1.《ネタバレ》 1989年にアルバム・デビュー、マンチェスター・ブームのトップに立ってブレイクするも、その後沈黙を保ち、94年にようやく2ndを発表。しかしその辺の間の悪さも手伝って、以前ほど流れに乗ることはなく、結局96年に解散。そのストーン・ローゼズの、2012年の再結成を追ったドキュメンタリーです。カメラは彼らを素直に追い続けますし、奇をてらったことはしません。デビューしていきなり訪れた絶頂期も丁寧に挿入しながら、再起へ向けて地道に進むメンバーの姿を提示します。そして再結成の第一弾として行われたゲリラ的なフリー・ギグの盛り上がりもかなりのものです。そしてここでは、メンバーは(いい年しているはずなのに)きちんとミュージシャンとしての格好良さをキープしていますし、むしろイアン・ブラウンが素人っぽく見えてしまうほどです。●で、ツアー中のアムステルダム公演で「レニが帰っちゃった事件」が起こるわけですが、ここでドキュメンタリーも急激に失速してしまって。いったん「撮れる状況ではない」はいいんですが、ならば周辺スタッフなどにも食い下がってほしいところですし、なのに一足飛びにファイナルのヒートンパーク公演になってしまう。で、そこで大いに盛り上がって終わり。いや、あの状態からメンバーはどうやって関係を修復したんですかね?そして、この公演を終えてメンバーには何が残って、そこから何をやろうとしたの?とか、一番肝心なところが置き去りになってしまいました。