216.公開当時、バイオレンス描写や風刺的な演出などが印象に残っているし、今でも面白い作品だと思うが、この映画、何がロボコップをロボコップらしくしているかといえば、ロボコップを演じている役者の独特の演伎だと思う。 鳥の動きを参考にしたという演伎は本当に素晴らしい。これに機械的な効果音を加えればロボットらしく見える。動きが鈍重でも目線を合わせずに撃った玉が命中するような芝居がさらに機械らしさを醸し出している。 CGを使うより生身の人間が、努力して機械らしさを演じるほうがより「らしさ」を感じさせることが出来ることは、今の映画人は大いに学んだ方がいい。 低予算でもこういう演出は可能だということを見て、日本でも出来るはずだと悔しい思いをしたものです。昔ニュースで原宿かどこかで、マネキンを演じている役者の動きを見て、着ぐるみのロボットでも「らしく」見せることが出来るはずだと思っていたのがまさにこの映画でやられてしまいました。 最近でもCGの巨大ロボットが活躍する映画があって、それはそれで面白いのですが、この生身の人間の力が醸し出す「らしさ」というのは今こそ見直されてもいいと思います。CGに欠けているのは、この重量感、質感、「匂い」のようなものだと思います。 【どっぐす】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 00:40:50) (良:3票) |
215.《ネタバレ》 このシリーズは2作目と3作目は昔見ているが、この1作目はテレビで断片的にしか見たことがなく今回DVDで初めて全編見た。2作目と3作目は面白くなかったおぼえがあるが、1作目である本作はマーフィがロボコップになる過程や、マーフィの記憶が戻ってからのロボコップの哀しみが丁寧に描かれ、ただのヒーローSFアクションではなく、純粋に人間ドラマとして深みがあり、見ごたえのある映画になっていて面白かった。中でも記憶が戻ってからの「生きていた」頃の記憶に苦しめられるロボコップ・マーフィの姿は見ているこちらに彼の哀しみが伝わってきて、売り家になった自宅を訪れるシーンや、マーフィの家族が既に新しい地へ転居していることをルイスから聞かされるシーンはあまりにも残酷で、思わず感情移入せずにはいられない。最後のマーフィのセリフは主人公の苦悩がじゅうぶん描けているからこそカタルシスも大きいものとなるのだ。激しいバイオレンスの応酬もこういったキャラクターヒーローSFアクション映画では異色な気もするが、それもポール・バーホーベン監督らしく、ドラマ部分もそうだが、この暴力表現の激しさも続編とは一線を画している。繰り返しになるかもしれないが、やはりこういった娯楽を前面に出したような映画でも人間がしっかり描けていれば傑作になるということを証明しているような映画だと思う。マーフィがクラレンス一味に撃たれて病院へ運ばれたあとのシーンで、死んでいるはずのマーフィの視点から彼の目の前の人物たちの会話が描かれているのが、実際はまだ死んでいないのではというのを観客に思わせるような演出で印象的だったが、知り合いに一人交通事故で入院した時に全く同じような体験をしたという人がいるので、このシーンはよけい印象に残る。その知り合いはこの映画には特別の思い入れがあるようだったが、実際にこの映画を見てみると、それも分かるような気がする。 【イニシャルK】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-07 20:41:53) (良:3票) |
214.《ネタバレ》 ポール・バーホーベンの映画って昔からけっこう好きで、その代表作はたいがい観てきたのだけど(特にスターシップ・トゥルーパーズは傑作!)、僕が個人的にロボットものがあんまり好きじゃなかったせいで、この彼のもっとも有名だろう今作だけはずっと未観賞のまま、いまに到ってました。しかし、最近ゲーリー・オールドマン主演でリメイクされたということもあり、今更ながらこの度鑑賞。うん、さすがバーホーベンのハリウッドデビュー作だけあって、後に開花する彼の才能の萌芽が見事に芽吹いておりました。さすがに特撮や画面の古臭さは仕方ないですけど、それを補って余りある、ドラマティックで深いストーリー展開、過剰なまでの暴力描写、シニカルで乾いた世界観、そして悪ふざけ一歩手前の絶妙なユーモア感覚…。覚醒したヒーローが巨悪へと立ち向かうという、言わずもがななスーパーヒーローものの古典的名作として、のちにCG全盛時代に突入し一大ブームを巻き起こすマーブルやDCコミックスの映画化作品の全てのルーツだと言っても過言ではないでしょうね、これ。特に、記憶を取り戻しつつあるロボコップが、かつて愛する家族と共に過ごした無人のマイホームへと訪れ、過去の幸せだった日々を徐々に甦らせてゆくという切ないシーンは出色の名シーンでした。一転して犯人たちとの激しい銃撃戦シーンでは、要所要所でばっちりきまっちゃうロボコップのキメポーズがいちいち格好良いし(笑)。あと個人的に良かったのが、ときおり差し挟まれるフェイクCM。スターシップでも多用されていた、この遊び心爆発の馬鹿馬鹿しい演出が、僕的にはけっこうツボでした。いやー、今更ですけど、やっぱり面白かったっす!ロボットだからって食わず嫌いは、やっぱ駄目だね! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-04-02 19:05:47) (良:2票) |
