1.《ネタバレ》 何気に豪華キャスト陣で、大変に雰囲気のある映画。
原題は『LEVITY』。意味は『軽率』『気まぐれ』『不謹慎』。
若いときの軽率な行動で、人生を台無しにしてしまったマヌエル。若い頃の自分と同じように軽率な行動を繰り返すソフィアやアブナーをほっておけません。といったストーリーから考えると、原題のほうがしっくりきます。『最高の人生』ではちょっとイメージが変わります。
更に、自分が殺してしまった若者の姉の助けになることで、過去の自分の過ちを償おうとします。
つまりは贖罪の物語。これがこの作品の骨子です。
ところがこれに少し恋愛要素が加わります。あろうことか、マヌエルは自分が殺した弟の姉アデルに、自分の正体を明かさないまま恋に落ちてしまうのです。アデルの助けになろうとするうちに、アデルに惹かれちゃうんですね。そして一線まで越えてしまう。挙句の果てには、お別れの手紙を出しておきながら、ラストに『また会えるかな。』なんて、未練がましいことまで言います。これはがっかりです。結局は自分のことしか考えていません。贖罪の物語に徹してくれれば良かったのに、余計なラブストーリーのせいでマヌエルに共感しきれません。
そしてジョン。お前はいったい何者なんだ。
確かにちょっとびっくりしたので、サプライズとしては成功です。ですが、そのサプライズが果たしてこの作品に必要だったのか・・・。
淡々としていますが味わい深い作品であることは間違いありません。
もう少し余計なエピソードをなくして、キャラやプロットに一貫性を持たせてくれるとより良かったですね。