1.《ネタバレ》 ずっと前に見ていたスパニッチュホラープロジェクトのうちの一作品です。
この作品では、完璧に狂った女の歪んだ理想世界の餌食になります。
こんなアパートの管理人がいたら嫌だという、サイコサスペンス色の強いホラーかと記憶しています。
そう、女はアパートの管理人になりたかった(なにをナレーションぶって)。
それも自分の理想どおりのアパートの管理人になって、アパートの住人をお人形のように自分の周りに配置したかった。
まるで女の子のお人形遊びのような理想の箱庭世界が、狂った形で女によって実現されます。
人間の本能にあるであろう支配欲がむき出しになっていると思います(そう考えると、女の子のお人形遊びも隠れた恐ろしさが滲みます)。
独裁者に憧れる変態願望をもつ人ならば見るべきでしょう。自分もダーガーのような歪んだ完璧な楽園に憧れているんで、こういう理想世界を実現させようというサイコ人間は全く嫌いではありません。
しかし、自分は監禁モノが好きなのだと実感しました。
友達に「一番狂ったアパートの管理人が出て来るスペインのB級ホラーは何か?」と訊かれれば、僕はまずこの作品を第一にあげるでしょう。
球体関節人形やフェティシズムな世界が好きな人が見ても、ゾクゾクするシーンがたぶんあるかもしれません。
人形やマネキンはそれが表すものといったら大体は「死体」であり、「支配された元人間」です。糸にかかった身動きの取れない人形をみると、管理人は蜘蛛のようです。
人形とは持ち主の為に命を捧げた存在、命を奪われたオブジェです。
完全な人形となれば、そこには持ち主の魂しか宿らないのです。
文章を書いていると自分も狂ったアパートの管理人みたいになってしまいそうなので止めます。
建物がカッコいいなぁ。曇ったガラスが隔離状態や牢獄っぽさを演出しているかもしれません。
あ、そうそう、誰かに似ていると思ったら、クレヨンしんちゃんの本屋さんでメガネをかけたカマキリおばさんに似ているか似ていないのか、、、