204.《ネタバレ》 ここ20年くらいの間に映画を観始めた世代にとっては何ということもないのだが、実はオールロケ撮影という撮影方法自体が言語道断だったこの時代、今となっては誰も驚かないこのロードムービーがどれほど衝撃的だったかは想像に難くない。正真正銘のダメ人間たちが自堕落な主張を振り回して彼らにとっての実に一方的な自由を追い回す、というストーリーだが、保守的な「常識人」による銃撃という問答無用の制裁を受けるラストの意味するものは、「キャプテン・アメリカ死すとも自由は死なず!」と叫びたいのか、はたまた安易に猟銃を振り回す常識に対しての痛烈な批判なのか、それとも単にデニス・ホッパーがラリッていたからワケわかんなくなったのか。ちなみに筆者は最後の説を信じる。ヤク中はハッピーだが、ヤク中は一方的だ。この映画、デニス・ホッパーが最初に編集した時には6時間半だか7時間あったと聞いている。そのまんま公開されていたら、最後まで観るのはデニス・ホッパーぐらいのものだったに違いない。でもまあ、何と言っても初のオールロケ作品である。「すごいなあ」の一言ぐらいは、言ってあげてもいいと思う。 【anemone】さん 8点(2003-12-06 22:14:35) (良:3票)(笑:1票) |
203.ある意味、ゴダールの『勝手にしやがれ』以上に「映画」そのものの概念を一変させた奇跡的な作品でしょう。ズームレンズ1本でアメリカを横断すりゃ、それで映画なんか出来ちまうという、コペルニクス的転回! ただ、そのイージーな方法論(?)が真に成功したのも、この本作のみということを映画史は記録することになる…。いきあたりばったりな展開のなかから、「アメリカ」という国の”素顔”が、”本質”が鮮やかに浮き彫りにされ、それは今見ても十分インパクトがある。ただ、映画に「物語」だの「生理的刺激(=興奮・快感)」といった「面白さ」だけを要求する向き、1本の作品を自分なりの興味なり意志なりで「読みかえる」ことをせず、単にその与えられた「面白さ」の好みのみを評価の判断基準にする向きには、やはりオススメしませんが。と、「物事を素直に見れない性質の悪い天邪鬼」であるぼくは、10点献上したうえで、あえて申っせていただきます。 【やましんの巻】さん 10点(2003-10-08 11:04:21) (良:4票) |
202.いや~、最後のおっちゃんがスナイパーだったとは。あんた、腕良すぎ。 【やすたろ】さん 4点(2004-05-06 23:17:46) (笑:3票) |
201. うーーーーん、手放しに激賞か、ボロクソに酷評かに二分されとりますな。或る意味無理もないか…。アノ時代に密着し過ぎなトコロがヒトを選ぶのかなぁ。デニス・ホッパーの演出ぶりもプロフェッショナルの域に達していないし…。ただステッペン・ウルフの「Born to be wild」が響く中、チョッパーハンドルのバイクでブッ飛ばすシーンは確かにカッコイイとは思う。あ、ラズロ・コヴァックスのカメラも立派だったっけ。まぁ、超低予算と超短期間で作られたニューシネマの草分けに(一応)敬意を表し…6点。銃社会ってヤツはコワイね~♪日本人で良かったヨ。 【へちょちょ】さん 6点(2003-02-27 05:34:40) (良:3票) |
200.去年会社を辞めて一年かけてアジアを旅しました。旅先ではいまだに60年代からの亡霊のようにのヒッピーに「なりたい」人たちが数多くいました。時代錯誤には違いありません。しかし彼らなりに「自由」を希求した結果であり、僕にもそれは「分かる」気がしました。麻薬におぼれていてもそれは当人の自由です。たとえそれが原因で死ぬとしても。自由とはそんなものではない、もっと崇高かつ建設的なものでなくてはならない、と言うかもしてません。しかし、そんな社会とか天下国家というような看板を持ち出すなんてそれこそ時代錯誤だと思うのです。自由であるということは自由であるがために死ぬかもしてない(殺されるかもしれない)という覚悟を持つこと。テレビ局のヤラセ冒険旅とは違うのです。われわれが容易に出来ない、それでいて憧れることを映像芸術として昇華させた作品、私にとって文句なしの大傑作です。 【dawa】さん 10点(2001-05-04 14:27:18) (良:3票) |
