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ニューオーダー

[ニューオーダー]
NEW ORDER
(Nuevo Orden)
2020年メキシコ上映時間:86分
平均点:6.25 / 10(Review 4人) (点数分布表示)
公開開始日(2022-06-04)
ドラマパニックもの
新規登録(2023-07-26)【かたゆき】さん
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監督ミシェル・フランコ
キャストディエゴ・ボネータ(男優)ダニエル
脚本ミシェル・フランコ
製作ミシェル・フランコ
製作総指揮ディエゴ・ボネータ
配給クロックワークス
編集ミシェル・フランコ
あらすじ
各界の著名人や富豪が出席して結婚パーティが開催されている豪邸。しかし、貧富の差の拡大に怒る暴徒の群れが真直に迫っていた。幸せ一杯の気分に浸る花嫁のマリアンは、そんな状況とも知らずに病魔に苦しむかつての使用人の下に駆け付けようと屋敷の外に出るのだったが、そこに待っていたのは彼女の想像をはるかに超えた地獄だった。メキシコのミシェル・フランコ監督が、広がり続ける経済格差によって崩壊する近未来の社会を描き、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したディストピアスリラー。
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4.《ネタバレ》 メキシコ人の監督が自国の現状と未来将来を憂いて作り出した作品とのことですが、近未来SF的と言うよりも寧ろモキュメンタリ―的な出来栄えといった印象を受けました。世界中のどこかで今まさに起きている凄惨な出来事を淡々と描いているように。

軍事クーデターであれ、侵略戦争であれ、民族紛争であれ、宗教上の対立であれ、平和な我が国で平和な日々を過ごしていれば全く現実味のない話に受け取れてしまうかも知れません。と言うより、こんなことが現実にあってはいけない、仮令現実であっても見たくない、目を背けたい、そんな物語なのかも知れません。兎に角後味が悪い。それは心のどこかで現実味をひしひしと感じている証拠かもしれません。

人の命はこんなにも軽いのだろうか。認めたくはありませんが、時と場所によってはそうなのでしょう。ここに描かれている大富豪や政界や軍部の上層部たち。彼らの命も同じく軽い。次の瞬間には後ろから撃ち抜かれるのかも知れない。いいように利用されては殺されて行くデモ隊や下っ端兵士、そして市民のように。

ある意味、優れた作品だと思います。しかしながら、何とも嫌な作品を観てしまったというのが正直な感想です。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-04-16 12:26:34)
3.《ネタバレ》   
これはなかなかシビアな展開。
軍政財の癒着と腐敗が民衆の嫌悪と怒りが生んだ暴動。
政情は混沌を極めるなか、それでも富裕層としての暮らしは揺らがない。
花嫁になるはずだった女性が巻き込まれていても。

荒唐無稽とは思えない内容。
現代日本で生きている立場では想像すらしないことだが、
今も、近い将来にも、これが現実に起きていることを想像させるに余りある。
誰が何を企んでいるのか混沌としているが、
ただ無垢で正直な人間が犠牲になって成り立つ世界がある事実。

それだけがクッキリと浮かび上がるような気持ちでエンディングを迎えました。
こっちゃんさん [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-02 20:41:49)
2.《ネタバレ》 メキシコ国家の悪を暴く映画である。映像面や物語構成についてはそれなりに見せているが、残酷な場面があるので一応要注意である(電気棒を尻に挿すなど)。
映画として何を訴えたいかは公式サイトに監督の言葉が一応書かれていて、民衆を顧みない政府をこのままにしておくといずれこうなる、という警告とのことだった。冒頭がショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」で始まるのでロシア革命の民衆蜂起のようなことを予感させるが、結果的に民衆が勝利したとはいえなかったという意味とも取れる。劇中では最初に暴動を起こしておいてから、軍隊がこれを鎮圧する体で新たに抑圧体制を作ったのが「新体制」の意味だったのかも知れないが、そうだとすれば特に目新しさを感じるものではない。題名は刺激的と思ったが期待外れだった。
現実の問題として、メキシコでは以前からの麻薬戦争との関係で、犯罪組織だけでなく警察や軍隊までが虐待・拷問をやってきたということはあるらしい。しかしこの映画のような営利目的の誘拐を、末端はともかく軍として組織的かつ大々的に行うことまで実際あるのか、あるいはやりかねないとアピールする根拠はあるのかどうか。まあ根拠があると地元民が思うなら他国民として否定できるものでもなく、一応何が起きるかわからない世の中とはいえるが、ちなみにメキシコ国家が本当にこれほど恐ろしいならこの映画も公開できない(関係者は生きていられない)だろうから、基本的には安全な環境で批判だけしている状態だろうと思っておく。
なお登場人物のうち「ビクトル」というのは父の友人とされているだけで実際何なのかは不明だったが、公的機関に関わっていて、軍の高官と思われる将軍よりも立場が上に見えたからにはかなりの権力者であるらしい。最後の場面で3人が並んでいたのは「軍」「政」「財」であって、これら勢力が癒着して国を動かしているが、実は「財」が痛めつけられる立場だというのを象徴的に示したのかも知れないと思った。

