らに共通するのは中途半端な愛情と中途半端な決心で、このままとても上手くいくとは思えないような世界に自分自身が首を突っ込んでいるととは全く気がついていないと言う事である。この映画にも、そんな事をしてただで済むとは思えない人たちが組み立てている異世界がある。
 そう言う異世界の中で生きる人たちに共通するのは、愛情や繋がりにすがる心が強いという側面で、この映画を見始めてすぐに国籍だけを取得したいという彼女に違和感を覚えた。

 しかしこの違和感は日本人である私に固有の物で、国籍を取得した後様々な脱法行為で行政を食い物にする偽装する側には無いものだ。一時的な情や中途半端な道徳よりも生き方の方が重要で、物語の中でも彼らの心情が語られると妙に納得してしまう。
 対価が金やポジションや命と言った、普通に生きていたらそんな危険な犯罪行為への隷従がおかしいと直ちに気がつくはずだが、そうならない彼らには正直感情移入は出来ない。
 そんな中でいきなりセックスを始めてしまうあたりが妙に生々しい。子供や国籍といった欲しい物を手にした彼らが突然日本人となれ合い、本当の家族のようになってしまう例も見たが、実態は日本にいながら従来のコネクションから外れるつもりがさらさら無いことも注視すべき点である。

 しかしながら、そう言った一見物語にはなりそうも無い事を見事に映画にしてしまうダルデンヌ兄弟の手腕は凄まじい物がある。面白いかどうかは別として、こう言った映画の存在は正しく重要なのだと思う。
黒猫クックさん [DVD(字幕)] 6点(2012-11-29 12:28:24)
5.ヒロインのロルナの感情の動きに同性として共感できるところがほとんど無く、「あーあ」で始まり「あーあ・・」で終わってしまった。外国映画を観ていると、社会背景も年齢も立場も全く異なるキャラクターであっても、女性が主人公の話ならどこかしら共感したり人間的な魅力を感じられることが多いので、それこそ祈るような気持ちでストーリーを追っていたが、残念ながら最後まで感情移入しきれずに終わった。
lady wolfさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-10-03 18:29:56)
4.下層で生きる登場人物たちを、まさに言葉通り追いかけてきたダルデンヌ兄弟のカメラが今回は追いかけずに止まってる。最近流行の手ブレ映像は苦手だが、ダルデンヌの映画で揺れないとなんだか物足りなかったりして・・。いつも社会の底辺を生きる人たちを描いている一番の理由は、何がしかのメッセージを映像に乗せること、ではなくそこに彼らにとっての映画的なるものがあるからに過ぎない。今回の揺れない映像にそう感じた。彼らの揺れるカメラはいつも痛々しく、生々しく、緊張感に溢れている。そこに悲痛な叫びを感じることもある。しかしその叫びの内容よりも叫びを感じたようにさせることが重要なのだ。メッセージ性よりも映画の醍醐味を優先していたのだと改めて思った。今回は動かないことでどこか第三者的な冷めた視点に感じる。叫びを聞き取ろうとせずにただ見つめるカメラは我々そのものなんだと思う。そしてそれは映画の限界を表している。観客はただ見るだけで、画面に入っていって助けてやることなんか出来ないのだから。ラストでダルデンヌの映画で初めて音楽が鳴る。だってこれは映画なんだから、とでも言うように。ある意味、こっちのほうがきついかも。
R&Aさん [映画館(字幕)] 7点(2011-08-11 15:00:52)
3.《ネタバレ》 妊娠してるなら、堕ろしたくない気持ちはよく分かる。しかし想像妊娠だったと告げられても、それを受け入れないのは罪悪感から来るものなのかな? この辺りがどうも難しい。あと、淡々としすぎている映画はやや苦手だ。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-14 18:32:00)
2.《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の映画は何となく観るのだが、お恥ずかしい話、ストーリーやらキャラクターについては全体的にうろ覚えである。共通して社会のどちらかというと下層部に生きる人の話で、ネガティブな面が描かれているのだが、あまり押し付けがましさがなく淡々としているといった感じで、それぞれの作品の印象が似通っているからかもしれない。この作品についても、兄弟らしく、描かれる内容はダークながらも全体的に上品。インパクトといえば全て中盤のロルナの心境の変化に集約されるだろう。かなり疎ましく感じていた(と思われる)相手に対し、あそこでどうしてああなるのか、一瞬理解できなかったが、安っぽい表現をすれば好きと嫌いは紙一重、愛するのも憎むのもエネルギーがいることで、そのエネルギーのベクトルが変わるだけの話だと思えば、そういうものかなという気もする。ジャンルとしてはラブストーリーなんだろうが、だとすればひねくれているし、事実だけみると、かなりの悲恋話である。だがラストは絶望じゃなく、どちらかというと希望が見出せそうですらあるのは不思議だ。私はこういったところに兄弟の作り手としての温かみを感じる。とはいえやはり、私のなかでは他の作品同様、残念ながら埋没してしまいそうである。このでしゃばらない感じがむしろ、ダルデンヌ兄弟作品の味なのかもしれないが。
よーちーさん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-18 01:21:33)
1.《ネタバレ》  国籍目的の偽装結婚は日本でもある話なので、非常に興味深く観る事ができました。愛は、商品のようにドライに売買できるものでは無いというダルデンヌ兄弟の思いのようなものが感じ取れましたが、現実はどうなんでしょうかね。私自身はそうであってほしいとは思いますが・・・。
TMさん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-04 14:43:42)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 6.00点
000.00%
100.00%
200.00%
3112.50%
400.00%
5225.00%
6112.50%
7337.50%
8112.50%
900.00%
1000.00%

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