213.《ネタバレ》 なんとなくタイトルからメカ警官がバンバン銃をぶっ放してばたばた悪人をやっつける爽快ドラマを想像していました。だいぶ違いました。だってそりゃ監督がこの人だものなあ。 作品の根底にびっしりと悪趣味や底意地の悪さが通底しており、爽快のソの字もない。 P・ウェラーに銃弾を浴びせてなぶり殺しにするチンピラ集団の極悪ぶりはお茶の間にそぐわないほどだし、彼の所属する警察組織はいわば身内なのに上層部はろくでもない連中ばっかで非人道的なロボトミー手術を勝手に施す始末。唯一人間らしく側に寄り添ってくれたナンシー・アレンにすら、あんな最期をくれてやるのかね。監督ヒドくない?マーフィー「大丈夫だ復活するさ。俺みたいになって」って、励ましなのか冷たいのかそれとも笑うトコなのか判別つかなかったんですが。 甘さ一切なし、どことなく牧歌的なタイトルとは真反対の苦いテイスト。ナンシーと恋仲になるとか、署の誰かが彼の非運を嘆いてくれるとかそういったヒューマニズム要素を排除した、稀にみるハードな作品でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-28 23:11:30) (良:1票) |
212.《ネタバレ》 ロボコップ…造型等は知っていたけど子供向け映画だと勝手に思っていた。なかなかのグロ描写、犯罪の恐ろしさをまざまざと見せつけられる(今の映画は悪役もかっこいいものが多いし)。マーフィの死に様はトラウマもの。あれだけ銃をぶっ放されて心音がある状態で病院に運ばれている時点で、その生命力の高さからロボコップ向きだったんだろうなぁ。ストップモーションもある意味新鮮で不気味。30年以上前なのにやはり傑作と呼ばれる作品は後世に語り継がれるだけの魅力があるんだなぁ。 【はりねずみ】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-11-04 20:02:40) (良:1票) |
211.《ネタバレ》 3があまりにひどかったので1はそんなことなかったはずって思って見直したらやっぱり最高でした。 まずカメラワーク、アングル、見せ方、演出の全てが超一級品です。 3はどう見てもC級ですね。 スターシップ・トゥルーパーズに通じるネタが随所に仕込まれていて名言だらけ。 ロボコップの設定にも無理が無いです。 そんなにドンパチやチェイスがあるわけじゃないので、アクション映画ではなくSFサスペンスと 言ったほうが正しいですな。 【c200】さん [インターネット(字幕)] 10点(2019-05-15 22:46:33) (良:1票) |
210.《ネタバレ》 無機ロボットに襲撃されて、サイボーグ有機体である(が「人権」はない)ロボコップ危うしというとき、そこは階段で、追いかけて来た無機ロボットは階段に対応できずあえなく階段落ち。階段という繋ぎの領域で無能なのが無機的なもの。それとは逆に有機的なものは繋ぐが必ずしもその「人権」は保障されていない。ナショナリズムという冷酷な有機体主義を連想させる『ロボコップ』。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-29 10:28:08) (良:1票) |
209.《ネタバレ》 グロ系は苦手なので、今まで軽~くしか観てなかったけど今回マジメに鑑賞致しました。バーホーベン監督らしい「エグさ」とロボット警察官という「ぶっ飛んだ」設定が、すばらしくマッチングした傑作ですね。まだCGな時代じゃないので、一生懸命造りました感もすごーくいい!(DVD特典のメイキング映像は面白い!) しかしあれだね、この近未来の世界観の練り込みも良く出来てるし、なにより主演のピーター・ウェラーのロボットっぽい身体の動きがすごいよね。ウィーン、ウィ、ガシャ、ウィーンの効果音もよくできてんなー(感心)これみてたらマネしたくなる(笑、んなことないかw) イヤーーなかなかのものでゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-02-09 14:11:42) (良:1票) |
208.いちいちグロくてドキッとする。アンルイスの名前にもドキッとした。 【さわき】さん [地上波(字幕)] 5点(2010-12-15 01:40:54) (笑:1票) |
207.《ネタバレ》 若かりし頃にレンタルビデオで自宅にて鑑賞。さすがというかやっぱりというか、ポール・ヴァーホーヴェン監督得意の【人間の持つ暴力性と狂気性の恐ろしさとくだらなさ】をしっかり描いている故に世界観がハードになり好感が持てました。ビジネス界の非情さもね。ロボットつっても子供がすんなり受け入れられない辛口ヒーローは、それはそれで良いですね。【若干付記】…公開当時、某娯楽番組に出演されていた故・石ノ森章太郎先生が、刑事ロボットものは私の作品の盗作ではないのか!と怒っていたのが愛らしく思えました(笑)。【若干付記・2】…全身が機械のターミネーターが本編ではサイボーグと呼ばれている謎と相対的に、このロボコップは脳が人間なのにロボットとよばれているのがワタシには謎です。 【aforkarn】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-04-01 12:39:32) (良:1票) |