199.まさにアメリカン・ニューシネマの代表格。斬新な脚本と大胆な演出は今でも色褪せることなく魅力的だ。当時のハリウッドに強烈な衝撃を与えたというのも理解できる。ロックをBGMに自由を求めて南へと旅立つ二人は、混沌とした状況下で将来に不安を抱える多くのアメリカの若者を象徴している。そして、旅の道中に起こる様々な出来事は病めるアメリカの姿を如実に示している。行く先々で受け入れられない彼ら。そしてあまりにも呆気なく訪れる、不条理なラスト。一時間半のロードムービーは、自由を謳歌していてもそれは本当の自由なんかじゃない。本当の自由を求めても実はどこにもそんなものは無いんだぞ、と訴えかけてくる・・・。 |
198.わかるやつにはこのヒッピー精神がわかる。わからんやつには一生わからん。これは覆らない名作! 【BABYDORA】さん 10点(2002-12-26 13:51:18) (良:2票) |
197.誰がなんと言おうとこの作品は名作だ。考えるんじゃない、感じるんだ。バイク乗りだけが感じられる世界だと思う。 【JIN】さん 10点(2002-12-16 10:56:09) (良:2票) |
196.《ネタバレ》 さァ、いきなりネタバレだ。主役の二人は、ラストで銃殺される。田舎者のおっさんたちから、理不尽に銃殺される。理由は「髪が長いから」「何者か分からんから」。こんなの日本じゃありえないよな。って違うな。日本社会そのものだ。だって日本社会でのベストは、「考えるな」「ルールに従え」だから。なんて考えていたら、「たぶん世界中どこも同じ」と思えてきた。なぜなら、脳は世界中でみんな一緒だから。それに人間の脳は、十万年、全く変わっていないんだってさ。 【激辛カレーライス】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-11-05 13:16:14) (良:1票) |
195.アメリカ白人は常に何かへの恐怖を抱いている、とボウリング・フォー・コロンバインで銃社会の根源を説いたのはマイケル・ムーアだったけど、実に40年も前に「アメリカ人はお前の象徴する自由が怖いのさ」とJ・ニコルソンが喝破していたとは驚いた。以後なにも変わっていないのかアメリカ人。デニス・ホッパーの慧眼に恐れ入る。ただのヤク中あがりのクッパ大王ではないんである。反ベトナム戦争当時の空気はよく伝わるし、音楽もぴったりで最高。スタッフ全員が口出しして収拾つかなくなったというLSDでラリっちゃってるシーンすら不思議な魅力をかもしだす、作り手の情熱ほとばしる作品。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-10-08 11:00:19) (良:1票) |
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194.《ネタバレ》 若い頃に初めて観た時には、LSDラリラリ映像(実際はミスによりフィルムを変色させてしまったもの)にギョッとしつつ、うーんカッコいいようなよくわからんような映画だなーと思った記憶があるのだけど・・・今みたら、なーんだか、さみしい映画だなあ、と。ひたすら寂しい気分になったのは、何なんですかね、やっぱり、アメリカという国の“大きさ”が、変わってきたんですかね。この映画における主人公のヒッピーの存在は、「強くて大きいアメリカ」があってこそ、スタイリッシュかつ鮮烈であったものが、今となっては・・・。何だか、ミジメ。それも、本来なら自分が彼らに感じることのなかったハズの親近感を、つい感じてしまうような、そういう、ミジメさの共有。物語が物語として作られているのは「2人のヒッピーがある男(ジャック・ニコルソン)と知り合う」という点だけで、あとは即興的なやりとりと、憎悪、リンチ。そんな中で、男の死後、2人がちょっと贅沢な食事をとる場面が、やたらジーンときました。つかの間の幸せ。有名なラスト、デニス・ホッパーが銃撃に倒れ、助けを呼びにバイクを走らせるピーター・フォンダの背中が、これまた何ともチッポケな存在に見えて、哀しい。多分、本来この映画に対して持つべき感想ではないのかもしれないけれど、久しぶりに観て、ひたすら寂しい気持ちになったのでした。 <ところで、ヒョロリとしたピーター・フォンダと、ズングリして長髪にヒゲのデニス・ホッパーとが並んでいるのを観ると、ふと“笑い飯”を思い出した。どうでもいいけど> 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-24 22:40:13) (良:1票) |
