6.《ネタバレ》 再見。
子供を殴り倒してまで書類へのサインを要求する横暴な鉄道会社、暴力には暴力で抗うしかなかったジェシー・ジェイムズ兄弟。
母親を守るための銃撃、取っ組み合い、義侠心の厚さが農民仲間や街の人々から慕われ、庇われる。女も愛しているからこそ自ら馬に乗り男の下に駆けていく。
黒人の使用人としてジェシーたちに尽くすアーネスト・ホイットマン(Ernest Whitman)は「地獄への逆襲」にも出演。
窓に投げ込まれる爆弾、酒場に手を並ばせる復讐、鉄道会社への報復
走る馬から列車の後に飛び乗り、列車の上を運転席まで走り抜ける疾走を横移動で捉え、照明の破壊とともに暗闇にフェード・アウト。
懸賞金の紙を穴だらけにする銃撃、口笛による合図、吐かれるツバ、刑務所に送る“予告”と実行手段、打っていた先手、猛烈に馬を飛ばす追跡劇、金に群がる烏合の衆。
出産とともに訪れる衰弱とホームシック、投げ渡す名刺、探偵、背中が殺意を促す誘惑、汗を吹き出し迷う表情、ロング・コート、破滅へと向かう銀行襲撃、窓から伸びるライフルの銃口、窓ガラスをブチ破り断崖から馬ごと水辺に飛び降りる疾走。
以前見た時はミスキャストかと思えた兄役のタイロン・パワーも、英雄から悪党と妻を愛する一児の父親との間で葛藤する様子に胸を打たれる。
子供たちが“ジェシー・ジェイムズ”ごっこの遊びとはいえ子供を“殺してしまう”瞬間に罪悪を感じる表情。散々銃を撃ってきた男が、昔の仲間とはいえ目の前ですんなり両脇にぶら下げていた銃を降ろす。
そして時計を映し時間が迫る焦りは、アンチ西部劇「拳銃王(ガン・ファイター)」の自分だけが時計を見て迫り来る時間と向き合う無法者の孤独へと繋がっていく。
撃つ瞬間まで震え両手で構える銃。