1. 原作者のディック・フランシスてのは乗馬騎手だった経験を生かした競馬ミステリ小説(だけ)をひたすら書き続ける異色の作家だが、ハッキリ言って初期の「興奮」「大穴」そして「本命」がまぁまぁ面白いくらいで、後は余りにもマンネリの極致なもんで近作は全然読んでいない。本作は「本命」を映画化したものだが、ミステリの味付けを悉く削ぎ落としてショボいアクション映画にしてしまっているので、原作にも遠く及ばない駄作となり果てている。トニー・リチャードソンと言えば「蜜の味」や「長距離ランナーの孤独」といった秀作を発表していただけに、期待を激しく裏切られた感じで何とも残念。フランシス原作も読んでないし、リチャードソン監督なんか知らないというヒトが観れば、そこそこ面白いのかわからんが、個人的には超つまらなかったので…4点。