1.《ネタバレ》 主人公スー・サン。武術の達人。人格者。良き父、良き夫。
義兄ユアン。奥さんの兄。独善的。危険思想。サイコパス。家族第一。
ユアンの父。人殺し。スー・サンの父親に殺される。
スー・サンの父。義兄ユアンに父の仇と罵られ殺される。
とまあ前半の主要人物、因縁はこんな感じ。当然スー・サンはユアンに立ち向かうわけですが、返り討ちにあい、瀕死の状態になります。ここまではよくあるストーリー展開で、テンポも良く、個人的には凄く楽しめたわけです。
問題はここからで、次第に物語のテンポもリズムも悪くなっていきます。
人格者だったスー・サンはすっかりやさぐれて、息子を助けにも行かず3年もいじいじしています。立ち直ってからは修行に入るんですが、この修行シーンがまた無駄に長い。しかも重要だと思われた修行シーンが空想の産物だったというから笑ってしまいます。
で、強くなったのかどうかわからないまま、妻と息子を助けるべく再びユアンと対決。
これは勝っちゃうので、どうやら強くなっていたみたいですね。
でも妻も死なせちゃう。再びスー・サンはやさぐれモードに。おいおい。
たまったもんじゃないのは息子です。3年も監禁生活を送らされた後、母は殺され、父親の介護生活。気の毒すぎて見ていられません。
いや、ちょっと待てよ。酔拳は?酔拳はどーした?もう1時間以上経っているが、もしかして今まで使っていたのが酔拳なのか?
いえいえ、酔拳が出てくるのはここからでした。まさかのラスト20分だけでした。しかも偶然酒場で出会った謎の人物からさくっと習ってさくっと身に着けてしまう始末。
今作は、1つ1つのエピソード、カンフーアクションは悪くありませんが、如何せんストーリー構成はバランスがめちゃくちゃで、後半になればなるほど盛り下がっていきます。
また、物語が進むにつれ、主人公の魅力がどんどんなくなっていくのも辛い。
序盤7点。中盤6点。後半~終盤は3~4点くらいでしょうか。
とりあえず、いつまでもやさぐれていないで、ラストの30分くらいは元のスー・サンに戻ってほしかったです。身なりもずっと汚いままで嫌でした。