193.《ネタバレ》 タイトルだけは良く知っていたが、これまで縁の無かった作品。つい先日デニス・ホッパー氏が亡くなられ、追悼番組で初めて観賞。自分にはズシーンと響きました。南部のお祭りを見物に行くことを目的としたロードムービーで、その目的自体に大した意味はないけれど、道中で遭遇するエピソードの羅列の中に現代でも色褪せないメッセージが潜んでいる、気がする。「ドラッグ」「自由の意味」「排他的南部気質」が主なテーマのようだった。特にジャック・ニコルソンが語る「自由」に関する講義にはびっくりした。現代の誰かがそのまま口にしても通用する。60年代の邦画と比べるとずいぶん垢抜けて見える作品だけど、見映えよりも台詞内容の普遍性に驚きました。余所者を疎んじる体質とは米国南部の気風というより、土地に縛られている精神の不自由と解釈しました。で、彼らが自由だったかというと、ピーター・フォンダの「失敗だった」という台詞が短く結論付けています。当時でいうところのヒッピーに成りきれず定職も持たない彼らは、自由という気分の中を気ままに泳いでいたが、どこにも辿り着く岸辺は無かった。それは自由ではないらしい。本作は、主人公たちも含めて「自由の国」の不自由を描いたことに意味があったのだろう。当時の日本人の観念とは違う尺度で自由を計っていたように思えて、それなりに衝撃的だったと想像できる。自分も若い頃に観ていたら、ちょびっとだけ人生が変わっていたかも…。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-21 00:23:57) (良:1票) |
192.「連中は自由な人間を見ると怖がる」「自分が自由であることを証明するためには人殺しだってする」ジャックニコルソンのこの台詞が作品の全てを物語ってしまった。当時のアメリカはようやく人種差別を撤廃しようと動き出し、「自由の国」を作ろうとしていた。そんな時代背景の中、何か大きな管理下で自由を気取った人間は、屈託の無い自由人を変人扱いする。そして排除する。まだまだそんな時代だったのだろう。アメリカって怖い。怖すぎる。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-10-08 18:08:45) (良:1票) |
191.主人公二人が何を求めて突っ走っているのか分からないのがいいような、そうじゃないような感じ。フォンダの「失敗だ」と旅を振り返る言葉もなんだか納得がいく。途中マリファナの映画になったり、訳のわからん映画になってるが、その合間に、「ついてこれなかったら音楽聞いてな」とでもいうように名曲が入っているので退屈はしない。「ザ・ウェイト」が大好きな曲なので、流れたとき泣きそうになった。主人公たちにはあこがれも共感もあんまり感じなかったのだが、これが世代の差なのか。しかし、行き場のない自由というのはやはりみていて切なかったように思う。ラストはなんともあっけないので「終わりかよ」と唖然としたが、60年代の「自由」の行き着く先としてふさわしいような。それにしても、悲惨な死に方をしないニューシネマの主人公っているんだろうか。 【ジェイムズ・ギャッツ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-25 16:19:26) (良:1票) |