その他雑談として、メキシコでは公的健康保険の加入者は公立病院で自己負担なしで診療が受けられるそうで、それ自体は社会保障の手厚さを思わせる。ただし医療の質や治安の問題から、経済的に余裕のある人々は自己負担で私立病院を利用するとのことで、そのための民間医療保険に加入することもあるようだった。現地の日本人は私立病院の利用を勧められているようで、庶民向けが明らかに安かろう悪かろうという点に格差が見えているとも取れる。メキシコが世界最悪なわけでもないだろうが。
かっぱ堰さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-09-16 10:03:27)
1.《ネタバレ》 娘の結婚披露パーティーを開催中のとある富裕層家族。強固なセキュリティに守られ、政財界の大物を多数招待したパーティーが佳境に差し掛かっていたまさにその時、彼らを予想もしなかった悲劇が襲う。拡がり続ける格差に不満を募らせた貧困層が暴徒化、鉈や拳銃を手に屋敷に雪崩れ込んできたのだ。示し合わせたかのように各地で勃発する暴動に警察の手も追い付かず、高価な財産はことごとく略奪、泣き叫ぶ家族も容赦なく皆殺しにされてしまう。豪邸内は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのだった――。パーティーの主役である花嫁マリアンは、突然の事態に戸惑うばかり。だが、根が純粋で世間知らずのマリアンは、難病を患う妻を病院に連れていきたいと願うかつての使用人を助けるために街に出てきてしまう。暴れまわる暴徒や軍隊によって大混乱へと陥る中、マリアンは高級車で街を彷徨うことに。何とかして元使用人の元へと辿り着いたマリアンだったが、それもむなしく彼女は軍を裏切った兵士によって誘拐されてしまう。多くの人質とともに劣悪な牢獄へと監禁されるマリアン。果たして彼女の運命は?政情不安に揺れる中南米を舞台に、突如として殺戮と略奪に巻き込まれる一人の女性の運命を終始冷徹に見つめたサバイバル・ドラマ。あくまでリアルに徹した、この殺伐とした空気感は凄かった。まるで戦場カメラマンが現地で撮った映像を繋ぎ合わせたかのようなリアリティで、この息詰まるような世界に終始圧倒されっぱなし。誰が生き残り誰が死ぬのか、全く先の読めない展開はこの世の不条理を容赦なく暴きだしている。ただ、それが映画としての面白さに繋がっているかというと、自分は正直「否」と言わざるを得なかった。ひたすらこの主人公マリアンが不幸な事態に巻き込まれ、何も悪いことをしていない無辜の民がことごとく悲惨な最後を迎えてゆく。そして最後も慈悲などなくただ淡々と……。これが目を背けてはならない現実だと言うのは分かるのだが、映画としてはやはり優れたフィクションの力で観客を魅了して欲しかった。映像や世界観の作り込みは素晴らしかっただけに、惜しい。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 6点(2023-08-07 05:02:20)
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【点数情報】

Review人数 4人
平均点数 6.25点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5125.00%
6250.00%
700.00%
8125.00%
900.00%
1000.00%

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