13.《ネタバレ》 山田洋次監督、この作品を観て確信致しました。間違いなく木下恵介監督の映画と今井正監督の「青い山脈」が大好きであると!始めの方で映画館で大勢の人達が楽しそうに笑いながら一本の映画を観て楽しんでいるシーンが出てくるが、その映画が木下恵介監督の「お嬢さんに乾杯」である。更に今井正監督の「青い山脈」の場面も出てくる。土手で学生達が青い山脈を歌っている場面、この二つの映画を見せる辺り、間違いない。山田洋次監督は木下恵介監督と今井正監督のファンであると思いました。でもって、この作品の雰囲気など「青い山脈」のようです。柳葉敏郎演じるおんけるが薬師丸ひろ子演じる房子への自分の思い、愛する気持ちを言葉に出して伝えたいのに声に出すことも出来ずにいるところ、伝え方の方法は違ってもその言い出せないやるせなさみたいなものは「青い山脈」の中の池部良を思わずにはいられない。また中村橋之助演じる洪助も同じように房子のことが好きで好きでたまらないのが観ていてもよく解る。最後の方でやっとそれを伝える場面が出てくるけどその時の二人の会話など正に「青い山脈」の中の池部良と杉葉子を思わせる。山田洋次監督の「青い山脈」への思いというものが伝わってきます。この映画の他にも寅さんシリーズ第十作「寅次郎忘れな草」でも印刷工場で働く一人の青年が「僕、めぐみちゃんが好きだ」て言う場面が出てくるように間違いなく山田洋次監督は今井正監督の「青い山脈」のファンであり、それを意識しながら撮っているのがよく解る。ただ「青い山脈」ほどの爽快感というものがないのでその点はマイナスではあるが、山田洋次作品、それも私の大好きな山田洋次監督と言えば誰が何と言おうと「男はつらいよ」なのだの寅さんシリーズに出てくる人達の姿が観られるのは嬉しい。特に渥美清、やはりこの人は日本映画史上、最高の俳優である。薬師丸ひろ子の房子に劇の場面で「おばさんはトランプ好きなの?」と聞かれ「おいちょかぶ」て答える所など寅さんそのままです。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-11-14 22:21:03) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 山田監督らしく、汚いバンカラに囲まれた、凛とした女性が絵になるねぇ・・ 時代設定は、サザエさんの時代と同じころ。 懐かしい昭和の中、凝縮した面白さが詰め込まれてる作品。 松山と言えば、伊丹万作や伊藤大輔の出たところ。 ブラタモリで愛媛やってたけど、闘牛が娯楽とか、気性の荒い人が本当にいそう。 ギバちゃんの存在の説得力がありそうな町ですね。 しかし、なんだな、渥美さんのお婆さんの演技は、なんか得したって気がするねぇ♪ 山田さんのピリッとしたところが出てて、良かった。 才気ばる監督じゃないんだよねぇ、憎い。 本当に巧い。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2023-12-11 02:30:06) |
11.意外に面白かった。山田洋次監督だからではなく、早坂暁原作だからでしょう。自身の高校時代を重ね合わせ、状況的はまったく違うにしても、心情的には共感できる部分が多々。青かったなあとかせつなかったなあとか、懐かしい気分に浸れました。 キリッとした柳葉敏郎がいい感じ。エロ儚い石田えりと、故郷まで送り届ける尾美としのりも魅力的。一方、薬師丸ひろ子のポジションは誰がやっても確実にモテるので、まあこんなもんかなという感じ。他の女性からは嫌われるでしょうねぇ。それと、最後のすまけいによる「大切なのはfreedomではなくlibertyである」というスピーチがけっこうグッときます。全体としてややダラダラした作品ではありましたが。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-30 02:21:31) |
10.山田監督は、中年とか壮年とか老年の人たちとか、あるいはせめてこれらと絡む立場の若者だと描写が生き生きするのに、対象が中高生以下になると途端にダメになるということがとてもよく分かる作品。役者としての力の差はあるだろうが、石田えりがその場に存在しているだけで他の全員を食ってしまっているというのが、すべてを物語っているのではないか。肝心の薬師丸ひろ子なんか、ほとんど空気だし。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2022-04-29 01:14:28) |
9.松本に旧制高校記念館というのがあって行ったことがあるのだが、在学生はそれなりの誇りやプライドがあるんだなあと感じたことがある。時代は戦後の学制の変わり目とは言え、そういう名残が感じられる作品ではあるが、当時は優秀であってもナンバースクールではないところはその後は駅弁大学へと没落していくので、原作者の自伝として古き良き時代を懐かしむ作品でしかないようにも思え、現代から見るとあまり響くものはない。当時の世相を確認する風俗物として見る分には悪くはないのかもしれないが。なお、渥美清は相変わらず面白くて存在感はある。 |
