16.「“映画の父”D・W・グリフィスの代表作という枠にとどまらず、サイレント映画、いや全映画の中でも避けて通るわけにはいかない歴史的傑作。」ということで、鑑賞することに決めた。
180分(実際は160分ちょいだった)ということと、4つの時代が平行して描かれる難解なプロットであることと、古い時代のサイレント映画という点から、かなりの決心が要った。
しかしながら、予想していたよりもすんなり作品に入っていくことができた。
そして何より、普通に楽しめたのが意外だった。
4つの時代が平行して描かれているとのことだったが、そのうち<バビロン篇>と<現代篇>しか、しっかりとは把握することができなかった。
その他の2篇は、最後の最後でやっと話を理解できた感じ。
逆に言えば、それだけ<バビロン篇>と<現代篇>に時間が割かれているわけである。
ちなみに、この作品の最大の見所は<バビロン篇>の“超巨大セットによる空中庭園”である。
正直、この巨大セットを観たくて、この作品を借りたようなもんだ。
映画通の批評を調べてみると、“現代のCGをもってしても、この巨大セットの大迫力に勝るものは創れないであろう”という意見が多かった。
そういうわけでドキドキしながら、観ていたのだが・・・
あまりにも凄すぎた・・・
というのが、率直な感想。
荘厳な音楽(この作品に付けられた音楽は、総じてかっこよかった)と共に、悠然と空中庭園が登場。
“俯瞰ショット”により、遠目から丁寧にその全貌を捉えていく。
わけのわからない、やたらに巨大な“像”が何個も庭園の中に建てられている。
そして、ことわるごとに、“この庭園は1辺が1.6KMある”とかいう、その巨大さを過剰なまでにアピールする字幕が挿入される。
この巨大さをアピールする字幕のしつこさも、なかなか笑えるポイントであり、この作品の肝でもある。
CGと違って、そこに実際あるものを撮っているという事実に基づく迫力は凄いの一言。
まさしく圧巻である。
私の様な好奇心旺盛な人間にとっては、大満足できる作品であった。
このセットを観れるだけでも、この“歴史的大作”を観る価値は十分あると思われる。
好奇心旺盛な方は、是非、ご覧になって下さい。
ただし、90年前の作品ですので、多少は体力を使いますが・・・