196.《ネタバレ》 “Mad Max”『狂ったマックス』になるのかな。マックスは人名ですが、文字面から受ける印象は『最高潮の怒り』でしょうか? この映画は衝撃でした。今より少し先の未来。治安は悪化の一途を辿り、法に縛られる警察の対応は常に後手に回る。 当時のオーストラリアでは暴走族が社会問題になっていて、同様に日本でも校内暴力など、若者による暴力行為が問題化してきた時代でした。そのため、こんな近未来も可能性として存在するんだろうな…と素直に思えました。 マッドマックスは止まらない暴力に対し、より強力な暴力で抑え込むという、一つの答えを示していたんでしょうね。黄色いパトカーも【INTERCEPTOR=迎撃】に【PURSUIT=追撃】と、物騒な役割分担がされていました。 '70年代の海外の暴走族イメージと言うと、ピカピカのハーレーに乗った髭面ロン毛、サングラスにノーヘルといった、イージー・ライダーのスタイルが思い浮かびます。彼らに直接的な暴力イメージはなく『俺を見てくれ』と言わんばかりの美しさも感じますが、本作の暴走族は、薄汚れたカワサキに乗ってて、ヘルメットの中に血走った目。革ジャンはホコリまみれ。ナイトライダーの死体を受け取りに来た際の、理不尽で一方的な暴力が、交渉の余地を感じさせません。このあと逃げ出したカップルが襲われますが、マックスたちに発見されたときは、男性もズボンを脱がされ、お尻に血が…関わりたくない野犬集団の怖さを感じさせます。 野犬の狂気を見せ付けたのが、冒頭のナイトライダー。薬物の影響か、ず~~っと叫んでます。『スーサイド(自殺)・マシーン』はBスプリングスティーンの“明日なき暴走”の歌詞にも出てきますね。 「アイアム・ロッカー!アイアム・ローラー!アイアム・アウト・オブ・コントローラー!アイアム・ナイトライダー・ベイビー!!」きちんと韻を踏んでてカッコイイです。そんなキレッキレのナイトライダーが、マックスとたった1回交差しただけで、自信を喪失して泣き出します。薬の効果が切れたのか、内なる狂気が一気に冷めて、ちっぽけな人間に戻った瞬間です。この落差こそが、狂気を抑え込む狂気の演出として際立ってます。 友人と家族を失ったマックスは、法を捨ててトーカッター達を追い回し、無慈悲に殺して回ります。暴走族を殺す行為に、何の感情も、カタルシスも、達成感もありません。ただブッ殺すだけです。 でもジョニーだけは違いました。ババも言ってましたが「奴はナイトライダーとは違う」と。ラリったジョニーはトーカッターの台詞「夜空を見上げるたびに…」を叫びますが、ちゃんと覚えてるのは「ナーイトライダー!!」だけ。ジョニーはファッションとしてトーカッター達に憧れるだけの弱い若者です。 マックスはそんなジョニーを野犬の一匹として無慈悲に殺すのではなく、人間として助かる選択肢を残します。でもそれは、とても選べない選択肢でした。暴走族に身を落とすという選択は、もう人間として後戻りができない選択なんだと。 全てを失ったマックスからの、暴走族に憧れる現代の若者へのメッセージ。2以降のバイオレンス作品とは違う、至高の一作です。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 9点(2024-07-07 15:21:53) (良:1票) |
【TERU】さん [インターネット(吹替)] 3点(2023-11-05 14:58:14) |
194.《ネタバレ》 シリーズ最新作の「怒りのデス・ロード」が面白かったので。最新作までとは行かないまでも、「北斗の拳」に影響を与えたということだし、さぞ化け物級がヒャッハーしていることだろうと想像したのですが・・・まあ普通の暴走族でした。調べてみたところ、派手になるの続編からのようですね。当時としては派手なカー・バイクアクションだったのでしょうが、今となっては、それほどでもないです。倒れたバイクの人の後頭部に、別の倒れたバイクが後ろから突っ込んでいるシーンは、想定外だろうし、ちょっとヤバいなぁと思いましたが。広大な大地を舞台にしているわりに、事件としてのスケールが小さく、しみったれてるなと。終わり方も続編ありきだったのでしょうか。あまりスッキリしません。メル・ギブソンがまだ若造です。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 4点(2023-03-20 19:27:47) |
193.この映画を語る時に絶対外せないのがジョージ・ミラー監督だと思います。今振り返ると明らかにジョージ・ミラーの生き様こそがマッド・マックスであり、マッド・マックスの全てがミラー監督の分身であるという前提で映画を見る必要がありそうです。 1作目の印象としてはやはり少々作りが粗く、ストーリーの流れが散漫で観客を退屈させるような嫌な長さを感じさせる作品に仕上がっています。初監督のジョージ・ミラー自身も1作目は失敗だったと語っていたりします。 しかし各シーンの描写自体は極めて完成度が高く、監督が見せたかったシーンは正しく記録されており、そういった意味では極めてセンセーショナルな映画だったと評価できると思います。例えば子供を挟んでの猛スピードでのチェイスシーン、目玉が飛び出るシーン、グース(カワサキZ1000)の爆走シーン、道路を舐めるような低いカメラ位置から生まれるスピード感や派手なクラッシュシーンの連続、黒いV8インターセプター、トッカータ―を筆頭に暴走族の気味悪さ・・ マックス(メル・ギブソン)を世に知らしめたという意味でも、ミラー監督のデビュー作としては驚異的な作品だったと認めざるを得ない完成度です。しかし世の中の評価はキッパリと二分されていて、いわゆる”カルト映画”という意味では非常に人気が高かったものの、バイク・ファッション・バイオレンス等に興味がない人々には全く響かない作品だったのもまた事実です。 少し辛口でしたが「マッド・マックスは三部作で1つ」と考えると1作目もかなりの高得点ではないかと思われます。多少は制作された年代を考慮する必要はありますが、歴史的な意味でもアイコンとしてきちんと機能しており、やはり総合的に考えるとかなり素敵な映画だと思います! 【アラジン2014】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-08-01 18:14:47) |