8.前半戦はヒロインが薬師丸ひろ子だったことを忘れてしまいそうな勢いで石田えりがエロい。 でも、ただエロいだけじゃなくて、健気で愛らしい。 とりあえず坊つちやんで泣かされて惚れました。 そのまま石田えりで1本の映画にしてても名作だったと思います。 後半は薬師丸ひろ子が15.5ゲーム差を追い付く勢いで、可愛らしい。 どっちか1人を選ぶシステムだったら悩ましかったと思うけど、前半戦と後半戦の二部構成だったので、ちょっと盛り上がりに欠けたかな。 登場人物や作品の雰囲気は最高だっただけに残念な印象が残りました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-02-02 18:35:04) |
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7.山田監督の青春時代が垣間見える様な作品。バンカラな男性が好みな私には見ていて痛快でした。そして薬師丸ひろ子のキレカワイイこと!しかし石田えりさんの色気には適いませんでした。前半のエピソードを占める彼女。出てくるだけで目を引きました。だけに、あっさりお別れしてしまって残念。エンディングもとんとん拍子で畳み込まれてしまって少々残念でした。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-04-02 22:17:29) |
6.《ネタバレ》 戦後間もない1948年の松山を舞台にしたカラー映画というのは、あまり馴染みがなく、街並みとかを観ているだけでも楽しむことができました。すぐに二階の窓から飛び降りる血気盛んなバンカラな若者達は見ていて気持ち良い。 だけどストーリーがどうも面白くない。序盤の娼婦を匿う騒動の話があっさり完結して、また別の話が始まるという流れに、ちょいとかったるさを感じました。同時進行だったほうがよかったんじゃなかろうか、と。 恋物語としても皆それぞれが、いつの間にかただ勝手に想ってるだけなので、積み重ねもなく、後半急に盛り上げられたような感がありました。 とはいっても魅力のあるシーンは多く、女を巡ってのヘタレ二人の喧嘩のシーンなんかは、いつの時代にも共通の青春だなーと暖かな気持ちになりました。我らが渥美清もいいとこもってきますしね。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-05-16 23:31:55) |
5.終戦直後の松山を舞台にバンカラ学生たちの青春を描いた山田洋次監督の映画。自分的にはバンカラ学生の青春というと、鈴木清順監督の「けんかえれじい」が思い浮かぶので、題材的に山田監督には合わないかもと思っていたが、確かにストームのシーンとか山田作品としてはちょっと違和感を感じるけど、山田監督らしい青春映画でとても良かった。渥美清や倍賞千恵子など山田組常連俳優はもちろん、主要人物を演じる俳優たちがとてもいい。中でも最後のほうの喫茶店での柳葉と中村とのやりとりにはグッとくるものがある。薬師丸ひろ子もこの頃はまだアイドルのイメージが世間一般に強かった頃かもしれないが、なかなか良かったと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-02 15:00:49) |
4.《ネタバレ》 山田監督の映画には、自分的には有り得ない純粋無垢な青年達が度々登場するが、ひょっとしてその原点がここらの題材から取られているのかもしれない。そう思うととても興味深い。現在という設定では多分に違和感を与える集団だが、まったく自然に時代の良さが描かれている。多少、異質ながら原作はより傑作。 |
3.この映画の薬師丸ひろ子、いいです。ストームのノリにはちょっとついて行けないのですが、薬師丸ひろ子と主人公の淡い恋にはグッと来ます。渥美清も光ってます。山田ファミリーの脇の固め方は本当に職人芸のようで、それを見ているだけでもニヤッとしてしまいます。学生のそれぞれが、「そういえば、あんなふうなヤツいたなあ」と思わされます。 【かけ】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-10-09 11:36:53) |
2.この映画は、観ている途中はさほど引き込まれるような作品ではありません。でも、観終わった後、妙な余韻を感じます。この頃の学生たち、本当に不器用で純粋で、一生懸命生きていたんだな・・・と。何かとクールに、斜に構えて生きるのがかっこいいと見なされがちな昨今、何か大事なことを教えてもらったような気がします。 【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-25 23:24:01) |
1.時代背景を詳しく覚えてはいないのだけれど、その時代の社会の荒波の中での青春群像が印象深かった。ラストの柳葉敏郎の生き様が切なく胸に残る。 【鉄腕麗人】さん 6点(2003-10-22 14:32:13) |