9.《ネタバレ》 通常、スラッシャー・ホラーにおいては、まずはヤリ○ンから殺されてゆく…とゆーのが絶対法則なのであって、ソレが今作では処女&童貞の方が狙われる、とゆーの自体が一種の脱構築とゆーか、少なくとも意表を突くという意味ではまま良好なアイデアだと思うのですね。かつ(おそらく陽キャに違いない)今作の製作陣が「処女&童貞が狙われるってなったら、マジ乱パ開くしかねーべさ!」「ヒョ~そのアイデア、マジパナイっすわヒャッハ~!!」てな具合に本作の構成をノリノリでつくり上げていった(のであろう)とゆーのも決して想像に難くない…ともやはり思われるのですよ。そして実際、平凡な前半が終わってブリタニー・マーフィちゃんが理科室で大暴れ→全校総出の乱パが現実味を帯びてゆく…というド真ん中のあたりは、私自身もかなりワクワクしながら観れていたのも(恥ずかしながら)また事実ではあるのでございますね。
しかし今作、最後まで観ると結論的にはアイデア倒れだったとゆーか、特に(そっから)中盤以降は総じてどーにもショボっちいのですよね。一切合切ひっくるめて腑に落ちない・納得いかない諸々をあげつらうってだけでも、例えば…
・中盤以降の展開運びが単純にスローモーでだいぶダルい。
・肝心の乱パの描写もどーにもショボい(全然「乱痴気騒ぎ」な感じがしない)。
・そもそも、狙ったコが処女or童貞かを確かめてそーだったらトドメを刺すモンだとして、当初4人連続でアタリを引くとゆーのは結構なご都合主義ではないか。
・とゆーか、非常に肝心なハズの「犯人が処女&童貞を狙う理由(理屈)」とゆーのが、コレも実に弱っちい(薄っぺらい)。
★結局犯人はごく凡人…なのにも関わらず、ケニーが助けに入った段階では親子+ケニーvs犯人の3対1になってるのに、ガキどもがマトモに戦わないモンだから親父は殺されちゃうし、その後だってあれだけ(乱パに)大集合してんだから少しは抵抗してくれよ…つーか。コレも要するにですね、スラッシャーの「最大のキモ」たる殺人鬼のキャラ(凶悪さ・強大さ)のつくり込みが、これまた非常に雑だとゆーコトに他ならん…と思われるのですね。
★そして何より、同級生が2日で4人も殺されてんのに破廉恥に浮かれてゆく生徒諸君とゆーのにだって、当たり前ですがコレはもう「狂気」とゆーべきモノしか感じ取れないです(=流石にちょっと感情移入・同情は出来ない、てか)。
もう一つだけ、何ゆえに今作の邦題は『インシデント』なんてのになってるのでしょーか?え、コレ担当のかたは中身観ないで付けた、とかじゃねーでしょーね?いくらB級ホラーとは言え、ココまでやる気(売る気)の無いヤツも中々珍しい…とも思うのですよね。