192.面白くない。 2が大好きなので、そこから初代に興味をもって見てみたが、こんなにもひどいとは。 続編ができる映画って、だいたいは初代が最高の出来で、続編はイマイチになるものなのだが、逆パターンは珍しい。 単純にストーリーが退屈なのだが、まだそれはいい。 売りにしているカーアクションの部分の出来がひどいのはさすがにどうかと思う。 カーチェイスは、ほぼ直線の道路を後ろからただ追いかけるだけ。ひどい。 ろくでもない暴走族連中に主人公が報復するのだが、単に追いかけっこしてたら相手が事故って自滅するのばっかり。全くスカッとしない。 制作費がかかってないらしいのだが、低予算でアクション映画を作るのは無理があると思う。 しかもこの映画、舞台は近未来だったのか。見ていて全然気づかなかった。未来感が全然ないんだけどそれも低予算ゆえだろう。 どうして低予算で、近未来を舞台にしたアクション映画なんていういかにも金がかかりそうな映画を作ったのか首をかしげる。 ただ、これがそこそこのヒットだったというのだから、1970年代だとこれでも凄かったんだろうか? 【椎名みかん】さん [インターネット(字幕)] 2点(2021-07-13 18:31:18) |
191.《ネタバレ》 「怒りのデスロード」しか見たことが無かったので、順番に見てみました。 リアルタイムで見たら面白かったかもしれませんが、ただのB級アクションとしか思えませんでした。 でも内容はともかく、バイクがいろんな種類があって見てて楽しかったのと、スタントマンが凄いなと思いました。 今は合成でやってしまうことも、昔は全部人が現実にやってたんだと思うと、撮影の苦労とかも考えてしまったので甘めの点数です。 【nanapino】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-14 02:31:46) |
190.30年以上ぶりに見ました。この映画のインパクトは当時凄かった。今回鑑賞して、あまりに音楽が 合っていないのに驚き。シリーズ2,3とゴロっと世界観が変わってきたなと当時は思ってましたが なかなか、1での世紀末感、虚無感もなかなかなもの。粗削りですが面白い。でもやはり音楽がダメ でした。何度も言いますが。 【代書屋】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-09-15 00:42:50) |
189.小中学生の頃マッドマックスブームというのがあって、シリーズ化もされて流行っていたし結構好きだった。オーストラリアの映画ってのもなんか珍しかったし、当時は暴走族が社会問題化していて、現実味がないこともなかったし。 で、30数年ぶりに再見。第1作は単なる警察と暴走族の抗争で政治色もなく、やはり子供向けという印象で、当時としてはローアングルな車載カメラのスピード感ある映像が楽しかったんだと思う。暴走族側にも結構迫力があって執拗に追いかけてくるのもなんか怖かったし、勧善懲悪でわかりやすいし。ただし、こういう作品は子供時代に見ないと粗が目に付いてダメだろうな。映画を見るタイミングってつくづく大事だと思う。 |
188.《ネタバレ》 小学生ぐらいの時に観たのですが、手錠を切るか足を切るか?のラストだけはずっと記憶に残っていました。当時メルギブソンと認識して観ている訳もなく、今回DVDで意識して観たのですが、コレがメルギブソンか?と思うぐらい若すぎですね。スタントシーンで死亡事故があったのか無いのかよくわかりませんでしたが、DVDの特典には死亡したと書かれていました【追記】ふとAmazonPrimeで再鑑賞、うーんメルさん若いw 勢いで2も再鑑賞するぜー 【ないとれいん】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-09-04 11:33:34) |
187.演出は古臭い。アクションも、その後の作品から見ると、生ぬるい。小品佳作。ただ、奥さん役の女優が良い 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-01 12:35:21) |
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186.第1作目がここまで演出編集が古めかしいものとは思っていませんでした。ただ、この時の技術、またトレンド等、時代背景を考慮するに、世界に衝撃を与えたのは理解できます。 【460】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-07-09 01:04:07) |
