1.後に『ペンギン・ハイウェイ』を手掛ける監督が大学在学中に手掛けた自主制作で、
そのクオリティの高さから当時のアニメーション界を騒がせた。
片想いの男子にフラれたフミ子が帰り道に、ふとしたハプニングから坂を大きく下りまくるだけだが、
一途な想いを代弁させるような圧倒的な疾走感と、それに付随するカバレフスキーの「道化師のギャロップ」が加わり、
実写活劇を思わせるカメラワークとありえないアクシデントが作品の魅力を引き出していく。
作品のほとんどを占めるサービスシーンはお構いなしにとにかく"勢い"が大切で、
若き才能の情熱が炸裂しているかのよう。
わずか2分半の長さながら、青春だなぁと思わせる爽快感が詰まっていた。
監督の他作品でも言えるが、別にカットしても問題がないのに、あえてサービスシーンを貫くあたり、
宮崎駿や細田守に近い性癖を感じる。
ストーリーを組み立てるのが得意ではないことも共通しており、今後のキャリアは脚本次第だろう。