|
206.《ネタバレ》 バーホーベン監督の作品は過剰に暴力的で扇情的な内容なので、あまり好きにはなれなかった。しかし、『インビジブル』のメイキング映像で演出する監督の姿を見て、彼は「情熱の人」なのだと知った。深作欣二監督が『仁義なき戦い』で見せたあの情熱と本質は変わらない。ロボコップのデザインを巡って、ロブ・ボッティンと殺し合い寸前の喧嘩をしたという逸話も残っている。たかがハリボテのロボットに命を懸けているのだ、この男は。ブルーレイで観られるディレクターズ・カットは、「残酷すぎる」という理由でカットされたシーンが復活している。しかし、ここまで残酷だと逆に笑ってしまうのもまた確か。やはりバーホーベンからは目が離せない。 【フライボーイ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2009-11-23 16:02:20) (良:1票) |
205.「 開いている 口の部分に 銃弾が 当たればやはり 死ぬんじゃないか? 」 詠み人 素来夢無人・朝 |
204.娯楽作品としては、申し分ないです。なぜか、動きは高見盛とダブってしまって笑いを誘う。どうせならチャールズ・マーティン・スミスなんかが演じてたら、顔や雰囲気もそっくりになったのに。いずれにしろ、大相撲の人気に多大な貢献をしていると言う点では、異色の作品か。 【パセリセージ】さん 8点(2004-10-20 23:23:54) (笑:1票) |
203.「ロボコップソーセージ」はどこへ行ったら買えますか?? 【ぶらき】さん 8点(2004-03-07 21:26:15) (笑:1票) |
202.《ネタバレ》 クラレンス(カートウッド・スミス)率いる悪役どもがいいね。全員がポンプアクションのショットガン持ってるのも○(クラレンスはリーダーだから自動ショットガンだった!)。 ヴァーホーヴェン監督は銃撃シーンの撮り方がうまいと思う(スターシップ・トゥルーパーズでも良かった)。 中盤でロボコップがアジトに単身乗り込むシーンや最後の工場での戦闘はバジル・ポールドーリスの壮大なスコアともあいまってカッコ良かった。終盤にクラレンス達が装備していた軍用対戦車ライフル「バレットM-82A1」を見て、子供だったあの頃「あのすごい銃はなんだろう?」って思ったね。しかしあれが一発でも命中していれば「ボロコップ」になってたのになぁ。 序盤に「ネネネネネネ・・・・」ってマーフィーの手を吹き飛ばすクラレンスもいやらしいのう。それと終盤、悪役の一人が有毒廃液のタンクに突っ込んでドロドロの溶解人間になるシーンがありましたね。ヴァーホーベンらしくて面白いシーンでしたねぇ。(笑) 【和魂洋才】さん 9点(2003-12-11 18:42:50) (笑:1票) |
201.《ネタバレ》 「お前はクビだ!」「サンキュー」から「いい腕だ、名前は?」「マーフィ」への流れがばっちりきまって痛快なこの映画。娯楽作なのに観ていてちょっと痛いシーンが多いのがそういうシーンが苦手な人にはきついかもしれません。作られたときはターミネーターと五十歩百歩のレベルの映画(いやロボコップの方が面白いかも)だったのに、その後片や「超大作」片や「空を飛ぶ」とまったく違う方向に成長していきました。運命って不思議ですね。劇中のちょっと丸っこい婦警さんは個人的に結構好みだったりします。 【あばれて万歳】さん [DVD(字幕)] 6点(2003-12-01 21:31:56) (笑:1票) |
200.中学生のころ、ミスター味っ子を見ていたらロボコックが出てきました。『おまえはー、ロボコック・・・!!』そのセリフがいまも頭から離れません。そんな立場にある映画だと思います。 【おでんの卵】さん 7点(2003-11-12 02:13:09) (笑:1票) |
199.≪ネタバレあります≫この映画で印象的なのはやはり所々で挿入される未来のCMでしょう。SUX6000という車のCMは恐竜が登場し、ストーリー展開が見えなくなるほどでした。その後ちゃっかり犯罪者側の一人ジョンナッシュが盗んできた車として登場し、クラレンスボディッカーに「軍御用達の」銃で一瞬で破壊されているのにはウケた。また、未来のニュース番組ではかなり残酷な内容が報道されているにもかかわらず、アナウンサーのケイティは笑顔を絶やさないと言う不条理も見逃せません。細かいところまで手の込んだいい映画だと私は思います。 【chi】さん 10点(2002-04-21 18:47:00) (良:1票) |
【眼力王】さん 6点(2002-03-03 22:29:20) (笑:1票) |
197.ロボット3原則に似た例の『縛り』が "You're fired!" で解ける瞬間、最高のカタルシスが訪れる。 |