1.《ネタバレ》 はっきり言ってあまり映画的に面白いとは思わなかった。序盤のシュザンヌと母親が会話するシーンでの鐘を有効的に用いた演出は中々良かったものの、それ以降目を引くような演出が見られず、ただ映像を撮っているだけのような味気ない印象で、同じ修道女を描いた映画ならロベール・ブレッソンの罪なき天使やイェジー・カヴァレロヴィッチの尼僧ヨアンナ、アラン・カヴァリエのテレーズの方がそういう点では上回っていたと思う。加えて修道院自体の描写の少なさにも物足りなさを覚え、ただシュザンヌと周りの人間の交流を描くだけならディドロの原作だけでも十分なのではと感じた。しかしながら主役のアンナ・カリーナの演技力は目を見張るものがあり、その点だけは良かった。