4.《ネタバレ》 脱獄がテーマなのでもっと殺伐とした映画
なのかと思ったら、刑務所での酷い処遇などは極力抑えた
ヒューマンドラマ的な内容で、若かりし頃の(といっても
二人とも当時でも40代後半)緒形拳と津川雅彦の好演技が
光っていました。
TVMといえどもこんなクオリティの高い作品があるのですね。
また当時の世相がさりげなく描かれていましたが、なぜあんな
無謀な戦争を始めたのかと今だから思えるけども、その日の
食事さえ困難な不景気と貧困の中で、大衆が世の中を変えて
くれる存在として軍に期待を持つしかなかったというあの時代
が理解できた気がします。
【追記】
網走の監獄博物館で白鳥元受刑者の独房を見てきました。
こんな小さなドアの窓から脱走したのかと思うと、何だか
窮すれば通じるということでしょうか、本人の執念のすごさ
を感じずにはいられませんでした。