11.《ネタバレ》 マルコヴィッチのことをよく知らないと何でマルコヴィッチの中に入りたがるのか?と疑問に思っちゃいますが、理由はちゃんとあります。彼の演技は他の俳優から見ても異色であるが故に、彼の演技から何かを学ぼうと多くの映画関係者がマルコヴィッチと仕事をしたがっているのです。それはジョン・マルコヴィッチは俳優としてだけでなく人間としても他の人とは全く違う感性を持っているからです。その感性の源とされるのが、マルコヴィッチは常に自分とは何かという哲学的な問いを自分に課していることです。そのこだわりは他の人に比べて異常に強いようで、マルコヴィッチと一緒に劇団を立ち上げたことがあるゲイリー・シニーズは「マルコヴィッチは20年間、自分の目の裏、自分の心の裏にあるものを理解しようとして演技をしてきた。」と言っています。実際、映画の中でマルコヴィッチは自分の頭の中に入り、新たな次元を垣間見ることになります(この行為はまさにマルコヴィッチが20年間続けてきたこと、そのもの)。そういう意味ではこの映画「Being John Malkovich(マルコヴィッチになること」はマルコヴィッチの考えていることを知ってみたいというマルコヴィッチのファンの欲求に応えたものであると同時に、マルコヴィッチが抱える彼独自の問いに対する一つの解答を映像で示したものだと思います。この映画で見られる世界がまさにマルコヴィッチが求めていた解答だとは思いませんが、マルコヴィッチの穴(Being John malkovich)という映画はマルコヴィッチの人生観をそのまま表したもので、本当は彼だけのための映画なのではないかと思いました。 |
10.告白します。 この映画が出てからしばらく、監督を間違えておりました。スパイク・ジョーンズじゃなくてスパイク・リー作品だと思っておりました。「いっやぁ、『マルコムX』の監督が、こんなオサレな映像も作るんだなあ」と驚いたりしちゃってました。 …んで当然、何度もDVDを再生しながら、この《社会派作品》の作中に埋め込まれた《黒人問題》を血眼になって見つけ出そうとするワケです。 「この7・1/2階というのに何か意味が…」なかった。 「こ、このサルが黒人をシンボライズして…」だが作品前半で消えてしまった。 「おお! マルコビッチになる事で、自らの黒人文化を抑圧して白人社会に溶け込んだリー監督の含意が…」考え過ぎだってば。 「まてまて、この、らしくないチャーリー・シーンの演技は白人の黒人に対する嘲りが…」ないないないない! 「そうか。マリオネットという記号に、操作され続ける大衆文化の」いいかげんにしろ>自分。 …そんなこんなで鑑賞にグッタリと疲れきってしまい、監督が違ったというのに気付いたのは数ヵ月後…あの時の壮大な徒労のため、いまだに高い点数をつける事ができません。悪いのは自分なんだけど。 あ最後に、キャメロン・ディアス&チャーリー・シーン、ナイス! 【エスねこ】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-05-03 15:56:36) (笑:2票) |
9.個人的にはミラ・ジョヴォヴィッチの穴なら入りたい。マルコヴィッチの穴の方は、15分で充分です… |
8.《ネタバレ》 これはこれで、うん。
着想とか滑り出しはかなりスムースに異次元に運んでくれるんだけど、異次元に行った後。そこからが辛い。ついてけないんだ。尻すぼみにすら感じてしまう。
もうね、マルコビッチすぎんの。もうお腹いっぱい。マルコビッチ味すぎてマルコビッチ食、そんなに食えないんです。でもね、マルコビッチをこんなにいやって言うほど食えるのもこの映画だけだし、無理して食っといた。そんな気持ち。
このね、マルコビッチなとこが良い訳ですよ。マルコビッチなとこ。これがチャーリー・シーンで、友情出演のジョンだったらダメ。それはただのコメディ。そうじゃない、チャック・ノリスでもコメディ。フォレスト・ウィッテカーだと可哀想になっちゃうし、ゲイリー・オールドマンだと黒すぎる。この、マルコビッチが良いんだマルコビッチが。
しかし思う。果たしてついて行かれることでどこか考えもしなかった遠いところまで行かれるんだろか。そういうところもマルコビッチだよなあ、なんか怪優マルコビッチに失礼じゃないかって気がしてきた。
マルコビッチと連呼したかった、今は反省している。 【黒猫クック】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-07 22:49:28) (笑:1票) |
7.《ネタバレ》 オールマルコビッチの際、一匹くらいチンパンジー混ざってても多分気づかん。 【マミゴスチン】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-13 12:15:47) (笑:1票) |
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6.アイデアは良いし、脚本も良い。スタートもかなり良い感じ。けど、途中からかなりの失速!例えて言うなら毎年、スタートは良いのに6月頃から失速、終わってみたらBクラスの広島カープのような作品!(広島ファンの皆さん、ごめんなさい!)5点か6点かで迷うけどそれなりに楽しめたので6点です。 【青観】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-07-06 19:36:31) (笑:1票) |