190.《ネタバレ》 案外楽しかった。車に揺られて窓に流れる風景を眺めているのは嫌いじゃないので。広い道路と真っ青な空、障害物のない開けた風景がすがすがしく、バイクは乗らないがその快感の一端ぐらいは感じ取ることが出来た。無限に色彩を変える空を眺めていると、自分がゼロになっていくような爽快感がある。その快感に二人のライダーは求めていた自由を見た気がしたのだろう。 しかしワイアットはどんなに走っても満たされない自分に気づく。「大金があって、しかも自由だ」と無邪気にはしゃぐビリーに、「それでも、ダメなんだ」とつぶやくワイアット。保守的な田舎者連中が正しいとは思っていない。かといって、麻薬に溺れて放浪する自分たちが正しいとも思えない。 人が進化して一段上の社会が訪れるという、あまりにもちゃちなヒッピー思想。理想社会に憧れた連中は虚ろな目つきで砂地に種を蒔き、誰もが平等に暮らす「金星人」は地球人の前に姿をあらわそうとしない。現代社会に失望して輝かしい理想を掲げるが、けっしてそこに行き着くことはない。 二人は外見は怖いが、ある意味では純粋すぎるくらい純粋だ。最後に吹き飛ぶバイクの無残な姿は、現実に押し潰される理想と重なって見えた。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-18 15:42:21) (良:1票) |
189.《ネタバレ》 ジャックニコルソンのセリフが良い。「アメリカは、自由のためなら殺人も平気でする。」自由を主張するくせに、本当に「自由」な人を見ると、怖がる。この作品は、そんなアメリカの矛盾を書いた作品だと思う。ジャックニコルソンが殺されたことが、悲しかった。ひどすぎる。私の父が、この映画をリアルタイムで見たらしく、「お父さんが憧れた映画だよ」と言っていたことを思い出す。私も、あの時代に見たら、もっと衝撃的だったのかもしれない。ピーターフォンダが、常に平常心とゆうか、穏やかだったところに強い印象を持った。デニスホッパーの、あの時代のヒッピーなどを象徴する、あの壊れっぷりも良かった。ラストの衝撃は、今でも忘れられない。DVD特典映像の、デニスホッパーとピーターフォンダの現在の二人のインタビューも見る価値あり。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-18 07:22:29) (良:1票) |
188.大げさに面倒な感想を言うまでもなく、普通に面白い。ジャックニコルソンに髪と存在感がある。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2004-10-25 13:31:57) (笑:1票) |
187.《ネタバレ》 虚無感いっぱいの映画。「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ」という台詞はベトナム戦争への皮肉か?娼館の「人の価値は棺を覆って初めて定まる」の文字に対して、棺の中に入らずに、道路脇で火葬したジョージの映像を入れるシーンはうまいね。主人公達が社会に対してムーブメントを起こさず、ただただ体制を拒否し、そして、虫けらのごとく殺される、そんなどうしようもなくあっけない生を描いたことが本作の最大の魅力であると思う。 【はざま職人】さん 8点(2004-07-07 23:46:45) (良:1票) |
186.《ネタバレ》 アメリカ人は自由を説くことは大好きだ、自由を証明するためなら殺人だって犯す。でも、本当に自由な奴を見るのは怖い。本当に自由な奴は、常に迫害されてきた。映画の終盤でキャプテンアメリカ達がこう語る場面に、この映画は集約されていると思う。この現状はアメリカだけに限らず、日本においてもそうだろう。理念としての自由を語り、権利としての自由を主張することには、民主主義の名の元に非常に熱心だ。それを大義に戦争だって引き起こす。しかし、本当に自由奔放に生きる者に対しては、軽蔑の眼差ししか向けることはない。自由を掲げる民主主義国家、それを熱烈に支える保守的な大衆によって殺されるキャプテンアメリカ。決して過激な改革派ではなく、「自由」を尊重する立場の、保守派の人物に「自由」が殺される。この構図そのものが皮肉であるし、この矛盾をはらんだ問題の盲点を的確に、カッコ良く突いている映画で、いつの時代にも一石を投じる力を秘めていると思う。やはり後世に語り継がれるべき作品であろう。 【ダブロン】さん 10点(2004-06-22 00:16:46) (良:1票) |
【かずのすけ】さん 4点(2004-06-08 21:14:16) (笑:1票) |