9.これまた見たこともないような映画。「大好き」な映画とは思わないんだけど、この傑出した大胆さには10点をつける以外ありません。本当の意味で自由な大人の映画。カサヴェテスのような「自由」を追求することはわたしには怖くて出来ない。これがアメリカ人の自由なのかナ。とてつもなく強くなければ、こんな映画撮れない。こんな話も描けないし、こんな自由で大胆な映像も撮れない。ゲラゲラ笑ってバカ騒ぎをしながら互いに相手の心理を探りつづける渇いた空虚な光景は、ある意味サスペンスそのものなんだけど、こんな冷徹な世界の断面の切り方が、地球の人のものとはわたしには思えない。ほとんど近寄りがたいぐらいの突出したエネルギーが満ちあふれてます。わたしには、異様なこの映画の光景が、宇宙から来たものじゃないかとすら感じられる。 【まいか】さん 10点(2004-03-31 16:59:32) (良:2票) |
8.ジョン・カサベテス監督の映画は「アメリカの影」も観たのですが、今一つ楽しめませんね~。確かにやっていることは凄い、今の時代から見ても新しいことは明らかです。しかし構成の斬新さに内容が伴っていないというか…、正直中盤はかなりダレました。しかしカメラ等、撮影機材が一切存在していないかのように振舞う俳優たちの自由奔放な演技はこの上なく魅力的!また会話と会話の間に生じる気まずいムード、あの瞬間に生まれるピリピリとした緊張感はもう癖になりそうです。そして何よりも自宅を抵当に入れてまで映画を作ることにこだわった監督の熱意、その映画人としての魂に深く感動いたしました(ちょっと異常だけどね、笑)。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-14 18:52:52) (良:1票) |
7.カサヴェテスが俳優業で稼いだ金を全部注ぎ込み自宅で作り上げたこの作品は、まちがいなくハリウッド受けしない作品である。カサヴェテスなら当然と言えば当然なのかもしれない。 まず劇中劇として始まる斬新なオープニングに引きつけられ、初老の主人公を含めた男二人と女一人の一見楽しい、しかしどこか空虚なパーティのシーンが生々しく飛び込んでくる。家に帰れば妻の顔のアップが乾いた夫婦関係を物語る。口論がおこるが、このままなんの問題もなく夫婦関係を続けてゆくことも十分可能だし、お互いが何がしかの不満を抱えながらも続けてゆくことはいたって普通のことであるし今までそうやって続けてきたことも映像から伝わる。しかしこの二人の関係は崩壊へとなだれこむ。登場人物たちの顔のアップはそれぞれのバックボーンを語り、場面ごとに変貌する心情を映す。表情だけで心の揺れや他愛も無い企みを丁寧に描いてゆく。ラストは言葉の無い画で終わる。そして私も何も言わずにただそのエンディングを見つめるのみ。えらいもんを見せられた。 【R&A】さん 8点(2005-03-15 12:22:14) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 結婚14年の夫婦生活が僅か1日半で崩壊に向かってゆく。なぜFACESなのかと思っていたが、とにかくその夫婦とその周りの人々の顔をアップでとらえ、その中で夫婦の行動、心の動き、表情のひとつひとつなどがジョン・カサヴェテスによって見事に描かれてゆく。ジーナ・ローランズはモノクロ映像の中ではより一層その魅力が引き立ちます。男の方から浮気をし、離婚を切り出しといて、女も浮気をすると男は女を責めてちょっと身勝手だな、、なんて思ったり。前半はちょっとのんびりムードだが、後半から淡々とストーリー進み、あの終わり方も私は好き。 【fujico】さん 8点(2004-01-23 12:31:22) (良:1票) |
5.ピーチクパーチク喋り倒して馬鹿笑いする場面ばかりで疲れました。お目当てジーナ・ローランズの魅力も感じられず(泣) ずっと気になってたジョン・マーレイ何の作品に出演していたのかが思い出せました。ゴッドファーザーの馬の首の人でした。それ以外は直ぐに忘れてしまうであろう作品で残念です。 |
4.カサヴェテスの「はしゃいでしまうこと」のうつろさというモチーフは、アメリカ版『甘い生活』とでもいうべき本作で、最も徹底している。破綻しかけている夫婦が笑い転げたあとの索漠とした静けさ、その静けさはすでに無理に笑い転げている騒々しさのときから画面の中で成長していたもので、じっと記録し続けるカメラの手法が最大限に生かされている。笑ったあとが怖くて笑いやむことが出来ない、そこでさらに笑い声を高めていく、笑ったあとの静けさとの落差の広がりが意識され、はしゃぎはひたすら加速度を高めていく。くたくたに疲れきりながら、何がおかしいのか分からなくなっても、はしゃぎを演じ続けていく。主人公が「もうふざけるのはやめてくれ」と哀願しても、ジーナが「これが普段なのよ」と答える場面もある。たしかにそうなのだ。付けまつげが素顔になってしまっている生活。外のハレの場所に出て行くのではない。祭りは部屋の中で起きてしまっているのだ。カサヴェテス作品を、シナリオ起こして別の監督に撮らせても、ちっとも映画にならないだろう(『グロリア』はリメイクされたがあれは特殊)。設定を囲った中に俳優を配置して動かし、その生き生きしたところを掬い取っていくような監督術の映画だから、そこがないとただ落ち込むだけの話。そのかわりカサヴェテスの手にかかると、本作の後半のように感動としか呼べない緊張した時間が味わえるわけだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-07 10:01:58) |
3.顔を撮り続けているので、人物の本心から出る表情を瞬間的に映す。それまで見せていた表情とはまったく異なるもので、圧倒される。全体を通しての空気感が凄まじい。空虚な爆笑や欲望に塗れた騒ぎ、ラストの階段の場面などあれほどリアル以上にリアルな空気を作れる役者さんたちは本当に凄い。個性的な映画だ。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-02 05:51:59) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 5点(2010-09-26 06:18:24) |
1.ジョン・カサベテス作品は、観た後にどれがどれだったか記憶に残りにくいのが難点。 ジーナ・ローランズが同じ様な役回りを演じているせいだろうか。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-11 08:56:19) |