5.奇妙奇天烈なストレンジワールドを描くという面白さ同時に、「誰か別の(有名な)人物になりたいと思ったことは無いか」、「自分とはいったい何者か」「本当の自分とは何か」のような哲学的な問い掛けに対する面白さが得られる良作。 登場人物も実にユニークだ。 ボケっぷりが素晴らしい社長から、言語障害の部長、デンジャラスな雰囲気のマキシン、性倒錯者のロッテそして人形使いのグレイグ。 どの人物も内面や性格がしっかり描かれていると感じる。 晩年のマルコヴィッチと結婚したのは、あの部長さんだろうか。 これだけでも何か社長の深い想いを感じるエピソードのような気がする。あのエロ話も少しは伏線があったということか。 一緒にマルコヴィッチに入った他の人は会話が通じないのではないかという気がするがそのあたりは気にしないでおきましょう。 映画で気になったシーンはもっとグレイグの孤独なり、苦しみなりを感じさせて欲しかったというところ。 人形師として人気が出たのは「グレイグとしての自分」の腕のおかげなのか、それともマルコヴィッチの人気のためなのか。 マキシンが結婚してくれたのはグレイグ自分自身としてなのか、それともマルコヴィッチとしてなのか。 このあたりはもっともっと苦悩するシーンは描けたと感じる。 確かに社長から、マルコヴィッチから出ていかないとマキシンを殺すと脅されたときに、「ここから出ていけばただのグレイグに戻る」と嘆いていてはいたが、ここはもっと掘り下げるべきポイントと感じる。 ここがまさに「自分とはいったい何者か」の答えになるべきところではないか。 「自分とはいったい何者か」がロッテの性倒錯の発覚ということで片付けられている感がしてもったいない。 あまり「穴」について深く考える必要はないとは思うが、器であるマルコヴィッチの身体が社長たちに乗っ取られれば、本体のマルコヴィッチはどこへ行ってしまうのだろうか。 そうなれば、あの女の子も44歳くらいでどこかへいなくなってしまうというのも何か哀しい話のような気がする。 【六本木ソルジャー】さん 8点(2005-03-19 21:33:58) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 この世界は完結したものではなく、どこかに聖なる穴が空いている、というのは、神話の時代から語り継がれてきたもので、この映画もそれを素材にしています。ただ面白いのは、その穴が誰かの意識に続いているということ。、、、、そして中心的テーマは、ディスコミュニケーションと「私とは何か、私は本当に自由か」ということだと思いました。、、、まずディスコミュニケーションですが、最初の方、キッチンで猿や犬に囲まれているシーンがありますよね。、、猿や犬は、子どもの姿とだぶりませんでしたか。、、、子どもって親にとったら、犬や猿のようにかわいいけど、何を考えているのかわかんないとこあるじゃないですか。、、、また面接の時の会話もディスコミュニケーションそのものです。、、、、とはいえ、徐々にテーマは、私とは何か、ほんとうに私は私として自由に、束縛なく、行動できているのか、といったことに移行してゆくように思えます。日常生活で、例えば、ごめんなさいっていわなきゃいけないと思いつつ、全然違う言葉がでてきたり、誰でも、思うとおりに行動したり、発言したりできないことってあるわけです。クレイグに乗っ取られたマルコヴィッチみたいに。そしてそういうテーマで人形を出して来るというのも、よくある方法です。、、、、、あと、マルコヴィッチの潜在意識を渡り歩くとことかは、漫画『ペット』を思い出させます。また不死の問題とかもちらっと顔を出します。、、、、、、、要するに、いろんなテーマを盛り込みすぎてゴチャゴチャになっちゃったということでしょうか。 【王の七つの森】さん 8点(2005-03-09 22:39:14) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 冒頭のパペット場面とマルコヴィッチ内の”一人称(主観)カメラワーク”の妙とチンパンジーの回想とに各々2点ずつで計6点~!ちょっと類を見ないオリジナリティは買いたいトコロだが、いかんせん下品過ぎる…!!折角の奇抜な着想を中盤以降間接的スワップやらレズやらで台無しにしたのは実に勿体無いの一語。そもそもキャサリン・キーナー扮するマキシンが(個人的に)それほど魅力有る女性とは全く思えないので、後半の怒涛の展開にも説得力がまるで欠けているように感じて仕方がなかった。惜しい! 【へちょちょ】さん 6点(2004-10-31 03:14:48) (良:1票) |
2.前半が吉田戦車で後半がしりあがり寿って思った・・・そして私は前半が好きです。 1/2階や微妙にずれてる登場人物の会話にかなり笑いました。 でも主人公たちの深層心理や主題が現れ始めた途端雰囲気が暗くなるなんて・・・ そこはクールに前半のテンション貫いたままで後半の話を見せて欲しかったです。 (DVD) 【なみこ】さん 7点(2004-09-20 11:59:42) (笑:1票) |
1.あほみたいな設定の割りに、結構練られているのが面白い。意外にシリアスなのが個人的嗜好に合った。新しいコメディの形を提起した画期的作品? 【Figure4】さん 10点(2003-04-23 12:02:22) (良:1票) |