9.プロポーズを受けながらOK出す気もないのに指輪をベタベタ触って自然と薬指に嵌めてる天然さ。まずはそこで掴みはオッケー。
だけど、基本彼女は天然ではないんですよね 素直にマジメ、生活習慣においてもきちんとマジメ、恋愛感においてもきちんとマジメ、家族愛に対しても優しくマジメ、友人間の付き合いにおいてもすごくマジメ、だけども、堅いワケでもなく、女子的にすごくやわらかく。
そんな、たかが一人の娘の日常生活と恋事情の111分。削れるところは大いに有る。だけど削らなくてよい。ほんわかほわほわ流れる時間が全編に渡ってすごく心地好い。素敵すぎるほどに心地好い。主演:深川麻衣のまったり感と脚本及び監督:今泉力哉さんの好相性。そして無駄に思えなかったカメラワークの111分。そして邪魔にならないBGMでピアノソロとかギターソロ。ラストシーン手前では楽器名分かりませんが(エレクトーン?もしくはアコーディオン?)決して歌声の入らないその音楽たちがその場その場で的確に嵌まっていました いろいろ素敵。
タイトルの語呂の悪さはあまり好きではないが、分かりやすく言わせてもらえば、パン屋に勤めるふみがバス運転手のたもつに2度目の初恋、久しぶりに出会って2度目の片想い。
結果、二人の恋の行方がどうなり幕を閉じようがそこにこだわる気持ちはないです。とにかくまったりと素敵な時間であった全編通じて大好きだ。
ただ、好きと言えど、別にふみとたもつの恋路に限った事ではない。逆に恋路については先にも述べたように私観的には二の次で。
その他のところで、ふみとニコの清い姉妹関係が見ていてかなり微笑ましい。寝入る姉貴に命の目薬をさしてあげる妹の姿がむつまじい。
孤独感を必要とするふみの独り芝居の空間が何かにつけ微笑ましい。見ていて飽きない 不思議な力だ 深川麻衣、容姿の地味さと普通っぽい女子さと声のトーンとこの作品のテンション ぴったりと合っていました。
とかまあ、ごちゃごちゃ言ってしまいましたが、とにかく全体的なものとしまして この作品自体に初見で一目惚れ。二見目の111分で二目惚れ。
三度目は少し間を空けて、でもきっといつの日にかまた目にしたくなるだろうなと確信しています。
(でも、これ言ってしまっちゃナンだけど、全然大したお話じゃないんだよね。別に普通なんですよね フツー。)