185.《ネタバレ》 「怒りのデスロード」の予習として視聴。どれだけクレイジーな映画なのかと期待していたら、意外と硬派な復讐劇で肩すかしでした。 復讐劇ならカタルシスを楽しみたい所ですが、最後の一人以外はあまり来ませんでした。導入をもっと手短にまとめて、一人一人じっくり復讐した方が面白くなったかも知れません。 【alian】さん [インターネット(字幕)] 5点(2018-07-04 23:24:40) |
184.シブめの演出とシンプルなストーリー..そしてリアルな カーアクション & オートバイの激走! スピード感がたまらなく、大好きです! (撮影はオーストラリアだったとか..しかも低予算!) メル・ギブソンがメジャーになるきっかけとなった作品です(初々しいメル・ギブソンが見れます)..ちなみに「マッドマックス2」「サンダードーム」は、これが同じシリーズか? と見まがうほどの駄作..観る価値なし! お気をつけを.. 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2017-11-23 19:02:32) |
183.《ネタバレ》 そこにいるだけで犯罪に巻き込まれるなんて治安が悪すぎます。時代はまさに世紀末ですか。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-09 02:43:05) |
182.ピーター・ウィアーやピーター・ジャクソン、そしてジョージ・ミラーといい70年代にデビューしたオーストラリアやニュージーランドの映画監督に共通しているのはぶっ飛んだアナーキーさだと思います。彼らは今じゃそれなりの巨匠となっていますが、その中でもミラーだけはデビュー時の狂気をはらんだアナーキーぶりをまだ濃厚に発散している感じがします。この映画はアメリカじゃヒットしなくて日本でのバカ受けが世界に広まってカルトになったそうですが、考えてみれば本作がなければ偉大なる『マッドマックス2』も生まれなかったし、つまり『北斗の拳』も誕生しなかったしストリートファイターも存在してなかったかもしれないんですよ。 中身は非常に粗削りなB級アクション以外の何者でもないんですが、これほど観る者を虜にするB級映画は滅多にありません。あの衝突シーンはスタントに死者が出たとホラを吹かれてもそりゃ納得しますよ。この映画の素晴らしいところは、広大な地平線とそれに区切られた空が下手な役者以上に演技しているとしか思えないところです。デビュー作でこんな画を見せるなんて、やはりジョージ・ミラーはただものではなかったんです。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-04 22:40:04) (良:1票) |
181.《ネタバレ》 ○久しぶりに鑑賞したが、粗削りも良いところだな。もちろん世界観の形成には一役買っているとは思うが。○主人公も魅力的だが、現地の本物を使ったという適役はもっと魅力的だった。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-04 20:42:06) |
180.好きな人は好きなんだろうなーと思えるB級映画。個人的には、まず世界観にあまり入り込めず、また、バイクと車の争いのシーンもB級感が溢れていて好きになれませんでした。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 3点(2016-10-09 01:12:44) |
179.《ネタバレ》 有名な作品ながらなかなか観る機会がなかったのですが、ついに観賞。 率直に、なんじゃこら?って感じでしたね。 いわゆる映画のセオリー無視、無駄なシーン、唐突なシーン、やり過ぎなシーンの連続でした。 まぁ79年の作品ですのでセオリーもへったくれもないのかもしれませんが。 スピード感と何がおこるかわからないのは最後まで観賞する手助けになりました。 メル・ギブソン、さすがに若いですね! 【ろにまさ】さん [CS・衛星(吹替)] 5点(2016-10-01 22:05:30) |
178.有名なので見てみたけど、あんまり好みではなかった。悪い奴は誅殺されてしかるべき。 【タッチッチ】さん [ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-06-27 21:09:12) |
177.《ネタバレ》 荒涼とした世界。カーアクションの高揚感。バイオレンス描写による痛み。そして復讐のカタルシス。混然一体となって胸を締め付け、心を揺さぶります。不快と爽快が同時に胸に宿る快感。本作の特徴は、復讐劇よりもアクションの娯楽性に重きを置いている点にあると考えます。痛ましいエピソードにもそれなりの配慮を感じたからです。しかし最後で、この解釈が誤りであった事に気づきました。エンターテイメント性を強調するならば、ラストの制裁は不要でした。そこまで徹底する必要はありません。しかし復讐の本質とはそういうもの。仇の親玉を倒してもなお、心は晴れません。毒を食らわば皿まで。不当な暴力に対抗する制裁という名の暴力は果てが無いのでしょう。いや、そもそも“不当な暴力”なんて概念は存在しません。暴力は常に不当であり、理不尽なもの。でも感覚的には正当な暴力が存在するのも、また事実なのです。社会ルールではなく、自身の心のルールの話。続編では、文明が滅んで社会規範という枷(かせ)が外れました。本作はまだ社会の枠組みが残っている分、自身の心のルールのみに従うわけにはいきません。そのジレンマが本作の魅力だと思います。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-08 01:41:24) |